入れ子細工の夜

著者 :
  • 光文社
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感想 : 88
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  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334914646

感想・レビュー・書評

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  • 阿津川辰海作品3冊目として楽しみにしていた本書、4つの短編?中編?で構成されたミステリー作品です♪

    なんなんだろうなぁ、この幅の広さ。
    趣が違うなんて言葉では足りません。
    大学入試にプロレスまでって‥σ(๑• . •๑)?

    辰海の才能が溢れているというか、どうせなら1度脳ミソを分解して見てみたいよ^^;

    よくこんな設定を思いつくよね。
    (完全に褒め言葉)

    辰海の才能はまるで底なし沼の如し。
    ただなんだろうσ( ̄^ ̄)?
    今までの2作品のように没入感を得られなかった...
    故に辛めの☆3つ。

    辰海ぃ~、心配しなくていいよ。
    私はこれからもあなたの作品を追い求めて行くよ!!

    <あらすじ>
    「危険な賭け〜私立探偵・若槻晴海〜」
    古書の街に現れたハードボイルドな探偵が、殺された雑誌記者が持っていたという珍しい小説を探す。しかし、その小説には探偵にとって危険な秘密が隠されていた。

    「二〇二一年度入試という題の推理小説」
    K大学の国語入試には、犯人当ての推理小説が出題される。受験生のA君はミステリー好きとして挑むが、問題の答えは思わぬところにあった。そして、受験後には衝撃的な事実が明らかになる。

    「入れ子細工の夜」
    作家の自宅に、新人編集者を名乗る男が訪ねてくる。男は作家の妻が殺された事件について尋ねるが、その目的は作家を追い詰めることだった。作家と男の対話は、入れ子細工のように虚実が入り混じる。

    「六人の激昂するマスクマン」
    学生プロレスの総会に集まった六人のマスクマンたち。しかし、そのうちの一人が殺されてしまう。犯人はマスクマンの中にいるのか?マスクを外さない彼らは、推理と暴力で真相を探ろうとする。

    本の概要

    本格ミステリ・ベスト10第1位『透明人間は密室に潜む』の衝撃、ふたたび――。古書の街に現れた探偵の秘密、禁断の「犯人当て入試」狂騒曲、虚実が裏返る入れ子細工の2人劇、コロナ禍に覆面レスラー大集合で本人確認不能?……本格ミステリの極限を探る、濃縮された四編

    • ヒボさん
      アールグレイさん

      超納得です(((o(*゚▽゚*)o)))
      アールグレイさん

      超納得です(((o(*゚▽゚*)o)))
      2023/12/28
    • アールグレイさん
      良かったぁ~
      ヒボさん!
      どうぞ良いお年を
      (^_-)-☆
      良かったぁ~
      ヒボさん!
      どうぞ良いお年を
      (^_-)-☆
      2023/12/28
    • ヒボさん
      アールグレイさんも
      良いお年をお迎えください☆
      来年も宜しくお願いします(*^^*)
      アールグレイさんも
      良いお年をお迎えください☆
      来年も宜しくお願いします(*^^*)
      2023/12/29
  • 阿津川辰海さん
    ただただ文章力があるミステリーオタクやないか!

    いや、褒めてますよ!褒めてます
    だって自分もミステリーオタクになりたいもん
    ミステリーについてはそれなりに数読んでると思うけど何しろ記憶力がザルなので、せいぜいミステリー好きってところ
    『〇〇〇〇〇』のトリックについて語りあう!みたいなん無理だもん
    だってすぐ忘れちゃうもん

    あー、憧れるわー
    ミステリーオタク
    古今東西の名探偵についてもっと語り合いたいわー

    でも無理!
    毎回新鮮な気持ちで『シャーロックホームズの冒険』読めちゃう自分にはこのクラスチェンジは無理!

    ミステリーオタク
    なりたい職業№1です(職業ではない)

  • バラエティに富んだヤリ過ぎミステリーに驚愕っ 本格ミステリーマニア垂涎の濃密短編集 #入れ子細工の夜

    時代を席巻する新進気鋭の本格ミステリー作家による全四作の短編集。透明人間は密室に潜むに続く、様々なジャンル詰め込んだ&狂ったほど凝りに凝った力作。

    一言で言うとね、やり過ぎw

    今たくさんのミステリー作家さんがいますが、変態ミステリー愛好家ぶりはトップクラスでしょうね。かつて法月綸太郎さんの作品を読んだときも同じ衝撃を受けましたが、その時を思い出しました。
    この作家がいれば、これから数十年、本格ミステリー界は安泰だなーと思いました。こんなミステリーが読めて幸せです。

    ■危険な賭け ~私立探偵・若槻晴海~ ★4
    ハードボイルド愛に富んだ作品、最初の話からとびぬけています。

    ■二〇二一年度入試という題の推理小説 ★4
    犯人当て入試のドタバタ劇。様々な工夫もニヤニヤが止まらない。ミステリーマニアが悦ぶ一作。

    ■入れ子細工の夜 ★5+
    一番衝撃的でした、何も言いません。是非楽しみに読んでください。

    ■六人の激昂するマスクマン ★3
    12人の怒れし男、優しい日本人のオマージュで、前作六人の熱狂する日本人の同シリーズ。今回も本気でふざけてます、コメディミステリの良作。

    本作、総じて面白く、傑作がそろってます。
    ただ本作はミステリーの芸術性が高すぎるので、正直ミステリー初心者にはおすすめできないです。何が面白いのか全然ワカンナイという方もいるはず。

    ただ中級者以上には激面白いので、ぜひ読んでほしいっ 超絶おススメです!

  • 新年明けました。
    今年も皆さんのレビューを拝見して素晴らしい本に出会い、たくさん読みたいと思います。
    今年こそ、もう少し読むスピードを上げられます様に…←自分次第。

    ミステリーの読み方がまだ全然わからない経験値若輩者の私ですが、あまり長くなくごちゃごちゃしない犯人探しが面白かったです!犯人探しゲームみたいな感じで。

    毛色の違う4つのミステリー。二つ目がどう解釈したらいいのか…難しい!って思いましたけど。
    入れ小細工の夜が好きでした。

    犯人は全然わからなかったけど、やはり金田一少年の事件簿を思い出して楽しかったです。

    叙述トリックにまんまと毎回嵌められてビックリします。

    • 風鎮さん
      読みたいに登録しました。有難うございます。
      読みたいに登録しました。有難うございます。
      2023/04/22
    • にゃんちびさん
      風鎮さん

      コメント、ありがとうございます♪

      私はミステリ初心者なので、本でしか味わえないジャンルにワクワクしました!
      風鎮さんもぜひ謎解...
      風鎮さん

      コメント、ありがとうございます♪

      私はミステリ初心者なので、本でしか味わえないジャンルにワクワクしました!
      風鎮さんもぜひ謎解きしてみてください☺︎
      2023/04/23
  • 作者さんらしい趣向の凝ったノンシリーズ短編集。「危険な賭け」「2021年度入試という題の推理小説」「入れ子細工の夜」「六人の激昂するマスクマン」。面白かった。どの短編にもあてはまるが掻き回された。遊園地のコーヒーカップで普通の倍以上にぐるぐると回された気分。でもそんなに悪くない読後感。個人的には推理小説の話がハマった。

  • 攻められた一冊。

    楽しい。手にした瞬間、ワクドキが湧き出す阿津川さんの短編集はプレゼントの包みを開く時のあの瞬間に似ている。
    「危険な賭け」いきなり大好きなあの探偵モデルで攻めてこられたら、もうそこから心躍り楽しさが止まらない。「二〇二一年度入試という題の推理小説」は着眼点が面白く、この構成、終わり方は読んでいて楽しかった。

    表題作も作家と男のエンドレス感伴う対決にどんどん攻められ、マスク六人組もちょっとした笑いと推理の技で心を攻めてくる。

    四編ともどう向かうのか予測不可能な阿津川さんの楽しい攻め技がたまらない。

  • ノンシリーズ短編集第二弾。どの舞台もコロナ禍における制約を逆手に取ってそれぞれ趣向の違う話が成立しているのが面白い。私立探偵が本の行方を追う「危険な賭け〜私立探偵·若槻春海〜」と大学受験が犯人当てになった「2021年度入試という題の推理小説」は後書きでも炸裂させているミステリ愛が溢れ過ぎていてにんまり。「阿津川辰海読書日記」今手元にあるので読むのが楽しみ。犯人当て入試、難易度というかへっぽこさが絶妙だと思う。表題作は登場人物二人の探偵と犯人という立場がくるくると入れ替わっていくのが秀逸だがやや満腹感が。大学プロレス覆面レスラー達が仲間の死の全貌を推理する「六人の激昂するマスクマン」コミカルな流れだけどちょっとおふざけに寄り過ぎた印象を持った。

  • 楽しかった!に尽きる短編集でした。
    コロナ禍を取り入れた作品、結構増えてきたなと感じていましたが、なるほど。作者様たちも、この突然流行り出した怒りのぶつけようのないものへの不満を、作品という形で昇華しているのですね。
    4作品全ての作品で、コロナが流行ってからの作品だと分かるようになっています。バラエティ色のある作品集だから、全く違和感や蛇足を感じません。

    『危険な賭け〜私立探偵・若槻晴海〜』
    『二〇二一年度入試という題の推理小説』
    『入れ子細工の夜』
    『六人の激昂するマスクマン』

    4作品ともテイストが違って、楽しめました。

    一つめはハードボイルド風の雰囲気を纏った探偵もの…のようですが、それよりも作者の阿津川さんの本の知識が凄すぎてすごい(語彙力)。

    二つめはコロナ禍と入試という問題にスポットを当てた…笑えるようで笑えない(というのも実際コロナが流行り出して振り回された学生さんたちが大変だっただろうと思うと)作品。犯人当てが楽しめます。

    三つめの表題作は、演劇ミステリー。入れ子細工、マトリョーシカな感じの構成に、作者が映画やドラマに馳せる思いが込められているそうですが、私は無知なので、手のひらの上で転がされながら読みました。

    最後のタイトル、ふざけ具合、学生のノリに笑えて一番好きです。マスクマンとはプロレスのだろうなとは思っていたのですが、特にプロレスが好きとかではないんです。ないんですが、ところどころで笑ってしまうほどに楽しめました。雰囲気もイメージしやすくて、でも、ちゃんとミステリー。
    短編の最後のお話として、すっきり終わって「あー楽しかった」と本を閉じることができます。


    珍しく長々と感想を書きました…阿津川さんは紅蓮館、蒼海館に続く3冊めですが、読む本ごとに楽しさが違って、まだまだ読みたい作家さんです。

  • どの話も現代的なもので、文章も読みやすく楽しませてもらいました。
    特に入れ子細工の夜の、どんどん攻守が入れ替わる感じは新鮮でした。
    短編でなく、次は◯◯館の殺人の長編も読んでみたいと思います!

  • 【収録作品】危険な賭け/二〇二一年度入試という題の推理小説/入れ子細工の夜/六人の激昻するマスクマン

    あとがきより
    「基本方針は、
    ・ノンシリーズ作品集を目指して、いろんな形式でやってみること。
    ・どんな形式であっても、心は本格ミステリーであること。
    ・一作で完結させるつもりで、その舞台・キャラクターの魅力を最大限に引き出すこと。
    ・全4編を通じて、私達がいま生きている世界のありさまを刻印しつつ、といって、堅苦しくはしないこと。」
    ということで、バラエティー豊かな作品集となっている。

    面白かったのは「危険な賭け」。古書店と古書の描写が楽しい。
    「二〇二一年度入試…」は、皮肉が効いている。
    「入れ子細工の夜」は、読んでいてごちゃごちゃしてきた。
    「六人の…」は、「六人の熱狂する日本人」のセルフパロディー(あとがき)とのことで、メンバーはプロレスサークルの大学生。あちらも苦手なノリだったが、こちらはもっと苦手だったので、苦笑い。

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著者プロフィール

1994年東京都生まれ。東京大学卒。2017年、新人発掘プロジェクト「カッパ・ツー」により『名探偵は嘘をつかない』(光文社)でデビュー。以後、『星詠師の記憶』(光文社)、『紅蓮館の殺人』(講談社タイガ)、『透明人間は密室に潜む』(光文社)を刊行し、それぞれがミステリランキングの上位を席巻。’20年代の若手最注目ミステリ作家。

「2022年 『あなたへの挑戦状』 で使われていた紹介文から引用しています。」

阿津川辰海の作品

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