ユグノーの呪い

著者 :
  • 光文社
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (465ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334924546

作品紹介・あらすじ

少女の脳内で起こる殺戮と陰謀。斬新な着想と抜群の筆力…驚異の新人が登場!第八回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  •  作品解説:ある日突然、目と口が不自由になった美少女・ルチアはメディチ家の末裔。16世紀に先祖が大量虐殺した新教徒・ユグノーの呪いなのか……。トラウマを排除するため、彼女の記憶空間に入り込んだヴァーチャル治療士・高見健吾が遭遇したものは……。実力派新人、渾身のデビュー作!
     第八回日本ミステリー文学大賞 新人賞受賞作

     データ化された脳内の記憶の中へ、自分自身のコピーを潜り込ませることで、患者の過去のトラウマを排除し回復に向かわせるバーチャル記憶療法士(超簡単に説明すると、戦うお医者さんですね)。一見小難しそうな説明が長々と書かれていそうだけどそんなことはなく、わかりやすく完結に、そして違和感なく読者へと説明する筆力は見事。学習塾経営のスキルが役立っているのでしょうか。
     結構以前のドラマですが○○○○を見た方なら「鳥篭」の持つ意味もわかると思いますので、ミステリーとしてよりも、ファンタジーとして読むのがよいでしょう。

    ちなみにメディチ家の事柄について、上の歴史新聞では次のように書かれています。
    【パリ=一五七二年八月二十七日】
     建物の二階窓から、裸の男女が投げ捨てられた。路上では命乞いもむなしく刺し殺された母と子の死骸が転がっている。その横を死体を引きずりながら馬が全速力で駆けていく……。一五七二年八月二十四日、サン・バルテルミ祭の日の早朝から三日三晩、新教徒(ユグノー)が大虐殺された。犠牲者の数は三千人とも五千人とも言われ、死体で埋まったセーヌ川は血で染まった。この前代未聞の事件、首謀者は国王シャルル九世の母カトリーヌ・ド・メディチだ。

  • 現実に帰ってくれば安全なので、ちょっと緊迫感に欠ける

  • ヴァーチャル記憶療法士が主人公
    ヴァーチャル記憶療法士とは、
    トラウマなどを抱える患者の記憶全てを機械にコピーし、
    その記憶の中に特殊な機械をとおして記憶療法士の精神を送り込む

    ヴァーチャル記憶療法士は患者のコピーされた記憶の中で、トラウマなど問題の箇所を探し、治療する

    治療に成功したら、その問題となった箇所のみを患者本人の記憶に上書きしてトラウマ等を失くすという職業

    結構長かったけど中々面白かった


    3月18日  読了

  • 日本ミステリー文学大賞新人賞(2004/8回)

  • 精神疾患患者の脳磁気をコンピュータ処理してヴァーチャル記憶空間を作り、自らの心身をヴァーチャル化して入り込み記憶を書き換えて治療するヴァーチャル記憶療法士。ステータスもあり多額の報酬を得られる為誰もがあこがれる職業の一つになっているが、危険も多い仕事だった。記憶空間で戦い死んでしまったり、歪みに飲み込まれ戻れなくなるケースも稀に起こる。
    以前、数時間回収不能になり、自堕落な生活を送っていた『健吾』のもとへ、昔の仲間から仕事の誘いがくる。高額の報酬につられ向かったのは、ルネッサンス時代の大富豪の末裔、メディチ家のもとだったた。一人娘『ルチア』の治療にあたっていた記憶療法士は一人が負傷、三人が回収不能となっていた。
    ルチアの記憶空間に入り込んだ健吾は、そこで異様なものを見る。深層空間に行くにしたがって中世の街並みが広がり、兵士たちが現代の人々を殺しているのだった。


    まず、この設定になれるのが難しかったです。宮部さんのD.Bが科学的になった感じ?なのになかなか入っていけなかった。現実とリンクしているのは何となくわかるけど、何で記憶空間の人が死ぬのがダメなんだろう(記憶から消えるらしいが、もっと命として助けたいようにみえた)とか、内部でおった傷が現実でも負ってしまうとか・・精神的ダメージとして残るんなら分かるんだけど。

    そんな感じで、フンフン・・それで?と言った具合で終わってしまいました。
    第八回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作なんですが、新人賞作品にありがちな、粗削りだけど勢いがあるっていうものが感じられなかったです。策を弄しすぎたってところでしょうかね。

  • うーん 期待しすぎたのか いまいち

  • ゲームっぽい。

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著者プロフィール

1950年生まれ。埼玉県出身。中央大学文学部卒業。
学習塾経営の傍ら、35歳のとき小説を書き始める。
1999年『CATT―託されたメッセージ』で第16回サントリーミステリー大賞優秀作品
賞受賞。
2000年『ネバーランドの柩』で第17回サントリーミステリー大賞優秀作品賞受賞。
2005年『ユグノーの呪い』で第8回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞しデビュー。
『ノアの徴』『硝子の記憶』『手紙』(いずれも光文社)を著している。
学生時代から将棋に親しんでいたが、ある日突然「将棋小説が書きたい」と思い立ち、2020年1月に自身初の将棋小説『時空棋士』(マイナビ出版)を上梓した。

「2020年 『僕は令和で棋士になる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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