- Amazon.co.jp ・本 (351ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334925772
感想・レビュー・書評
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143:「パッサカリア」続編。同じくベンの一人称、回想と想像と空想と解説が主なのですが、ぐいぐいと読者をひきつけます。一文の長さは好き嫌いが分かれそう。前作と同じく、ラストまで読み進めると、ひとつの曲が終わったような、物悲しさを伴う不思議な余韻が残ります。硬派で無糖。途中で少し読み疲れるけど……。
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自動車工「ベン」と飼い犬「ケイト」のシリーズ第二弾。
ハイティーンの頃に騙されて放り込まれたアメリカキャンプで知り合った一人の少女。ベンは久々に彼女の名前をテレビのニュースで目にする。彼女はSPとして要人警護の職についており、その日クライアントであるハリウッド女優とともに乗った車が事故で大破。女優は死亡。SPである彼女も重傷を負ったということだった。
入院する病院を訪れ、久々の再開を果たす二人。そこで彼女に一枚のDVDを渡され・・・・
すごい面白い!!というわけでもないんですが、このシリーズ妙にすきなんですよね。
なんでだろう?と思ったんですが、これは主人公の一人称視点でひたすら話がすすむいわゆる「ハードボイルド文体」だからなんじゃないかと。なるほど。自分好みってことか。
まあ話の内容というか展開は「ハードボイルド」というほどでもないけど・・・いやラストはこれはハードボイルドだな、うん・・・・ -
前作「水上のパッサカリア」よりこなれた感じ。
ただやはり言葉使いに違和感を感じるところがちらほら・・・(酒屋のおかみ、とか)
今回は、青年時代にアメリカのキャンプで知り合った、マリアンという昔馴染みの女性の身に起こった交通事故から物語は始まります。
彼女が病院から消え、謎の男たちが彼女から渡されたCDロムを狙って襲われる主人公。
有名女優のボディーガードの他に副業もこなしていたというが、彼女にはどんな秘密があったのか?
マリアンの後を追ううちに、明らかになってゆく事故の真相・・・。
キャラが立った脇役が出てきているせいか、前作より盛り上がる部分があったかな?
「ファンダンゴ」の使い方は、やっぱりうまくはないけれど。
ラストも結構あっけないというか、勝手にマリアンとの思い出を美化して終わらせている感じで納得できなかったです。
これだから男ってのはっ(ぶつくさ)
マリアンと主人公の、お互いを想う気持ちの温度差は、豊島ミホの「エバーグリーン」の主人公2人を思い起こさせました。
(あんなにピュアな人間じゃないけどさ)
哀しいけど、こういう温度差ってどこにでもあるわよね・・・。 -
優美な感じのタイトルに惹かれ、読んでみたけど、内容はどちらかというとハードボイルドちっく。
物語の最初から最後まで、主人公のサバイバルキャンプで過ごした過去の記憶と交錯しながら進み、かなり読みにくい。
しかも、登場人物のほぼ全員が何者なのか分からないまま、終了・・・
この消化不良感・・・どうにかして欲しい。
前作の「水上のパッサカリア」から読んでいれば、違ったのかしら??? -
読書完了日2008年08月08日。☆4まではいかないので☆3で。嫌いではないけれど、スリリングさが足りないというか臨場感が無いというべきか、なんかもうちょっとスパイスが欲しい。
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東京・調布に自動車整備工場を構えた大道寺勉がテレビの中に見つけたのは、二十三年前、アメリカのサバイバルキャンプ時代に初めて愛を交わした女、マリアン・ドレイパーだった。来日中のハリウッドスターのボディガードを務めていて、大きな交通事故に巻き込まれたらしい。入院中の彼女と再会した勉だが、数日後、彼女は突然病院から姿を消した――。ミステリファンを唸らせた大型新人による『水上のパッサカリア』続編!
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なんとか新人賞をとった第一作『水上のパッサカリア』が目にとまり読んだ。それは面白かった。だから期待してこれも読んだけどハズレ。海野碧さんは還暦を越えた女性の方の様ですが、そうとは思えないハードボイルドの部分の描写が前作は良かったのですが…。次の作品に期待しましょう。