ネメシスの契約

著者 :
  • 光文社
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感想 : 23
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  • Amazon.co.jp ・本 (397ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334928902

感想・レビュー・書評

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  • 向井シリーズ第2弾。
    父親が犯人とされた首切り殺人事件の真実を探る新聞記者の周防と、医療ミスの疑いのために心臓麻痺で亡くなった患者の死因を調べる向井の2人の目線で前半は描かれる。
    そこに目黒で発生した中学生の死体遺棄事件を調べる捜査一課の話も入り込んできて、登場人物も多く、なかなか話が繋がらない展開に少し飽きてしまう部分もあったが、周防と向井が知り合い、協力して事件を追うようになってからは、一段と面白さを増す。
    しかし、第1弾の時も思ったが、向井がトリックを見破る時は不自然極まりない。トリックは他の作品では見かけない、かなり本格的なもので、凄いとは思うけど、向井の「長いものにはまかれろ」の日和見キャラが突然見破るのは、どうかと…
    前作で今後コンビを組むのかと思われた恋人の美咲もほぼ登場せず、何となく登場人物の使い方が勿体ない気がする。
    トリックが本格的でかなり難解なだけに、キャラクターの作り込みも今後に期待したい。

  • 7月-11。3.5点。
    厚労省向井シリーズ。ペースメーカーの誤作動による死亡、調査すると裁判官の子息。心筋梗塞、これも裁判官の子息。
    ある事件の死刑判決の関係者が、続々被害。
    また、人権派弁護士の子供も誘拐される。
    真犯人は、死刑を免れた元犯人なのか。

    前作もそうっだが、トリックの視点が独特で面白い。ラストは二転三転させ、あっという間に読んだ。次作も期待。

  • 題名がピンとこないような。
    盛込み過ぎの所があるかも。

  •  向井の性格変わりすぎじゃない?前作はまるでやる気がなく、元カノにお尻たたかれて仕事してたのに。

     

  • 評価は4。

    内容(BOOKデーターベース)
    夕刊ニッポンの記者、周防正孝は8年前に起きた実父の事件を追っている。実父は新潟の漁港で元最高裁判事の首を模造刀で切断、自らも拳銃自殺したのだが、謎が多い。ある日、厚労省の向井俊介から「スクープネタがある」と電話があった。向井は医療ミス疑惑の調査過程で、首切り事件の真相に関わる重大な事実に気付いたという。そこには世間をにぎわす猟奇殺人、人権派弁護士の息子惨殺事件が絡んでいた―。

    ※作者は違うが「ネメシス」続きの書籍を読んでしまった。

    厚生労働省の向井君シリーズ。悪いことをした人にはそれ相当の罰を!
    私も含め、日本には司法制度があるんだから当然そうなる!と思って居るけど現実は被害者の泣き寝入りなんだろう。そんなモヤモヤを痛快に解決して終了。とは行かないんだなぁ~あんたがやったんだ・・・・

  • 2018.9.8

  • 根っこでつながっている事件に対して
    3人の視点から並行して語られる形になってるけど
    2~3ページごとに登場人物と場面がコロコロ変わって
    何がなんだかわからなくなる。

    作者が一度に書ける文章量と思わしきボリュームごとの
    場面転換がひたすら繰り返される流れになっていて
    読み辛すぎてイヤになってくる。

  • 「実父が犯した殺人事件を追う記者」、「医療ミスの調査から事故に見せかけた連続殺人事件に気付く厚労省職員」、「弁護士の息子誘拐事件を追う刑事」の三つの話が平行して進みます。これらが徐々に繋がるさまが絶妙で惹き付けられます。文章も読み易いので楽しめました。
    しかし、設定や殺害方法に無理がありますし、二転三転する真相も読者に与える情報が不足しているので取って付けた感が否めないなど、全体的に粗さが目立つ作品でした。

  • 前作「変若水」が面白かったので、注目していた作家さん。今作も前作同様、事件を解き明かすのは厚労省の役人の向井俊介。

    複数の連続殺人事件が起きるのだが、その犯行トリックがそれぞれ凝っていて秀逸。関わる動機も複数で絡み合っていて、最後は二転三転。正直、この真相になるのだけは止めて、、、と思っていたことが真相だったのでちょっとやり切れなさを感じたけれど、文中、上手くミスリードされたかな、とは思う。
    ただ、探偵役の主人公の向井の推理力が半端ないのがちょっと気になるところ。医療事故に関わるトリックは職業上、ピンとくるのは分かるけれど、明らかに専門外の物理トリックを鮮やかに解き明かすのには違和感。前作も思っていたが、警察のほうも彼に追随しすぎ。ご都合的なところは否めなかったかな。
    それでも、前作とはまた違う本格的な物理トリックもあって、面白かった。事件の構造も二重三重と複雑に絡み合っており、予想外の展開が待っていて面白かった。不満な点は、水島というキャラの必要性がいまいち理解できなかったコト(苦笑) 彼よりも、美咲さんの方をたくさん出してくれたらよかったのに。

  • 「身内を殺された者の怒りは決して消えることが無い」
    夕刊ニッポンの記者、周防正孝が抱える憂鬱。
    遺族が抱える犯人への怨恨。
    読み進めて行くも、切なくて哀しくて。
    トリックの謎も、絶妙のタイミングで明かされており
    謎は綺麗に回収された。

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著者プロフィール

佐賀県生まれ。島根県在住。2011年『変若水(をちみづ)』(光文社)島田荘司選第3回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞優秀作に選ばれデビュー。主な著作に『凶血公安調査官 霧坂美紅』(KADOKAWA)『凶眼の魔女』(実業之日本社)『化身の哭く森』(講談社)『背律』(原書房)『堕天使の秤』(光文社)『四面の阿修羅』(南雲堂)

「2023年 『龍のはらわた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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