犬は愛情を食べて生きている

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 69
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334952518

感想・レビュー・書評

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  • 図書館の本の福袋で。
    タイトルを見て、ほっこり動物ものか…と若干落胆したのだけど(ほっこりという観念自体が苦手寄りなので)、めくってみたら中心にいる方の名前に覚えが。
    片野ゆかさんの『犬部!』の、犬部創設者の太田さんじゃないかー!!
    ほっこり違うぞこれは、と腰を据えて読んだ。
    太田さんのシビアな生き方が突き刺さる。
    その上でのタイトルの言葉。
    どれほどの思いで口にしたのか…。
    3年以上、太田さんと周囲の方々を丁寧に取材して書かれており、太田さんはもちろん、著者の真摯さにも胸を打たれた。
    アニマルライツは考えていかなければならないよね…。

  • ご縁があって、出会えた本。

    映画「犬部!」のモデルにもなった、動物愛護にも全力を注ぐある獣医さんに密着したノンフィクション。

    本にも記されていたように「めちゃくちゃ働き、他人の批判を気にせず、自分の志に忠実に」、犬や猫の幸せを想う気持ちをブレずに貫く生き方に圧倒される。

    学生時代は、獣医学部の常識を覆すような無茶ともいえる行動を起こすなど、だいぶ異端児だったようだが、彼に共鳴する人はいた。たくさんの動物に囲まれ、背中を押してくれる人々と出会い、彼は強く温かなまなざしで動物たちと生きてきた。そして、これからも生きていく。

    正直、ペットが苦手だ。動物は好きだけど、飼うこと自体に、ちょっと忘れがたい体験もあり、疑問がつきまとってしまう。だけど、この獣医さんの動物に対する考え方・生き方はとてもすばらしいのです。

    奇しくも、この獣医さんが18年半連れ添った愛犬、花子の命日の今日、読み終わった。

  • 1ページ目から泣いている

  • 「花子と先生の18年」を観た後、読みました。ドキュメンタリーから、より重なり合って知ることができた。
    貫くには、振り切らないと、やり切れないなと。人より動物。聞きざわりの良いことばかり言ってると、それは学芸会のような世界。戦い。人の身勝手で死んでいった命を背負って今も戦っている。それぞれが偏ってていい。それが力だと思った。

  • あの「犬部!」の獣医師について、映画「犬部!」の脚本を書いた筆者が書いた評伝です。

    「まだ生きられる命を人間が終わりにすることはできない」
    「動物はね、寿命を長くしてほしいと思っていない。お母さんと一緒に幸せになりたいと思っている」
    結局は「犬はどんな治療でも、飼い主が愛して決めてくれたことなら、喜んで従う」ということのようですし、そう思わなと決断できないですね。

  • 太田さんとハナ(飼い犬)とのやりとりをみて、昔飼っていた犬の事を思い出して号泣。お風呂中、涙と鼻水が止まらなかった…ペットの死に際、飼い主もいつも通り笑って過ごす、悲しむ姿を見せるとペットが飼い主に申し訳なく思ってしまう…そんなふうに思ってハナに接する太田さんの姿に胸が打たれた。2017年には、日本の大学でも、動物実験代替法が適応されて良かった。これで命を無駄にせずにできる。太田さんの、一匹も殺さないという信念と、動物実験代替法を布教する活動をする行動力、凄く尊敬する。一つのことに自ら声をあげて、周りの目を気にせずに行動する姿勢に感動した。

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著者プロフィール

東京都生まれ。テレビディレクター、作家、映画監督。フジテレビジョンの番組『ザ・ノンフィクション』のディレクターとして「生きがい 千匹の猫と寝る女」「会社と家族にサヨナラ~ニートの先の幸せ」「犬と猫の向こう側」などを手がける。2015年、監督、製作、脚本を手がけた映画『犬に名前をつける日』が公開。また、同名のノンフィクション『犬に名前をつける日』(キノブックス刊)を刊行。保護犬のハルとナツと暮らす。

「2018年 『犬と猫の向こう側』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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