- Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
- / ISBN・EAN: 9784336075635
作品紹介・あらすじ
日本随一のコレクション数を誇る国立科学博物館――美しい標本、それぞれのストーリー。科博の研究者14名がこだわり選んだ、絶滅種、絶滅危惧種を中心に150種超。四季折々の自然豊かな環境に、生物多様性を誇る日本列島。トキ、ニホンオオカミ、ニホンカワウソ、クニマス、冬虫夏草、タガメ……美しいカラー図版に、それぞれの種にまつわるエピソードを添えて、絶滅の物語、復活の物語、科学の最前線を知る。種の保全につながる標本を「再発見」し、未来につなげる、日本列島の生物多様性をさぐるヴィジュアルブック。※国立科学博物館の企画展「発見! 日本の生物多様性」(2021年)を再編集して成書化。※恐竜を含む古生物、岩石・鉱物、理工学機器類の標本は扱っていません【「はじめに」より】 国立科学博物館は、ヒトを除く現生生物だけで約450万点の標本と生きている植物を保有しています。すべての標本には採集から研究への活用に至るまで豊富なストーリーが伴っているはずですが、点数が膨大なために掘り下げて紹介できる機会はなかなかめぐってきません。本書では「日本の生物多様性保全」を切り口に、それを考えていくうえで重要な役割を担う標本を厳選しました。 1章(ⅰ)では、日本において絶滅判定を受けた生物を紹介します。2章(ⅱ)では、いったん絶滅宣言が出されたものの野生個体が再発見された種を紹介します。3章(ⅲ)では、絶滅寸前種(絶滅危惧種の中でも、特に絶滅のおそれの高いもの)をとりまく状況を生物群ごとに見ていきます。4章(ⅳ)では、ヒトの営みに翻弄されて生息状況が大きく変わってしまった生物をとりあげます。5章(ⅴ)では、標本とリビングコレクションが互いに補い合って生物多様性保全に貢献している事例を見ていきます。最後の6章(ⅵ)では標本を活用した新展開をいくつかの成功事例で紹介します。〈監修・執筆者〉◎海老原 淳国立科学博物館植物研究部陸上植物研究グループ研究主幹◎遊川知久国立科学博物館植物研究部多様性解析・保全グループ長◎中江雅典国立科学博物館動物研究部脊椎動物研究グループ研究主幹◎細矢 剛国立科学博物館植物研究部植物研究部長◎吉川夏彦国立科学博物館動物研究脊椎動物研究グループ研究員◎神保宇嗣国立科学博物館標本資料センター副コレクションディレクター【国立科学博物館動物研究部】井手竜也(陸生無脊椎動物研究グループ研究員)川田伸一郎(脊椎動物研究グループ研究主幹)田島木綿子(脊椎動物研究グループ研究主幹)西海 功(脊椎動物研究グループ研究主幹)長谷川和範(海生無脊椎動物研究グループ研究主幹)【国立科学博物館植物研究部】奥山雄大(多様性解析・保全グループ研究主幹)田中法生(多様性解析・保全グループ研究主幹)保坂健太郎(菌類・藻類研究グループ研究主幹)
感想・レビュー・書評
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国立科学博物館が所有している標本の一部を掲載。テーマは「日本の生物多様性」。既に絶滅してしまった標本や、絶滅危惧種の標本掲載はもとより、標本からのDNA採取方法について最新技術の紹介もされている。生きものを現在進行形で人類が絶滅に追い込み続けていることは、目を背けてはいけない事実の一つだ。ニホンオオカミの剥製を見ると、身が引き締まる思いだ。トキが絶滅したことによるトキウモウダニの絶滅、カエルツボカビ病を保菌したニホンオオサンショウウオなど、標本があったからこそ判明したこともたくさんある。標本に関する本『標本バカ』も読んだことがあるが、いくらあっても困らない研究用標本と、展示用に見栄えがする展示用標本が使い分けられているのはこの本から初めて知った。
標本化するのもすごい技術だ。煮たり、皮を縫ったり、虫に食べさせたり…。いつか日の目を見ることがあるかも知れない研究成果に備えて、科博にはたくさんの標本が今も出番を待っているのかと思うと、財産としてしっかり守っていかなければと思う。クラファンで多額の資金がたくさん集まったことも記憶に新しい。この施設を大切に思う人たちの気持ちの表れだと痛感した。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
国立科学博物館は、生きている間に一度は訪れてみたい場所のひとつです。
絶滅危惧種と聞いて思い浮かべるのは、動物や昆虫ばかりでしたが、そうだよね、植物だって、そうですよね。 -
国立科学博物館の研究者が選んだ、絶滅危惧種を中心とした標本を美麗な写真で紹介しています。絶滅してしまってもう二度と見られない生き物の標本から、努力の結果復活を果たした生き物、標本の果たした重要な役割、その歴史など、見所がたくさんな一冊です。
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請求記号 460.7/Ko 49