学校図書館ビフォ-・アフタ-物語: 図書館活用教育の全国展開を願って

制作 : 五十嵐 絹子 
  • 国土社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784337450400

感想・レビュー・書評

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  •  「ビフォー・アフター」とありますが、単に図書館施設を改変した記録でなく、学習に盛んに使われるようになったり、学校図書館に本を借りに来る子どもたちが激増したりと、活動が盛んになった図書館がどうしてそのように使われるようになったのかを細かにまとめた山形県朝暘市内の小・中学校図書館の変貌の記録です。
     
     活動が盛んな学校図書館は、先進的な取り組みなど、とかくその成果に注目されがちです。盛んなところとそうでないところの差が激しく、図書館がまだまだ認知されていない現状では、そこにいたるまでのプロセスに目を向けることが大事で、それに十分こたえた内容になっています。

     小学校11校、中学校3校の実践が収められ、各校でたとえば「地域との連携」「校長、図書主任、学校司書との連携」「5回の図書館リニューアル」「司書教諭と学校司書の連携」など、それぞれ切り口を工夫してまとめているので飽きさせません。また、司書教諭や学校司書が活動の中心となっていますが、学校全体で学校図書館に目を向け、改善に取り組むことを重視していることが各実践から伺えます。

     編著者が、「学校図書館支援員」という朝暘市内の小・中学校図書館を巡回してアドバイスし続けるという立場でも実践を章立てており、全国の学校図書館支援センターで活動されている「支援員」のかたにとっても、類書がないだけに参考になります。
     

    【目次】(BOOKデータベースより)
    第1章 小学校の学校図書館づくり
    第2章 中学校図書館の挑戦
    第3章 学校司書の奮闘
    第4章 司書教諭の図書館づくり
    第5章 図書館支援業務員のチャレンジ
    第6章 図書館づくりQ&A

  •  山形県鶴岡市で学校図書館の支援業務員として働く著者による、学校図書館改造に関するエッセイ。著者以外に、著者とつながりのある学校司書や司書教諭の執筆した章もある。いかに「カビ臭い図書室」から「行列のできる図書館」へと変貌させるかという奮闘記。
     古くて汚い本ばっかり、文学の比率が多く調べ学習に使えない、本の配列が一貫していない、など多くの問題点を抱えた図書室を前に、どこから手をつけていいのか、自分一人ではできない、などの悩みを抱える中、職員や生徒、地域の支援を受けながら、また著者の学校司書であった経験を活かして、図書館として生まれ変わる過程がエッセイ風にいきいきと描かれている。書架の種類や、読書センター、学習・情報センターという学校図書館の備えるべき機能を発揮するためのレイアウトなどが図示されていて、イメージが湧きやすい。段ボールに詰め込む作業に関する事項やブックトークの台本などの具体的かつ細かい点まで提示されているのも、臨場感があって面白い。設備などのハード面の整備とともに、どのように図書館に児童生徒を呼び込むのかという点も、各学校ごとに示されていて、興味深い。読書郵便、読書クイズ、リーディングバディ、辞書引き大会、などの様々なノウハウは、すぐに現場で役立つ情報となっている。
     ただ、様々な学校の事例紹介に終始しており、ややマンネリ化している感じがする。せっかくのノウハウがわずかに最後の章でQ&Aとしてまとめられているだけで、物足りない。エッセイという感じで終わってしまってはもったいない内容だと思う。(10/09/21)

  • 小中学校の図書館活動の本だけど、最後のQ&Aがちょっと役立つ。

    ・読書旬間
    ・ブックフェスティバル
    ・本の苦手な人にとっておきの本
    ・図書館はきみたちの本棚

  • 【12/8-12/12】近図/「2冊貸出券」は使えそう...v

  • 五十嵐氏が、鶴岡市の学校図書館支援業務員となって、
    市内の学校図書館を、訪問指導した記録がメインです。

    暗かった図書館、使いにくかった図書館が、
    使える図書館に変わって、子どもたちも変わっていきました。
    図書館がいきいきするヒントが、たくさん詰まっています。

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