信号解析教科書- 信号とシステム -

著者 : 原島博

• コロナ社 (2018年3月9日発売)

感想・レビュー・書評

[ngskshienさんの感想 · 2023年8月27日]

　日々のデータ解析において信号処理の知見を活用すべく、最近のベーシックな教科書であると聞く本書を手にしました。確率論的な部分は続巻に回されていて、確定信号の基礎的な扱いがスマートに取り扱われています。
　本書の優れている点は、細かい内容や煩雑な内容がさっぱりカットされ、重要で基礎的な部分のみが重点的にシンプルに記載されている部分です。B5版で150pほどの薄い本ですが、信号やシステムの考え方からz変換や2次元信号の基礎に至るまで必要なことは大体書いてあります。考えているシステムや変換前後の空間を示す概念図やブロック図も簡潔でわかりやすいです。巻頭に載っている「本書の構成」が異常に良くまとまっていて見やすく、折に触れ見ると信号処理論の構成そのものが整理された形で頭に入ります。
　本書の構成はデメリットになっている部分もあり、例や具体的な演習問題の分量がやや控えめになっており、実感を持った勉強を進めにくい本ではあります。あくまでより進んだ本や具体的な技術内容を学ぶ前の基礎知識の習得のための本です。また、数式の説明も手取り足取り丁寧というわけではありません（不親切とまではいかない）。端的に言えばあっさりした本です。

[fraserlibさんの感想 · 2018年5月14日]

請求記号　547.1/H 32

著者プロフィール

ルーテル学院大学総合人間学部教授

「2022年 『世界の社会福祉年鑑2022（第22集）』 で使われていた紹介文から引用しています。」