現場で役立つ制御工学の基本

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  • Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784339032024

作品紹介・あらすじ

【書籍の特徴】
制御工学の書籍は極めて多い。これら書籍では,最初に数式の定義などの導入をおこなう。しかし,初めて制御工学を学ぶ学生,あるいは初級技術者にとって,数式の完全理解は高い壁となる。これを乗り越えられない,すなわち数式の理解が不十分な場合,制御工学の知見を駆使した研究開発ができないと思い込む。実は決してそのようなことはないのである。本書の場合,数学的な準備の前に,いきなり実際の応用例を2章に配置し,その後に数学的な準備事項を3章で記載している。極論を許してもらうならば,数式が理解不能であっても,機械やプラントに対して制御をかけていくことができる。わからないからと言っても,工学的な感性を駆使すればフィードバックループは組んでいける。このような実務を経験することによって,数式の取り扱いは格段に進捗する。つまり,現場で使える,使いこなせる制御工学を意識した書籍に仕上げている。

【各章について】
1章の序論では,閉じた世界をつくりだすフィードバック制御の必要性について論述している。 2章では,いきなり温度制御,磁気軸受の制御,光ヘッドの位置決めというフィードバック制御の実例を解説している。 3章では,自然現象を表現する微分方程式を「絵」としてのブロック線図に描画する手法を述べている。4章では実世界の応答である時間応答の取り扱いを記載している。5章では,時間応答と対の関係にある周波数応答の取り扱いを述べている。常に時間応答と対比して周波数応答を解説している。6章では,閉じたループを構成するために生じる安定性の問題を扱う。ここまでの章では解析手段を学んでいるが,いよいよ7章ではモノを造り出す設計に焦点をあてている。具体的に,PID補償に代表される実際の補償器の設計法を記載している。8章では,制御性能を上げる一手段であるフィードフォワードの技術を述べている。何れの章にも演習問題を挿入した。丁寧な説明付きの解答を行っていることが特徴である。説明がない場合,解答を途中で放棄して理解が進まないことを回避するためである。

【著者からのメッセージ】
 モノを自在に操ることが制御工学の目的である。そのため,機械などの実際の応答に馴染んでもらう必要があり,実測のデータを多用した。そして,シミュレータによる波形あるいは周波数応答との違いにまで言及している。さらに,数式のとり扱いにおいては,工学的な理解が容易にはかれるように,物理現象の記載まで行っている。

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