- Amazon.co.jp ・本 (429ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344019270
作品紹介・あらすじ
東京の公園で男が絞殺された。身元を調べるうちに、被害者の地元・兵庫県養父市でも数日前に白骨体が発掘されていたことがわかる。発見場所も殺害時期も異なる二つの遺体-。だが、警視庁捜査一課の戸田刑事は、事件の関連性を疑い始める。そして捜査を進めるうちに、ひとりの新進気鋭のカメラマン鈴木太郎に辿り着くが…。執念の刑事・戸田と、己の宿命に抗おうとする男の壮絶な闘いが幕を開ける。野望と愛憎渦巻く書き下ろし長編ミステリー。
感想・レビュー・書評
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5-400年の歴史を超えての物語。チョット繋がりが難しいですね。
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大昔に起きた難破船の事件。
現在、発見された白骨死体と殺人事件。
その話の持っていきようや、登場人物の複雑な生い立ちや、取り巻く環境などの設定が読み進めていくうちに、松本清張の小説を彷彿させる。
難破船の話がちょっとくどくてそこまでの描写はいるかな、と思ったり、犯人に行きつく過程がちょっとスムーズすぎたり、物足りなさは少しあるが
全く知らない作家さんで、たまたま手に取った本にしては読みごたえのあるものだった。 -
400年前に起きた、異国船遭難事件。
30年ほど前の、白骨死体。
そして、現在の殺人事件。
3つの事件はどのようにかかわっていくのか。
興味のひかれる設定。
犯人は最初から怪しく、アリバイ崩しや動機の解明がメイン。
ひとつひとつ着実に調べていく。戸田刑事の地道な捜査と、小島鑑識課員の働きが光る、刑事小説。 -
400年前の海南事故と現代の殺害事件が交互に語られます。
過去の物語が、潮の匂いまでしそうに生き生きとしていて、そちらの方がとても良かった。女性達が半裸状態なのに全然いやらしくなく、寧ろ爽やかな所がすごく好きです。 -
氷の花がいちばんおもしろかったなあ・・・
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『氷の華』で注目を集めた作者の第三作目です。
ミステリー大好きさんがすでに読まれていますね。
タイトルから、恐ろしいような気味悪いような話を想像していたのですが・・・
ご先祖さまにまでさかのぼる「絆」を感じさせる作品でした。
物語はいきなり、1609年千葉県御宿の漁師村で始まりました。
9月下旬、御宿の海岸付近で遭難したスペインの商業船の乗組員300人以上を村人総出で救出します。船員は金髪青い目の「南蛮人」たち。言葉は通じませんが、身ぶり手ぶりで意思の疎通をはかり、村人たちは一生懸命に彼らの面倒をみます。そのうちに、いくつかの恋らしきものも芽生えてきました。ミヅキという村娘とニックという若い船員の恋もそのうちの一つでした。
章が変わると、いきなり2010年。
兵庫県北部養父市で台風後の土砂崩れの中から、30年前のものと思われる白骨死体が出てきました。地域の警察が捜査を始めているとき、今度は東京の品川付近で養父市在住の男性の他殺死体が発見されます。
ふたつの事件の接点は?
どうなるのかとはらはらして読み進むと、時代はまた遡って400年前に。
美しい恋愛中のミズキとニックにも、ニックの帰国という悲しい別れがまっていました。ミズキはその後、金髪青い目の男の子を生みます。その子を育てながらも、結婚します。見た目外国人のその子は、村の住職の薦めもあって、商いの修行をするため長崎へ旅立ちます。
これがどこでどう繋がるのだろう?
現代の血なまぐさい事件とは関係のないような美しい恋愛のエピソード。
でもこの金髪青い目の男の子のDNAこそ、
養父市と東京の2つの事件を解く鍵、だったのです。
現在と過去、兵庫と東京、千葉と長崎日西墨三国交通発祥記念之碑にまつわる史実と阪神淡路大震災まあ、目まぐるしくかわる背景とストーリー展開です。
400年前の史実から端を発して現代へ。
時の流れを一気に飛び越えて現代に蘇るDNAの不思議にも驚きました。
ミステリーとして読むよりも歴史小説として読んだら面白いかも。
スペイン船の遭難も事実で、
日西墨三国交通発祥記念之碑は実在するものとか。
ちょっと、御宿の海岸を訪ねてみたくなりました。 -
砂の器を彷彿とさせる展開だとおもった。
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松本清張の『砂の器』を思いだしたら 作者デビュー作『氷の華』の文中には『砂の器』の引用があったので影響を受けているんだなあと思った。