- Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344019317
作品紹介・あらすじ
「マタネ。愛シテル」それが最期の言葉だった。2007年9月、アレックスという名の天才ヨウム(オウム科)が31歳の若さで亡くなった。「鳥は"思考して話す"」という驚愕の事実を証明して-。CNN、ABC、タイム誌等で話題、全米に感動を巻き起こしたノンフィクション。これは女性科学者と鳥の、愛と苦悩と発見の記録である。
感想・レビュー・書評
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アレックスはとてもいい子で素直で従順なイメージを持って読み始めたのですが、けっこう生意気な奴だったのですね。
このボス的性格のアレックスとペッパーバーグ博士(飼い主)との感情のぶつかり合いもおもしろかった。
カラスなども賢いなあと思うことがあるが、どこまで理解して行動しているのかがアレックスを通じてわかる。
土いじりや草むしりをしていると寄ってくる野鳥がいて友達になった気がするのだが、きっとエサにありつける何かをしてくれると思っているのだろうな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
動物学やヨウムに興味を持つ人の入門書にとても良い。科学者らしく冷静ながらも感情を感じさせる文章で、素人にも分かりやすい。過剰に感動的な演出をしている訳ではないが、著者のアレックスへの気持ちが十分伝わってくる。ゼロの概念と音素の概念の理解が最も知的だと感じた。
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オウムのアレックスと私の実験記録。オウムは感情を理解するのか?
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皆さんはヨウムという鳥を知っていますか。ヨウムとはオウムの仲間で、その中でも最も明瞭に人間の言葉を話すとされる鳥です。
この本は、アレックスという一羽のヨウムと女性研究者のアイリーン・ペパーバーグ博士の30年にわたる交流について書かれた実話です。
博士とアレックスは、動物の知能についての研究分野で大きな成果と成功を残しましたが、はじめは周囲の理解が得られず十分な資金や環境が整わないなど困難の連続でした。それでも仲間たちと協力し合って根気強く訓練や実験を重ねていきました。その様子や、アレックスをはじめとする個性豊かなヨウム達との様々なエピソードから、博士の研究への熱意とヨウム達への想いが伝わってきます。
研究書としても、読み物としても興味深い一冊です。
イカ☆リング -
7月新着
6月の新着本『インコとオウムの行動学』にはこの著者の書いた「ヨウムの認知力とコミュニケーション」が収録されている。アレックスについて書かれた論文である。合わせて読んでみるのもいいかなと。 -
世界で有名なヨウム「アレックス」。彼は、色・形・素材・数を理解でき、〝none〟も使いこなしたそう。鳥と人の間に、言葉や概念の共有化ができれば・・・「訓練次第で会話ができる・言語を介したコミュニケーションもできる」ペパーバーグ博士の鳥の賢さの報告を楽しみに待ちます。
賢さ?辞書で「知性」をひくと――、知性【intelligence】…事を知り、考え、判断する能力。それって、相手の気持ちを思いやり、必要としているものを判断して、臨機応変に対応すること。「優しさ」は知性なんだね! -
動物と人間のコミュニケーションにおいて、当時の常識を覆したオウムのアレックス。女性科学者である著者との交流と研究書でもあり、自伝でもある本です。
よくある「異種コミュニケーションと心の交流」ではなく、「概念の理解」というものの研究とその結果にはとても驚きました。音素の分解、足し算、ゼロ概念には驚愕!
また、内容は専門的でありながらとてもわかりやすく、かつ読みやすく書かれており、面白くて小説のように一気に読んでしまいました。
アレックスの最期の言葉は、「イイコデネ、アイ・ラブ・ユー」。
最初に読む第1章と次に出てきた時。読者にとってその重みは全く違ったものとなるでしょう。 -
言葉を話、言葉の意味や数を理解する天才ヨウムと研究者の実話。インコを飼っているものとして興味深く読み進め、天才ヨウムのアレックスの知能の高さに感心させられました。
ヨウムの寿命より早く天に召されたアレックス。亡くなる直前に研究者にアレックスがかけた言葉の「アイラヴユー」というのが、とても心に残った。