ナインデイズ 岩手県災害対策本部の闘い

著者 :
  • 幻冬舎
3.69
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本棚登録 : 153
感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344021372

作品紹介・あらすじ

東日本大震災発災直後、岩手県庁内に設置された災害対策本部。各救助組織が揃うその中枢部で、医療班の指揮にあたったのはある若き医師だった。通信網が崩壊し、被災者がどこで助けを求めているかわからない。ヘリが足りない。燃料も不足。支援物資も薬も届かない。さらに雪が、余震が、無情に襲いかかる…。「それでも、被災者を救いたい」張りつめた緊張と混乱の中で、時に己の力不足に唇を噛みしめながら、寝食を忘れ奮闘するが-。

感想・レビュー・書評

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  • 大震災から一年半が経ち、当初より薄れつつあった気持ちに喝を入れられた。
    指揮、指導、統括する立場にある人に読んでもらいたい本でもある。

  • 3.11時の岩手県災害対策本部の医療班の闘いを描いたノンフィクション.情報が無い中で,いかに想像力を働かせて動くか.現場力の重要性を強く感じる.

  • 180915 中央図書館 危機管理に取材した小説でリアリティはある。

  • 事実を基にした小説。県でさえ情報を得るのにこれだけ苦労していたのか…と改めて驚いたし、当時沿岸で何が起こっているのかほとんどわからなかった不安を思い出した。そんな中で現場を知っている人知らない人で温度差が生じるのは仕方がないことなのかもしれない。だからこそ救命の実際を知っている人が指示を出す立場にいてくれたのは不幸中の幸いだったんだろうな…。

  • 岩手に住んでいても、どこか忘れがちになってしまっていた自分を恥ずかしく思う。あのパニックの中、どこまでも被災者のために尽くし最前線で災害に対峙した彼らに深い尊敬の念を抱いた。

  • 東日本大震災発生直後、岩手県庁内に設置された災害対策本部。そこで、県の防災室の面々と共に指導にあたった岩手医大救命救急センターの医師 秋富慎司を通して対策本部の9日間の闘いを描いた本書。濁流に飲み込まれた被災地、襲いくる火災、錯綜する情報、足りない燃料、悪天候で飛べないヘリ。「被災地で苦しんでいる人を一人でも多く助けたい」その一念で、秋富は寝食を忘れて奮闘する。震災から早2年。復興は遅々として進まず、人々の関心も薄れていく中で、もう一度震災と向き合い、これからどうしていかなくてはならないかを考えさせてくれる一冊。

  • 東日本大震災直後の岩手県庁の災害対策本部の活動を医療班の救命医、秋冨医師の視点で纏めたノンフィクション。
    過去の地震の経験から被災時の対応を準備していたにもかかわらず、それを上回る未曽有の大震災だったということをあらためて実感するとともに、被災地と中央、政府の温度差がここまであったのかと唖然とした。
    東日本大震災からまもなく二年経ちますが、こういった事実を風化させることなく後世に生かしていかなければとおもいます。

  • 前半のスピード感が半端ない。現場の緊迫した状況が伝わってくる。後半はその分、物語としてはゆっくりしたかな?でも現実そうだったのでしょう。むしろ喜ばしい。

    まったく震災の備えがない我が家。食料や水、トイレなど個々に置いてるけど、いざという時、使いこなせるか疑問に思えてきた。

    この本読んで2013年の目標が定まった!
    3日間は自分達の身を守れる装備、体力、知恵を身につけること。
    まずは防災セットの内容を確認、足りないものを買うことにします。

  • 岩手県の被災地状況がわかります。

    その場でできることを精一杯やっても救えない命がある…
    苦しい状況だったことでしょう。

    読んでいると何度も鳥肌が立った。
    同じ日本にいても知らないことが多い。

    被災地を救ってきた人たちには感謝の気持ちでいっぱいです。

    他人事ではなく、
    自分ができることを精一杯やろうと思いました。

  • 3.11から9日間の岩手県災害対策本部が格闘した日々を書いたお話。被災者を助けたいのに、ヘリが足りない、燃料も不足、支援物資も薬も届かない。張りつめた緊張と混乱の中で、寝食も忘れ奮闘するが思うようにいかない。自分のことはそっちのけで、被災者のために必死で奮闘している災害医療を担当するお医者さんの必死の思いに感動と感謝でいっぱいになる。

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