渋沢栄一『論語と算盤』を読む

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344037496

作品紹介・あらすじ

コロナの時代こそ渋沢の哲学に学べ
全日本人必読! 難解な歴史的名著がこの一冊でわかる

【2021年NHK大河ドラマ『青天を衝け』主人公】



【もくじ】
第1章 論語と算盤「処世と信条」を読む
●争いの可否……争いを避け、優しいだけの上司は、ひ弱な部下しか育てられない
●得意時代と失意時代……得意のときは大事を小事と見て転落しやすく、失意のときは小事を大事と見て立ち直りやすい ほか

第2章 論語と算盤「立志と学問」を読む
●現在に働け……物質的文明の発達は、人格を退歩させる恐れあり。つねに精神的向上を図り、現世で正しくあることが大事
●秀吉の長所と短所……「機略」があっても天下を治めることはできない。家系を永続させるには長期的な展望「経略」が必要 ほか

第3章 論語と算盤「常識と習慣」を読む
●常識とは如何なるものか……常識とは「知識」より「智・情・意」が備わっていること
●偉き人と完き人……偉い人とは一芸に秀でた人。完き人とはバランスのとれた人 ほか

第4章 論語と算盤「仁義と富貴」を読む
●真正の利殖法……事業は利欲だけでは成り立たず、仁義道徳だけでも成り立たない
●よく集めよく散ぜよ……正当に儲けたお金でも、正しく使わなければ価値はない ほか

第5章 論語と算盤「理想と迷信」を読む
●この熟誠を要す……仕事を知ること・好むことより、楽しむことこそ仕事の成果につながる
●かくのごとき矛盾を根絶すべし……文明が進むと、戦争は割に合わなくなる ほか

第6章 論語と算盤「人格と修養」を読む
●二宮尊徳と西郷隆盛……知らないことを知らないと言える人物は大物である
●すべからくその原因を究むべし……どんな死に方をしたかということよりも、どんな生き方をしたかのほうが大事 ほか

第7章 論語と算盤「算盤と権利」を読む
●ただ王道あるのみ……資本家と労働者の双方に王道があれば、法律は無用の用になる
●競争の善意と悪意……資本主義に競争はつきものだが、許されるのは善の競争のみ ほか

第8章 論語と算盤「実業と士道」を読む
●果たして誰の責任ぞ……国による道徳観の違いを認め、その上で反省すべきは反省する
●功利学の幣を芟除すべし……上の人間にのみ責任を求めず、下の人間にも自覚を促すほうがいい ほか

第9章 論語と算盤「教育と情誼」を読む
●孝は強うべきものにあらず……孝行は親がさせてくれるもの。子がするものではない
●偉人とその母……女性教育を怠ると、国家の損失を招く ほか

第10章 論語と算盤「成敗と運命」を読む
●それただ忠恕のみ……自業自得の弱者であっても、人の歩むべき道として思いやる
●順逆の二境はいずれより来るか……順境も逆境もありえない。自分でつくり出すもの ほか

感想・レビュー・書評

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  • まだ読み終えないですが、返却期限のため一旦評価。
    お金の計算をして物事をすすめる、経済と生活を結びつける方法、人の動かし方、を述べている本だと思いました。

    経営術とも言えるのかなぁ?オンラインサロンで女性経営者が語ってそうな内容が無料で自分の好きな時間に学べる読書という手段は素晴らしいなと改めて感じます(^^)この本を読んで、自発的に行動をしようと思いました。

    気候も涼しく過ごしやすくなったので、読書の秋に適した1冊です!起業を考えている人に特におすすめしたい書籍です。

  • 2024年から新一万円札の肖像として採用された近代日本経済の父こと渋沢栄一さん。正直、あまり渋沢栄一さんの業績を知らなかったのですが、この本では論語に影響を受けた彼の思想や哲学について、とても分かりやすく解説されていて良かったです。

  •  渋沢栄一の「論語と算盤」を簡潔に解説してくれている良書。江戸時代において人々の規範の礎になった「論語」と、実生活に欠くべからざる商売道具の「算盤」と一般的に相反する二つの象徴に、幕末から明治にかけて日本の、そして人としての生き方を見出していることに、現代の行き詰まりを感じ得ない資本主義においても十二分に通用するものと感じざるを得なかった。
     これを読んで原書に当たりたく思った。また著書は、渋沢栄一を単に尊敬しているだけでなく、書かれた時代背景を踏まえつつも、しっかりと批判まではいかないまでの意見をしていることに、自身の血肉としていることがよく分かり、好感さを感じた。

  • 論語の勉強の一環で読了。「論語と算盤」の触りはなんとなく理解できたような気分になった。資本主義を今一度見直す機運が高まっている中、色々と考えさせられた。日本企業の経営者はサラリーマン上がりの経営者が多いので、渋沢栄一の論ずるようなエッセンスを会社の実体験で感じる事は難しい人が多いのではないかな。

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著者プロフィール

1947年、鹿児島県生まれ。東京大学文学部国史学科卒。同大学大学院修士課程修了、博士課程単位取得。鹿児島大学法文学部教授を経て、同大学名誉教授、志學館大学教授、鹿児島県立図書館館長。専門は日本近世・近代史、薩摩藩の歴史。NHK大河ドラマ「翔ぶが如く」「琉球の風」「篤姫」「西郷(せご)どん」の時代考証を担当。『世界危機をチャンスに変えた幕末維新の知恵』(PHP新書)、『龍馬を超えた男 小松帯刀』(グラフ社)など著書多数。

「2022年 『日本人として知っておきたい琉球・沖縄史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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