- Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344405431
作品紹介・あらすじ
戦争の本当の悲惨さを、なぜ日本のメディアは伝えないのか!米国のエゴ、テロリスト掃討の犠牲になる市民、捕虜への虐待、一方的で横暴な捜査…。現在イラクで日々発生している悲劇は、アフガニスタンですでに起きていた-。国連難民高等弁務官として戦地・カブールで悲しみの現実に触れ続けた著者だからこそ描けた"悲しみの真実"とは。
感想・レビュー・書評
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カブールはアフガニスタンの首都。著者は国連職員としてカブールに赴任していた人で、自分の目で見、自分の耳で聞いた、2000年前後のアフガニスタンの状況が綴られている。著者は言う。「僕は今、何を見ているのか、それだけを書こうと思う」。それもまた一つの視座に過ぎないが、マスコミの「公平な」視点でも、アメリカ側の、あるいはタリバン側の視座でもない、もう一つの視座からのアフガンが語られる。それは時としてショッキングで、西側の報道でしかアフガンを知らない自分は大丈夫なんだろうかと思った。アフガンで何が起きているか知りたい人は、一度読んでおくべきだと思う。
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アフガニスタンから米軍撤退のニュースで再販が決まり、購入していました。日本ではタリバンの人権侵害が大きく取り沙汰されていましたが、その件に関しても歴史の流れと状況説明で知ることが出来ました。現地で実際に活動した人の言葉で知ることができて良かったです。
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本書により、報道の歪みに気づけた。
ニュースではタリバンは女性の人権を奪っているなど、悪い面ばかり報道されているが、聖戦の名の下に生活を破壊された一般アフガン市民のヒーローであったと知った。
また、人権が普遍的なものであり、人権を守ることが人々の幸せにつながる、と思い込んでいたが、一方的な見方であったと気付かされた。
自分自身、今の社会では、人権を守るということが形骸的で、本質が無視されているような感覚はあった。
結局今主張されている人権は欧米の考え方で、いかにも正論だからこそ強い。正論は危険だと思った。
また、日本人のアイデンティティがよくわからないことは、私もどうにかしていきたいとおもった。日本人は自分の頭で考えている人が少ないように思う。ルールを鵜呑みにしているから、正論らしい欧米の考え方に流されたり、強いアメリカに流されたりしているのでは。
一方で、日本人女性のアイデンティティというのは厄介だが、長い歴史でも変わらず根強い思う。日本の女性はかわいらしいかんじで、世界に通用しないとか言われても、もう極めていっちゃえば、それは我々のアイデンティティで強さだと思う。 -
戦争は悲惨。
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正直初めのほうは退屈だった。あまりに実情が複雑すぎて私には理解しがたかったから。でも途中から引き込まれるように読んでしまった。援助の仕事に携わるものの悲しさが文章を通して伝わってきた。感じることが多かった。もっとがんばらなくてはいけないな・・・