もう、怒らない (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
3.50
  • (22)
  • (47)
  • (52)
  • (12)
  • (5)
本棚登録 : 540
感想 : 59
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (182ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344417960

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ムカつき、妬み、悔やみ、悲しみ、虚しさ、それらに対抗する術を仏教的側面から説いた一冊。対抗するというよりはうまく流すという方が正しいかもしれない。何かとマッチョなその手の本とは違い、穏やかに自己をコントロールするのが仏教のいいところだと思う。

    特に参考になったのは「集中すること」。歩いてること、触れている感触、ただそれだけに集中することで、最初に書いた煩悩から逃れるとのこと。やってみると、なるほど確かに。
    他にも事象を受けてから煩悩に変わるまでの間に、自分の中で勝手にストーリーが作られているなど、気づかされることが何かとある本だ。もう少し穏やかな気持ちでいたいという方は手に取ってみてはいかがだろう。

  • 仏道の考え方で「怒り」を解説しています。

    以下、備忘録的に。

    ・仏道では、人間は何かを感じた瞬間に「自分の感じていることは正しい、間違っていない」と思い込む修正を持っていると考えます。

    ・批判の正体は自分の意見の押し付け

    ・「正しいことが好き、正しくなくては我慢できない」というのは、ある種の病気と申してよいでしょう。

    ・ムカつきの原因は「不当に扱われた」と感じること

    ・怒ってしまったときは、抑圧でも発散でもない、第三の道を選びましょう。それは、怒りの感情を客観視して穏やかに受け入れるという道。自らの心を「あーあ、怒っているんだねえ、君」といった具合に見つめて、心が怒りに占領されている有り様を客観視する方法です。

    ・人間という生き物は、入ってくる情報を生のままで美味しく食することが苦手なようで、しばしば、余計な添加物を大量に加えて、わざわざ美味しくないものに作り替えてしまいます。

    ・十善戒のリスト
    <思考について>
    1.欲望を抑える(不貪欲:ふとんよく)
    2.怒りを抑える(不瞋恚:ふしんに)
    3.迷いを抑え真理を洞察する(正見:しょうけん)
    <発言について>
    4.嘘をつかない(不妄語:ふもうご)
    5.批判をしない(不悪口:ふあつく)
    6.悪い噂話をしない(不両舌:ふりょうぜつ)
    7.無駄話をしない(不綺語:ふきご)
    <行動について>
    8.生き物を殺さない(不殺生:ふせっしょう)
    9.盗まない(不偸盗:ふちゅうとう)
    10.浮気をしない(不邪淫:ふじゃいん)

    ・人が批判をするときには、「自分は正しいことを言っているのだから、相手は従うべきだ」と、相手や周りを変えようとする欲求がはたらいています。しかしながら、たいていの人は欲望で動いているのであって「正しさ」で動いているわけではありません。「正しさ」を主張しても、相手の欲望を否定し、不快にさせてしまうだけです。

    ・慈悲の心は、もちろん相手のためになりますが、慈悲のハンマーで自らの煩悩も叩き潰すことができるので、まず何よりも自分のためのものと申せます。

    ・四護衛禅(しごえいぜん):慈悲喜捨

    慈:幸せたらんことを、安穏たらんことを。
    悲:苦悩なからんことを。
    喜:喜びがあらわれんことを。
    捨:執着から自由たらんことを。

  • 気持ちがだいぶ楽になりました。
    怒り,苛立ちをコントロールしてストレス減らしたいですね。イライラで不適切な発言したりや怒ったことで、結局自己嫌悪、さらにストレス蓄積。楽しい時間も嫌な雰囲気。
    結局自分次第。
    怒りの原因を分解して、客観的に分析したり、他人事のように外から眺められるようになりたいですね。
    すらすら読めましたが、実践編がもう少し欲しかったです。

  • 怒ることが如何に自分を疲弊させるものかと言うことがよく分かった。一般的に言う怒りだけを「怒り」と呼ぶのではないらしいので、理解しづらいところも多かったけど。
    小さな怒りの芽の時点で、無理やりにでも摘みとる努力をするべきで、それの効用は思っている以上に大きいと思った。

  • 勉強になります!
    小池さんの本を読むのは2冊目。

    今度から歩行禅みたいなトレーニング、心を落ち着かせるトレーニングを実践してみようと思います。

    宗教や宗派じゃない道としての仏道には共感します。
    一回読んだキリじゃ多分効果ないから、時々読み返すようにしたい本です。

  • もともとこういうハウツー本は読んで、実行してみても効果があまりないので、あまり買わないようにしていますが、タイトルに惹かれました。けどやぱり無理でした。内容もすぐ忘れるので…。

  • 結局どうすりゃいいのか…、どうもよくわからん。禅問答のようで俺には難解。

  • ムズい。

  • 素晴らしい内容でした。怒りや欲望、迷いはどんなものなのかがわかりやすく読めました。そして怒りに心を支配されないために空になる実践的なアドバイスが書いてあります。空と両輪をなす、慈悲についてもわかりやすかったです。

  • 怒り以外への説明も多く、怒りにフォーカスしてないなと思っていたら、最終章が実践的に書かれていて印象に残り★4。元々「怒れる人」だった著者の対処法は実用的で説得力がある。

全59件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1978年生まれ。山口県出身。東京大学教養学部卒業。月読寺(神奈川県鎌倉市)住職、ウェブサイト「家出空間」主宰。僧名は龍照(のちに空朴に改名)。住職としての仕事と自身の修行のかたわら、一般向け坐禅指導も行う。執筆活動も手がけ、『考えない練習』(小学館文庫)、『しない生活』(幻冬舎新書)、『超訳 ブッダの言葉』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など、多くの著作を持つ。2018年9月に月読寺を引き払い、路上生活者に。11月には修行の旅に出る(現在は音信不通)。

「2019年 『やっかいな人を自分のお城に入れない方法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

小池龍之介の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×