一〇三歳、ひとりで生きる作法 老いたら老いたで、まんざらでもない (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344428447

感想・レビュー・書評

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  • 「読み終わった」で登録するところを「いま読んでる」に登録していたことに気がついたので、あらためてこのレビューを書いている。

    その間、2021年3月1日に、著者の篠田桃紅氏は107歳でお亡くなりになった。出勤時の車の中、ラジオのニュースで聞いたのを覚えている。

    私は著者の半分も生きてはいないが、東京より変化の遅い田舎で育ったこともあってか、昔の人の生活や考え方には、懐かしいと思うところもあった。一方で、もちろん、知らないこと、よい意味で世代間ギャップを感じるところも多く、日本の文化の変遷や日常生活を考える上での刺激となった。

    同じシリーズの「一〇三歳になってわかったこと」「一〇五歳、死ねないのも困るのよ」と同じく、読み終わると父に贈った。私より世代が近い分、共感するところも多いようだった。

    その父も、奇しくも篠田氏の亡くなった3日後に他界。もうすぐ一周忌である。

    全く個人的な話だが、そうした思い出も含め、忘れられない本である。

  • 昨日よりも衰えている。
    そう痛感するのは、朝の起きた時に、身体の節々に痛みが、ないか?と、感じる時である。

    若い時には、直ぐに起きられたし、用事もテキパキと、出来た(つもりである。)。

    「103歳、一人で生きる作法」作者 篠田桃紅氏。
    厳格な父親が、名付けた 「桃紅李白薔薇紫」という中国の書物からのお名前だそうだ。
    桃は紅、李(すもも)は白、薔薇は、紫。
    春風は一様に吹くけど、はなの色はそれぞれの意味。
    今、冷蔵庫に桃が入っているけど、桃の花を見たことが無い。燃え立つ紅さで、咲いている物を緋桃と、呼ぶと書かれてあるのだが、一度見てみたいものだと、思ってしまった。

    我が父も富士山が、好きであった。
    富士山の見える所に住むのが夢であった。
    この本で、明け方は深紅、昼は群青、夕方は、紫紺。不二は優雅に衣替えし、雲をうむ。
    と、書かれていて、新幹線の窓からの富士山を眺めるだけだったのけど、今度は、日時を替えて、眺めて見よう!

    悟りのような言葉でありながら、わかりやすく、無理をしない姿勢が、いい。

    子供が、作者の展示会ヘ行ったと、言っていたので、今度 機会があれば、拝見したいと、思っている。

    今年107歳で、3月に永眠されたけど、最後まで、研ぎ澄まされた感覚で、書に前向きに 筆を動かされていた気鋭に 敬意を感じる。

    本をもう一度最初から、読み直している私である。

  • 内容はとても良い。100歳を超えてなお矍鑠とされていて、シンプルで柔らかい文体に人柄が見え隠れする。内容は。と限ったのは、編集者の伝えたい気持ちがゴリ押されているような抜き出し。読み手に好きに読み取らせてくださいよ。と、心底思った。それはさておき。後半は過去のエッセイの加筆修正。言葉の選び方が綺麗。心の持ち用が平坦で、謙虚でいることが美しいことなんだと感じる。趣味は朝寝坊と夜更かしはお茶目で可愛い。別荘で見た富士山が見せる色合いの変化、「ときを惜しむ」という表現にぐっときた。

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著者プロフィール

美術家

「2021年 『朱泥抄』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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