一〇三歳、ひとりで生きる作法 老いたら老いたで、まんざらでもない (幻冬舎文庫)
- 幻冬舎 (2019年2月7日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344428447
感想・レビュー・書評
-
「読み終わった」で登録するところを「いま読んでる」に登録していたことに気がついたので、あらためてこのレビューを書いている。
その間、2021年3月1日に、著者の篠田桃紅氏は107歳でお亡くなりになった。出勤時の車の中、ラジオのニュースで聞いたのを覚えている。
私は著者の半分も生きてはいないが、東京より変化の遅い田舎で育ったこともあってか、昔の人の生活や考え方には、懐かしいと思うところもあった。一方で、もちろん、知らないこと、よい意味で世代間ギャップを感じるところも多く、日本の文化の変遷や日常生活を考える上での刺激となった。
同じシリーズの「一〇三歳になってわかったこと」「一〇五歳、死ねないのも困るのよ」と同じく、読み終わると父に贈った。私より世代が近い分、共感するところも多いようだった。
その父も、奇しくも篠田氏の亡くなった3日後に他界。もうすぐ一周忌である。
全く個人的な話だが、そうした思い出も含め、忘れられない本である。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
内容はとても良い。100歳を超えてなお矍鑠とされていて、シンプルで柔らかい文体に人柄が見え隠れする。内容は。と限ったのは、編集者の伝えたい気持ちがゴリ押されているような抜き出し。読み手に好きに読み取らせてくださいよ。と、心底思った。それはさておき。後半は過去のエッセイの加筆修正。言葉の選び方が綺麗。心の持ち用が平坦で、謙虚でいることが美しいことなんだと感じる。趣味は朝寝坊と夜更かしはお茶目で可愛い。別荘で見た富士山が見せる色合いの変化、「ときを惜しむ」という表現にぐっときた。