リメンバー (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
3.74
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本棚登録 : 1136
感想 : 108
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  • Amazon.co.jp ・本 (326ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344429178

感想・レビュー・書評

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  • 「リカシリーズ」の五作品目。
    やっと私の番が...感無量。
    と 言うのも私の周りでリカブームが到来しており、一度貸し出してから様々な方に巡り巡った様で、長旅を終えた後半巻がやっと私の元へ戻ってきた次第でございます。沢山の方に読んでもらえてむふふ、嬉しい。

    さて、
    前回 前々回と過去を主軸としていた物語から時は現在に戻り、時系列で言うなら先端となる本書。進行形で蝕んでゆくリカの意思がおぞましい事この上ない。止まっていた歯車が軋みながら動き出す時のあの不穏な音が聞こえて来るかの様。
    ーーーーーーーー

    リカの恐怖は彼女の死によって終わりを告げたーーはずだった。
    雨の中、レインコートの女が川に何かを捨てる場面を警官が目撃し、近寄るとそれは人間のバラバラになった四肢だった。女の車の助手席には男の頭部。
    冒頭はこんなショッキングな場面で始まる。
    そして捕まった女の言動は、まるでリカそのもの。
    集団心理の研究をする教授と生徒四名が精神鑑定という立場でこの事件に関わる事になるが、ここまではこれから待ち受ける悲劇の序章に過ぎない。

    ーーーーーーーー
    相も変わらずのグロデスク具合だ。なんならリアルさで言うと過去一かもしれないので、想像力が長けている方にはオススメできない。
    スプラッタといった振り切ったグロテスクの方がまだマシと思える程、凄惨な狂気に寒気と興奮を覚えた。.......引かないで欲しい( ´ • ω • ` )

    人の中に潜むリカの存在。
    リカの模倣。増殖するリカ。
    「誰かの中のリカ」が覚醒するこの恐怖を、興味がある方に是非味わっていただきたい。
    そして「私 貴方の中のリカ」の存在に恐れ慄いて欲しい。........引かないで欲しい( ´ • ω • ` )笑

    著者 五十嵐貴久のDMには次のようなメッセージが日々届いていたと言う。
    「私の中にもリカが存在しているかもしれない 同じことをするかもしれない」の共感。
    「こんなの書く五十嵐貴久の人間性を疑う」の敵意と反感。
    一件正反対に見えるご意見だが、どちらも共通しているのは「リカ」という存在への深淵の恐怖心である。これはすごいと思った。対極の思想を持った人間が同じ感情を抱くのである。
    共感も否定も、根本は同じ 誰もが他人事と思えないのだろう。
    無論、私もだ。

    • 1527439番目の読書家さん
      はじめまして
      レビューに引き込まれてコメントしてしまいました。
      リカシリーズは三作目まで読んでとまってますが、このレビューをみるとまた読みた...
      はじめまして
      レビューに引き込まれてコメントしてしまいました。
      リカシリーズは三作目まで読んでとまってますが、このレビューをみるとまた読みたくなってしまいます。
      周囲にリカブームがおきている事が羨ましいです。
      2021/10/01
    • NORAxxさん
      こんばんは、初めまして^ ^
      嬉しいお言葉です。四作目は個人的にリカクロニクルの大舞台だと思っているので、お時間がありましたらぜひ読んで欲し...
      こんばんは、初めまして^ ^
      嬉しいお言葉です。四作目は個人的にリカクロニクルの大舞台だと思っているので、お時間がありましたらぜひ読んで欲しいです。
      リカブームが過ぎて周りにリカのような人間が増えてしまわないことを祈っております:( ;´꒳`;):ブルブル

      コメントありがとうございました...♪*゚貴方様のレビューを読める時が来るのを楽しみにしております。
      2021/10/01
  • ❇︎
    リカシリーズ
    『リカ』『リターン』『リバース』
    リハーサル』に続く第五作目『リメンバー』


    一度刻み込まれた常識外の存在への恐れは、
    奥底に沈み込んでいて、まるで感染のように
    覆い尽くす。

    リカという想像を超えた悪意が、
    目に見えない所どんどん浸食してくる恐怖。

    ーーーーー

    『リターン』で梅本を助けようとした
    青木に12発の発砲を受けたリカ。
    そして、無事に助け出された梅本は先輩刑事
    菅原の介護を親族に申し出て、平穏な生活を
    取り戻し始める。

    その後の物語。

    リカの事件は刑事関係者や多くの人の
    記憶に深く刻まれていた。

    終わったかに思えていたリカの事件に
    酷似した事件が何度か発生する中、
    刑事関係者に再度蘇るリカという恐怖。

    狂気的な事件で捕まった犯人。
    診断の依頼を受けた精神科医と研究会の
    メンバーが次々と不審な死を遂げる。

    模倣犯か、それともリカが生きているのか。

    恐怖の記憶は途切れることなく続いていく。

  • 「リカ」シリーズ第5作目。

    リカのおもしろさ(恐怖)に取り憑かれた私は今回も一気読みでした。

    心理感染か…となんとなくリングから登場した貞子シリーズを連想してしまい、少しそっちにいったのねと感じつつ、どこにたどり着くのかと読む手は止まらない。

    序盤、ん?わたしって誰だっけ?と、主人公の名前をページを遡って確認したり、主人公と樋口刑事のやり取りにモヤモヤしたり、中盤以降ちょっと怪しいなって思ってたんです。。

    が、まさかあの子だったとはー!!

    どおりで主人公が主人公のわりにいまいち見えてこないなぁと感じてたんです。(負け惜しみ)
    しかも教授のことが好きだったのね。。ミルクティーが好きしかわからんかったよ。。

    それはもう納得の感染でした。
    その発想は最後まで全くよぎりませんでした。
    おもしろかった(怖かった)です。


    次作も楽しみ。
    また過去のリカの所業を読みたいなー。 

  • 五十嵐貴久『リメンバー』幻冬舎文庫。

    シリーズ第5弾。

    ちょっと無理があるなと感じたストーリー。無理矢理、雨宮リカを前面に出さないで、新たな物語に仕立てた方が良かったのではないかと思う。雨宮リカにこだわり過ぎたせいで、せっかくの恐怖もどこかに行ってしまったようだ。

    雨宮リカの凄惨な犯行を彷彿とさせる殺人事件。それぞれの事件の4人の犯人は雨宮リカの異常な心理に感染したのか……20年前に頭部に6発、全12発の銃弾を浴びた雨宮リカは生きているのか……

    どこまでも雨宮リカにこだわるなら、変わり果てた雨宮リカを登場させるべきではないかな。

    本体価格600円
    ★★★★

  • 逆をつくより裏を取れって感じでしょうか。細かな伏線の回収もありスッキリ。後半はぞわっとすること間違いなし! 賛否両論あると思いますが、心理系はツボなので、シリーズの中で一番好み。これで『リフレイン』のお迎え準備、完了しました。


  • 内容紹介 (Amazonより)
    バラバラ死体をビニール袋に詰めて川に捨てていた女が、都内で現行犯逮捕された。フリーの記者で、二十年前の「雨宮リカ事件」を調べていたという。模倣犯か、それともリカの心理が感染した!? 精神鑑定を担当した立原教授の周りでは異常かつ凄惨な殺人が続発する。 現場付近で目撃された長い黒髪の女は何者なのか?リカの闇が渦巻く、戦慄の第五弾!




    〝リカ〟存在感、恐るべし!といった感じがしました。
    リカ自体は登場はしていないと思うのですが もう私の頭の中は想像したリカが常にいて 悪臭さえしてきそうでした。
    ラストのCAUTION!で書かれていますが 続編があるようてすね!
    『リカ』『リターン』『リバース』『リハーサル』『リメンバー』と続き また〝リ〟から始まる題名なのでしょうか...
    ドラマ化も観ていましたが 私の中では高岡早紀さんはリカのイメージではなかったのですが ドラマはドラマとして高岡早紀さんの演技が良かったです。
    あのリカ扮する高岡早紀さんが「チッ...」と舌打ちするのが印象に残っています。

  • 何気なく借りてしまったけど、「リカシリーズ」ってもう6冊も出ていた。この「リメンバー」は5冊目。2、3、4巻飛ばしちゃった(^^;)
    結局、リカって生きてるのか?頭部を6発も撃たれて?
    リカの悪意が心理感染する!こんな怖いことって本当にあるのか。自分の心の中にもネガティブな感情はあるけど…
    リカウィルス、恐るべし。

  • ネタバレ注意

    一気読みしたくなる作品ではありますが
    評価が分かれるところですかね
    シリーズ読んできてますが
    まだ終わらないんだって感じですね
    全く想定外の犯人で
    ラストは衝撃でしたが
    個人的には
    こんなのアリって感じも否めないですね

  • 淡々と読み進んでいくと…
    ラストがショッキング!まさかのトラウマが…
    リカは生きている!?((((;゚Д゚)))))))
    犯罪被害者が社会で不当な扱いを受ける社会はよろしくないですね。

  • バラバラ死体をビニール袋に詰めて川に捨てていた女が、都内で現行犯逮捕された。フリーの記者で、二十年前の「雨宮リカ事件」を調べていたという。模倣犯か、それともリカの心理が感染した!? 精神鑑定を担当した立原教授の周りでは異常かつ凄惨な殺人が続発する。 現場付近で目撃された長い黒髪の女は何者なのか? リカの闇が渦巻く、戦慄の第五弾!

    犯人はあんたか・・・誰に対しても否定的で意見が偉そうだったので嫌な子だとは思って居たが・・・こんな次々殺さんでも良いのに。

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著者プロフィール

1961年東京都生まれ。成蹊大学文学部卒業。『リカ』で第2回ホラーサスペンス大賞を受賞し、翌02年デビュー。以来、警察小説・青春小説・サスペンス・時代小説等、ジャンルにとらわれずに活躍中。

「2023年 『交渉人・遠野麻衣子 爆弾魔』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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