- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344429680
作品紹介・あらすじ
雨野隆治は25歳、大学を卒業したばかりの研
修医だ。新人医師の毎日は、何もできず何もわ
からず、上司や先輩に怒られてばかり。だが、
患者さんは待ったなしで押し寄せる。初めて
の救急当直、初めての手術、初めてのお看取
り。自分の無力さに打ちのめされながら、ガ
ムシャラに命と向き合い成長していく姿を、
現役外科医が圧倒的なリアリティで描く。
感想・レビュー・書評
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現役の医師が書いた外科研修医1年目の先生が、理想と現実とのギャップに戸惑いながらも、懸命に命と向き合う成長物語。
兎角、映像を思い浮かばせる文体は、とても読みやすく3時間ほどで読了。
本作は医療と命を題材とした作品だが、己の知見の無さに、逃げ出したくなること。己の経験の無さに、怖気付いてしまうこと。己の覚悟の無さに、情けなくなることなど、人間模様も描かれている。
畑は違えど、生きている中で、同じように思い、感じ、胸が締め付けられるような経験をしたことはないだろうか。
晴ればかりは続かない。
だけど止まない雨もない。
繰り返し巡る感情に向き合い、逃げない自分を一つでも多く積み重ねていこうと思えた。
読後、1番最初に思い描いた、取り留めのない感想。 -
私の父親の膵癌の大手術。とても大きな手術の担当医を務めてくれた先生は、たとえ研修医だったとはいえ決して忘れることはない(名前は忘れた。そもそも普通の若手医師だった)。淡々とした術式の説明をしたエライお医者さんの顔は思い出さないけど、病室に毎日顔を出してくれる若い先生の方を覚えるのが人情というものだ。
手術の後に、若い先生は取り出した癌の塊を「希望するなら見せてあげる」と言った。行った部屋のなんと雑然としていたことか。奥の方に黒いソファーを置いてあるのを私は見逃さなかった。術後の1週間は私も父親の病室に泊まり込んだ(布団を借りてベッド傍に敷いた)。夜の8時ごろ少し顔を覗かせて、次の日朝7時ごろ顔を覗かせていた担当医。先生は無精髭を生やして、絶対あの部屋で寝泊まりしているんだと思った。「新・神様のカルテ」で知ったし、この本でも書いているのだが、そんな過労死レベルの長時間労働の研修医の給料が手取り20万円ほどだというのは、その当時は知らなかった。
‥‥というのは、患者家族の側から見た研修医の姿。研修医の側から見ると、全く違った景色が見える。専門用語と俗称(スラング)が飛び交う、小さなミスが生命の分かれ道になる緊張感あふれる世界である。どんな仕事でも、はたからは全くわからない専門性と技術の習得が新人の最大の仕事であり試練である。数秒ごとに刻々と変わってゆく現象の意味を、何万という知識の中から瞬時に選び取り最善の処置をしてゆく。人間とはなんと高度な行為を重ねてゆくのだろうか。
著書は現役医師。しかも解説者によるとかなり志の高いお医者様だったようだ。とてもわかりやすくエンタメ性の高い小説。天野隆治くんの成長を定期的に小説で覗いていこうと思う。-
kumaさん、おはようございます(^^)
こちらは今朝は雪です。
私も昨日Twitter登録できました♪
どうぞお願い致します。
私も同...kumaさん、おはようございます(^^)
こちらは今朝は雪です。
私も昨日Twitter登録できました♪
どうぞお願い致します。
私も同じです!
父と良い関係ではなく、ながーいながーい反抗期がありました。
私の憎しみが感謝に変わるまで、時間がかかり過ぎて父には大変な思いをさせてしまったけれど、
本当に大切な事を教えてもらったなぁ…と
お互いに親子でなければ乗り越えられない経験をしました。
すみません、朝から重い話を全公開の場で(汗)
また、よかったらいつか父話しましょう♪
恥ずかしいので、できれば全公開ではない場所で(^^)2022/02/10 -
松子さん、こんにちは。
まだまだ一年だと想いがどんどん膨らんでいる時期かなと思います。
いつでも吐き出しに来てください。
何処にでも、誰に...松子さん、こんにちは。
まだまだ一年だと想いがどんどん膨らんでいる時期かなと思います。
いつでも吐き出しに来てください。
何処にでも、誰にでも、吐き出すことは大切です。
2022/02/11 -
くまさん、ありがとうございます‼︎
悲しみって突然襲ってくるんですね…
いつもの生活を送る中でふとした瞬間、ふとした出来事で突然悲しみに襲わ...くまさん、ありがとうございます‼︎
悲しみって突然襲ってくるんですね…
いつもの生活を送る中でふとした瞬間、ふとした出来事で突然悲しみに襲わます。
今は、父の事を思い出し、思い出を話をしたりする事が私に今できる親孝行なのかなと思っています。
くまさんのお気持ち、本当にありがとうございます。どうしようもなくなったら、くまさんTwitterにかけこむんで聞いてやって下さい(^^)
あと、映画のお話もしてみたいです♪
どうぞ楽しい三連休を(^^)2022/02/11
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フォロワーさんの評価が高かったので、Amazonでポチった一冊。
ドラマにもなってたのか!
鹿児島から上京してきた、25歳研修医の物語。
医療モノは何冊か読んだことがあった気がするが、この作品はとても読みやすい。
医療用語は当然炸裂するが、主人公が研修医ということもあって、説明が細やかだからだろうか?
この愛情深い研修医の性格が、またたまらなく可愛い。
もちろん研修医だから腕はないわけだが、人となりとか、一生懸命さが伝わってきて、どこかほっこりする。
医療現場の過酷さも垣間見ることが出来るが、改めて医療の現場というのは、大変なところだよなぁと思った(^^;; -
グッときた。
拓磨くんの話はじんわり涙ぐんだ。
主人公の感じる緊迫感や息苦しさが伝わってくる。
癌患者さんとの別れは辛かった。
主人公とご両親の間のわだかまりが溶けたみたいでホッとした。
まだまだ未熟だけど、一生懸命で応援したくなる。
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現役の医者が書いた医療小説で厳しい現実がリアルに書かれている。他の小説や報道でも研修医が薄給でこき使われているのが数多く出ているが、今のコロナ禍でもっと大変だろうなと思う。命を扱う大切な職業であり、もっと時間や生活に
余裕が持てないものだろうか?
新人研修医であるが故に治療の選択が狭く大変な事が多いと思う。本の中では高齢な患者や余命宣告されている患者の扱いに、身体や費用の負担を考えずに、手術等の選択で先輩や同僚と揉める場面が出てくるが経験や目指した医師の姿の違いで悩ましいところ。
最後に兄の死亡の事情が確認でき、親子の断絶が解消してホッとした。これで良い医者になってくれたら、と思う。 -
研修医1年目。
雨野隆治の葛藤と成長を描く、医療もの。
淡々とした筆致なのに、不思議と心が揺さぶられるシーンが多かった。
何度もじーんと泣ける。
新人にありがちな、技術と経験はないけれど、若さと熱血さにみちあふれたタイプではなく、むしろどこか危うげ。
ほとんど病院に泊まり込み、誠心誠意取り組んでいるのに、脆くて壊れそうな主人公が、独特。
医師も、患者も、家族も、それぞれが思いを抱えて、日々生きていく。
ぐっとくる人間ドラマ。
解説にあった、筆者の経歴にも驚き。
なかなかできることではない。
続編があるようなので、そちらも読んでみたい。 -
ずっしりと重みのある内容でした。
今まで読んだ、お医者さん系とはちょっと違うなって思いました。
作家さん、現役のお医者さんだし。
だから、書けた作品なんだなぁと納得。
お医者さんって、ほんと日々大変なんだなと思いました。
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なんだろう?すごい臨場感なんだけど、まるでその場に居合わせているかのようなと言うより、やたらと親近感が湧く医療系ドラマ。
研修医という目線のせいだけではないと思う。学歴では遠い人だし。なんというか、迷い方が人間臭い。近い。そうそう!なんてひざを打ちたくなるような場面がいくつもあった。
とはいえ毎日職場で寝泊まりなんて真似できない。
実直な主人公なだけに命に関わる場面での葛藤や反省が、より切実に映る。1人の医師の成長過程におけるやりとりひとつひとつが胸をしめつける。ああ、そう。読んでて苦しいんだ。
苦しいというと『ブラックジャックによろしく』という漫画を思い出す。そこまで刺激的でなくとも、もの静かに語りかけてくる感じがした。
治らないと分かっている患者に向かって「大丈夫ですよ」と声をかけるか否か戸惑う場面。看護師の腹のすわり方もすごい。
─でもね、優しい嘘を言った人には大変な重荷がのしかかることになるの。嘘をついた相手をぜんぶ受け止められるような覚悟がなければ、そして、嘘つきとなじられても笑顔で謝れるような気持ちがなければ、優しい嘘はついてはいけないの。
─僕にはそんな覚悟がなかった。
─大丈夫よ。言ってしまってからでも、それから腹を決めればばいいのよ。
研修医は薄給で超過勤務で大変です!という話ではなかった。ひたむき、という言葉がこれほどぴったりな主人公もおるまいよ。勇者のレベルアップに寄り添う物語だった。がんばろう!ってなる。
Audibleでシリーズ4作、最新刊は6巻までリリースされているのでこの先も楽しみ! -
作者の他の作品が面白かったので、映像化もされたこちらも遅ればせながら、読んでみることに。
主人公の雨野隆治は25歳の、大学を出たばかりの研修医。
東京の下町の総合病院に勤務しているが、病院のシステムも分からず、専門用語も分からない。
何も分からないのに、患者さんは待ってくれない。
そんな戸惑いだらけの研修医の姿を現役の外科医が描いているのだから、すごくリアリティがある。
しかも、あまり難しい説明がなく、ほぼ会話形式で描かれるので、あっという間に読み終わると言う読みやすさ。
隆治のやる気のなさが、無知から来るものなのか、性格なのか、イマイチ伝わらなかったので、他の方よりも評価は低めで。
既にシリーズが4作出ているので、今後の隆治の成長に期待をしよう。
しかし。
本編よりも解説で描かれる作者の行動力の凄さに、ただただ呆然。そして、感謝。 -
地元鹿児島の医大を卒業し医師国家試験も合格した。主人公雨野隆治は、四月から研修医として、東京下町の総合病院に勤務するため上京した。研修医の実態をテーマにしたTVドラマは、以前に何度か視聴し、本も何冊か読みました。
この医療小説は、ちょっと視点が異なるように感じた。著者の中山さんは、現役の外科医で研修医時代の体験なのだろうか。
同期の研修医は、割り切って研修医を勤めている様に見える。小説の中の主人公は、泣き虫で怒られる頻度が高い。
研修医の立場は、医者と非医療者の境界線に立っているという。その境界線を越えるにはどうしたらいいかわからない。しかし、医者が患者に出来る医療行為にも限界があり、死線を彷徨っているにもかかわらず、最終的に、患者の生命力を信じるか祈るしかない。
BSC(Best Supportive Care)「最高のサポートケア」は、これ以上何も出来ないと診断する。しかし隆治は涙ながらに、「まだやれることあるじゃんかよ!なんだよBSCって」心の中で呟いて先輩医師に反論し泣くのです。
手術中に隆治は心の中で感じて呟く言葉が興味深い。交通事故で内臓に損傷を負った患者のお腹にメスを入れお湯を入れると「お湯に浮かぶ腸を見て隆治は、『ちょっと美味しそう』だと思った。『小腸はピンク色で(中略)鮮やかな色だ(中略)ああ何と美しんだ、自然の色だ。「人間が自然の一部である」ということを強烈に感じた』と書いていた。
医療の現場は、生死を分ける最前線!当直の日の夕方、先輩外科医が隆治に願い事をする「“ココイチの五辛カレー”忘れないで注文して!」いつも泣かされるが、命懸けの先輩女医を尊敬している。
小説の中の隆治に応援したくなる。
読書は楽しい
現在はとても元気に過ごしていますのでご安心下さいね。
akodamさんのコメントを読み、それぞれ皆...
現在はとても元気に過ごしていますのでご安心下さいね。
akodamさんのコメントを読み、それぞれ皆さん立場は変われど触れたくないジャンルがあるのだと、改めて思わされました。
病院が大嫌いで避けて来ましたが、もう少し近づいて仲良くなるのも手かなと考え、前向きにとらえようという気持ち。でも、未だ早いようですね! 先ずはテレビ番組からと、昨日新しく始まる医療ドラマを観たのですが、5分も持ちませんでした。おっしゃるように無理せずに今のスタンスを保とうと思います。
おはようございます。
今は元気に過ごされていると聞いて安心しました。
無理せずにゆっくりいきましょうね。
私はせっかちで、思...
おはようございます。
今は元気に過ごされていると聞いて安心しました。
無理せずにゆっくりいきましょうね。
私はせっかちで、思い立ったら居ても立っても居られない性分なのですが、今は心身のバランスを意識して、何をする前にも深呼吸してから始めるようにしています。
オススメです。
いつもコメントいただき嬉しいです。
本作、私にとっても感慨深い作品です。
ミキマルさんがレビューで綴られていた...
いつもコメントいただき嬉しいです。
本作、私にとっても感慨深い作品です。
ミキマルさんがレビューで綴られていた通り、普段何気なく通う病院でも、きっといくつものドラマがあるのだろうなぁと私も思います。
続編の「逃げるな新人外科医」は、研修医だった雨野が、外科医として患者と向き合います。
ミキマルさんのペースでお読みください。
あ、私は「走れ外科医」まだ未読です。
最近、少し心身ともに疲れ気味なので、そろそろ読む頃合いが来たのかもしれません。