- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344431805
作品紹介・あらすじ
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感想・レビュー・書評
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「泣くな研修医」シリーズ第四弾。遂に今年4月の新刊に追いついてしまった。今回冒頭、「HYに」と献辞の言葉があるのに気がついた。これは誰に捧げられた本なのだろうか?
終わる直前まで、HYは研修医が終わり外科医となって4年目の、余命告知も満足にできない、恋人の愛し方もわからない、時に大きな施術ミスをしてしまう新人外科医雨野隆治のことだと思っていた。3巻目までは、どうやらレジェンド級の医師らしい著者の若い頃の小説化だと思っていたが、4巻目の雨野があまりにも酷いので、HYとは著者の知り合いの外科医のことで、彼に何かのメッセージを与えたくて書いるのだと思っていた。
雨野隆治。充分真面目で誠実だ。
彼ほどじゃないけど、
私も若いころ、果たしてそう自負していた。
だけど、今だから雨野に言える。
君は充分傲慢で偏見に満ちている。
ところが、4巻目の最終章で、前巻一緒に富士山登山をした若い末期癌患者の葵さんが亡くなってしまう。ミラクルは起きなかった。けれども、雨野に一生忘れられない経験を遺す。HYとは彼女のことなのかもしれない。思うに、未だ生きている人に著作は捧げられない。葵さんは、最後の最後まで前向きで明るさを失わなかった。でも雨野は医師だから、その進行度は僅かな言葉で予測がつく。その数年の交流が、現在「自分の一部として(著者に)同化している」のだろう。
雨野隆治、30歳。医者6年目。
人の死になんて、慣れない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
シリーズ4作目。
雨野先生も気がつけば6年目。
大きな手術も任されるようになってきた。
なんでも慣れた頃が一番怖いと言うけど、医師にもそれは当てはまるよう。
前作にも登場していた癌患者で友達の葵の病状がどんどん悪化していて、読んでいても辛くなる。
こういう風に患者さんと友達になるって、実際にもあることなんだろうか?
自分だったら感情移入してしまって、診療に影響が出てしまいそうだ… -
大好きなシリーズ第四弾
一番好きな本かな?
あっという間に読み終えちゃう。
患者さんが二人も亡くなり彼女とも別れ手術失敗して仲のいい友人が亡くなる
今までで一番辛い話だったかも
同じ頃に同い年くらいの高齢者女性二人が大腸癌で搬送
上品な方と下品な方って呼んでいたが、それはどうなんだ??
上品な方は、身寄りもなく不倫の末の子供を不慮の事故で亡くし自責の念にかられ生きてきた。手術は絶対にしないの一点張り亡くなる。
下品な方は、家族はいるがパチンコで借金を重ね家族(夫、子供達)にも見放され一度も病院には来ず、手遅れで亡くなる。亡くなった後も家族は引き取りに来なかった…。
久しぶりに彼女の誕生日にデートをしたが、食事の最中に病院に呼び出され彼女(はるか)を置いていく
「私と仕事、どっちが大事なの?」
これは、お医者さんに言ってはいけないよな。
自分が患者の関係の立場だったら、絶対に駆けつけてほしいし。
結構、来なかった彼女は良き理解者だと思ってたのに残念。
彼女に謝罪の連絡をする前に、末期癌の友人(女性)と二人でいるところを彼女に見られ、別れの決定打!
本当は3人で会うはずが2人で会うことになってしまったという言い訳があるのに、言い訳も聞かず彼女から別れを告げられる。
別れの場所は、彼の出身地と関わりがある
上野の西郷どんの銅像の前。
手術をして、上手くなったなぁと思ってた矢先に医療事故を起こして上司にしばらく手術はするなと行って落ち込んでたが
先輩の佐藤先生が遠回しに気をつかってたりと優しい一面が。
もう佐藤先生のセリフはドラマで演じられた木南晴夏さんの声で頭の中に入ってくる!!
末期癌の友人の病状は、医者であるために大体の事情が分かり辛い…
一冊にたくさんのことがぎっしり詰まった一冊でした。 -
続きが読みたかった一冊。
《人の死》という事に向き合うこと。
《人の死》が良かったと思えること。
様々な人生を長かろうが短かろうが生きてきた証に真剣に向き合うことなのかな。
人にとって大切なことを教えてくれる作品です。
『人の死になんて、慣れない』
この医者らしくないフレーズ、好きです!!! -
シリーズ4作目。
外科医になり、6年。
30歳になった雨野は救急外来も無難にこなし、手術の数も順調にこなしていた。
3作目に続き、ステルス胃癌の葵も続けて登場。
3作目では誰も亡くならなかったので、少し気が抜けていたところに、今作では立て続けの死。
物語の中でも、やはり人の死は辛い。
雨野の実家のある鹿児島まで一緒に行った恋人とも別れることになり、4作目は何だかとてつもなく悲しい気持ちになった。
でも、葵ちゃん。
最後まで笑顔で頑張ったね。
生きたくても、生きられない人がいるんだから、やっぱり命は大事にしないといけない。
命の交換が出来ればいいのに・・・と考えてしまった。
それぐらい、現役医師の作者の描くエピソードは現実的。 -
医者6年目の雨野隆治。
だいぶ手術や患者の治療にも慣れ、外科医として日々腕を磨く日々。どんなに忙しくても友人の癌患者、葵のお願いを叶えまた連絡もしていた。ある日、恋人のはるかとの関係に変化が。
日々死と隣り合わせで働く現場のリアルな描写に読んでいて胸が辛くなるところもありますが、この作品は読書に勇気を与える作品だと感じます。
優しいけれどちょっと不器用な雨野さん。
続編も楽しみです!
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牛ノ町病院の外科医・雨野隆治。
担当患者も増え、大きな手術も任せてもらえるようになった、外科医6年目、30歳。
大腸癌患者の開腹手術を行なった隆治。
患者は、結紮が甘く、術後、出血…
医療事故だった。
岩井から、『もう執刀はさせられない』と、手術から外されることに。
『やめようか、外科医』…
医者は大変だ、ちょっとしたミスが患者の生命に関わる、そのプレッシャーを受けながらの長時間労働。肉体的、精神的に強くなければやっていけない。
はるかとは…
ちょっとあっさりすぎるのでは⁇
また、復活するのか⁇
もしかして凛子と⁇
それとも看護師・吉川さんと⁇
恋愛に関しては奥手すぎる、隆治。
これからどうなっていくのか…
患者に対して、真摯に向き合う隆治。
そんな隆治の成長が楽しみだ。
決して、『神の手』と呼ばれるような天才外科医になるようなイメージはできないが。
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初作家さんのシリーズ4作目。医療ものだが、とても読みやすい!
"命"の現場で働く外科医の姿がリアル。
三十歳、医師六年目の雨野隆治は難しい手術を任されるようになり、次第に自信もついてきた。緊急入院した高齢女性の上田さんと下澤さん。身寄りはなく手術を拒否する上田さんに対し、最後は静かに寄り添う選択をした隆治だが、看取りはさぞかし辛かっただろうと思う。赤子を死なせ贖罪の日々を過ごした上田さんの人生を考えると切なくなった。
恋人のはるかと別れ、開腹手術で大きなミスを犯してしまった隆治は実家のある鹿児島に墓参りに行く。兄が死に父が死んだ。一人暮らしの母のシマ唄を聴き、「いつ帰ってきてもいいんだから」と呟く母の言葉に心動かされる。
外科医をやめてしまうか?
みんな泣きそうな顔して執刀している!
俺はどうする…
この小説にはもう一つの物語がある。
最後まで生きようとした末期の胃癌患者、向日葵と向き合う姿も描かれている。目次の裏に「HYに」と書かれてあるのを見つけ、葵が生き抜いた証がここにあると感じた。 -
シリーズ4作目、隆治は医者6年目。
お医者さんの心境というか、それなりに中堅になってきても人間が死んでしまうことに慣れることはないのだないうことが分かり、自分と同じように仕事で迷ったり悩んだりするのだなと思った。
どうしても実際病院でお医者さんに対峙すると、万能の人という感じがして、今ひとつ同じ人間とは思えないのだけど…笑 実情は違うんだな。
自分のプライベートを投げ打って、患者の命を守っていることに感謝と尊敬の気持ち。