淫愛秘恋 (リンクスロマンス)

著者 :
  • 幻冬舎コミックス
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感想 : 1
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  • Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344838338

感想・レビュー・書評

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  • プレゼント企画で当たった本。

    読みながら、どんどんと冷静になっていく自分がいて、それはつまり、全然合わなかったということなんですが、でも、合わないものを読むことによって反対に自分がなにを求めているのかがわかるなあ…なんて思ってました。

    文章はきれいだと思います。ちょっと湿っぽくて、センチメンタルなのが好きな方は好きなんじゃないかと。

    個人的に合わなかったのは、受けがあまりに少年ぽかったからです。どうやら私は、受けにも相応の男性ぽさを求めているらしい。ので、逆に言えば、受けがなよっとしてて、細くてか弱くて、健気で献身的で、見た目も青年というよりも少年のようなのが好きな方はハマるんじゃないかと思います。

    育ての親の工場が経営不振になって、借金をしこたま作ったので、それを返済するために大学を辞めて高級会員制クラブでホストをはじめて、ホストなんてすることを知られたくないからという理由で当時付き合ってた攻めに一方的に別れを切り出したけど未練たらたらで、そうこうしているうちに借金がふくらんで男娼に。というのが受けの背景。

    この男娼の館がそもそも怪しくて、お寺などがたくさんある東京の一角に建てられたフランス風洋館だけど、庭園はイギリス式。
    …なぜ?そこは庭園もフランス式にすれば良いのでは?
    そしてクラブの中で流れているのは、フォーレのノクターン。
    …なぜ?フォーレのノクターンは、やや王道から外れたチョイスだと思うのですが、なぜフォーレ?フランス人作曲家だから?

    と、のっけから引っかかってしまったために、全然世界に入り込めず。受けも、攻めには借金のことを秘密にしておきたいと言って、わざと自分が遊び人なふりをしていたはずなのに、あっさりと父親の借金やら経営不振の話をし、好きで男娼をやっていると言いながら、借金返済のために身請けされるとか言い出し。
    攻めは攻めで、なんでもできるスーパー攻め様のような雰囲気を出しつつ、なにを考えているのかいまいちわからず、受けには失望したとか言いながら、受けがそんなことをするわけないと思って身辺を調べたとか言い、受けの父に復讐したいと言いつつ、受けがそれを思いとどまらせてくれたとか言う(しかし、どこがその起点になったのかがわからない)。

    そして、受けの父。攻めには「人しても下の下」とか言われ、攻めを包丁で刺したりするわりには、「たまには顔をだせよ、母さんが心配するから」とか受けに言って去っていく。いい人なんだか悪人なんだか、全然わからないです。いい人としても中途半端、悪人としても中途半端、平凡というにはバイオレンスが過ぎる。

    話の整合性とか、キャラのぶれなささ、そういうものに気になる私には、色々と疑問点が湧いてきてダメでした。お話も、最後は無理やり大円団にまとめたみたいで、終わってもあんまり余韻はなく。

    あと、本当に細かいんですが、ウェディングドレスを着せられて踊るシーンで、サテンのリボンがついた12センチあるヒールの靴(2センチはプラットフォーム部分)を履いたとあるんですが、そこについているイラストの靴が、全然小説の靴と違って、そこも少しげんなりしてしまいました。

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