知識ゼロからの印象派絵画入門

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (151ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344902671

作品紹介・あらすじ

時空を離れた西洋の画家たちと、作品を通じて語り合う。より絵を楽しむための「特等席」を用意しました。独断と偏見印象派・画家ランキングつき。渾身の書き下ろし。

感想・レビュー・書評

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  • 著者、大橋巨泉さん、どのような方かというと、ウィキペディアには、次のように書かれています。

    大橋 巨泉(おおはし きょせん、1934年〈昭和9年〉3月22日 - 2016年〈平成28年〉7月12日)は、日本のテレビタレント、放送作家、元参議院議員。 テレビ司会者のほか、競馬評論家、ジャズ評論家、時事評論家としての活動も行い、馬主でもあるなど、日本のマルチタレントの先駆けとなった。

    82歳にて、亡くなられています。

    今回手にした本は、『知識ゼロからの印象派絵画入門』。
    巨泉さんが印象派絵画の本を書くとは、とビックリしました。
    マルチぶりは、さすがです。

    で、この本の内容は、次のとおり。(コピペです)

    時空を離れた西洋の画家たちと、作品を通じて語り合う。より絵を楽しむための「特等席」を用意しました。独断と偏見印象派・画家ランキングつき。渾身の書き下ろし。

  • 印象派画家と彼らに関連のある画家たちを、大橋巨泉さん目線で切り取った一冊。

    画家一人につき、4ページ程割いており、巨泉さんの思う「代表作品」と画家の転機となったいくつかの作品、そして画家自身の生い立ちやエピソードが掲載されている。
    作品もだけど、それぞれの性格や印象派としての立ち位置が巨泉さんなりの解釈で書かれていて、また私の知らなかった彼らの関係性を知ることが出来た。

    以下は、読書メモです。

    ・印象派の一つ前の一派である、バルビゾン派の画家、ミレーも、彼らに印象を与えた人物として描かれている。
    ミレーと言えば、ゴッホが尊敬した画家。
    ゴッホは「種蒔く人」を何枚も模写したという。

    ・印象派の父と言われるマネ。
    巨泉さん曰く、マネは古典の名画からヒントを得て斬新な絵を生み出す「本歌取り」を得意としていた。

    ・ブーダンは、モネを初めて外への制作活動に誘った人物。
    「大空と海」は私もいいな、と思った。

    ・オランダの画家であるヨハン・バルトルト・ヨンキントは、モネの先生とも言われる。
    印象派の先駆的存在。

    ・モネの初期の作品「赤いスカーフ、モネ夫人の肖像画」は、大胆な筆遣いで、赤色をポイントに効かせた作品。
    10年かけて制作し、死ぬまでこの作品を手放さなかったというモネお気に入りの作品。

    ・モネは晩年に沢山名作を残した。
    誠実で純粋な人柄ゆえ、多くの友人から資金面など、ヘルプをしてもらえた。

    ・ピサロは、印象派展すべてに参加した、印象派のまとめ役的な存在だった。
    新しいもの好きで、スーラの点描も真似た。
    異端児ゴーギャンを印象派に入れた人物でもある。
    「雨の日のテアトル・フランセ広場」の俯瞰の雰囲気、綺麗だな。

    ・シスレーは、巨泉さん曰く、「もっとも過小評価された印象派」。
    純然たる印象主義を最後まで貫いたのはモネとシスレーだけと言われる。
    「ポールマルリーの洪水」が代表作。水の画家とも言われ、死後売れたという。
    (モネとシスレー、ちょっと画風が似てて、時々判断できないことがある。私の好きなタッチです。)

    ・点描で有名なスーラは研究肌。
    人付き合いが苦手で、モネやルノワールと衝突したという。

    興味深い内容が沢山あったけど、気になったのは、かなり巨泉さんの意見が色濃く文章に現れているということ。
    好きな画家に対しての絶賛は素晴らしいが(特にゴッホとボナールがお好きなよう)
    「セザンヌは下手」「モネの晩年の絵は繰り返し作業」「カイユボットは二流画家」「スーラの絵には感動しない」など、ところどころ毒舌が混じっているため、「入門」と謳っているなら、もうすこし客観的に語るべきでは、とも思った。

    私の印象派探求はまだまだ続く!

  • 美しいカラー画とともにくだけた文章で印象派の関連画家を紹介する。著者の豊富な経験により磨かれた感性に導かれ、バジール、ギヨマン、ルドン、ボナールの輝かしい魅力に気付くことができ、新たな世界と楽しみを知れたのでとても有り難い。また、特に自分が好きなシスレー、ピサロ、モネ、ルノワールの良さを再確認でき、そしてより愛着を深めることができ楽しかった。
    一方で、入門書にも拘らずブーダン、カイユボット、セザンヌ、ゴーギャン、スーラに対してはその一部または全部が酷評されており、少し悲しい気持ちになった。個人的には「私が良さに気付くことができないこと」と「対象が無価値であること」は別物だと考えており、また芸術は多様な価値・観点を謙虚に探し、楽しむものだ、と思っているので受け入れられない部分もあった(あくまで個人的な思いです)。
    ただしこのことは、そこそこ多くの印象派関連の画家を、カラフルで読みやすくデザインされたコンパクトな解説とともに、頁数の割に豊富かつ美麗な画集を3時間程度で鑑賞できるという本書の利点を損なうものではない。

  • 印象派・印象主義の絵が雑多にわかる本。なんだかんだでミレーとゴッホが好き。バルビゾンで長閑に過ごしたいΣ( ̄。 ̄ノ)ノ

  • 印象派に関する知識ゼロの私にはもってこいの一冊。そもそも印象派絵画とはどんなものかから教えてくれる。印象派にとても多くの画家が関わっていたのに驚いた。次は「すぐわかる 画家別 印象派絵画の見かた」を読んでみよう。

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著者プロフィール

おおはし・きょせん/1934(昭和9)年、東京両国生まれ。本名・克巳(かつみ)。早稲田大学第一政経学部新聞学科中退。ジャズ評論家、テレビ構成作家を経て、1965年、『11PM』への出演を機にテレビタレントに転身。以後、『巨泉・前武のゲバゲバ90分!』『クイズダービ―』『世界まるごとHOWマッチ』『巨泉のこんなモノいらない!?』など、数々のヒット番組を手掛けた。1990(平成2)年、セミ・リタイアを宣言した。
『巨泉 人生の選択』『岐路』(いずれも講談社)、『頑固のすすめ』(王貞治氏との共著、角川書店)など著書多数。

「2016年 『ゲバゲバ人生 わが黄金の瞬間』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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