Spectator (17)

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  • Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344950467

感想・レビュー・書評

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  • 北山耕平さんの記事がずば抜けてすばらしい。雑誌としては珍しく何度も読み返してしまう程。

  • SPECTATOR vol 17がなかなか面白かった。
    日本放浪術/VAGOBONDING IN JAPAN、日本国内を旅することで、日本という国にもう一度深くアクセスするという趣向。
    特に北山耕平のインタビューが素晴らしい。70年代のポパイ編集長の時代から、西海岸のカウンターカルチャーを積極的に紹介し、ローリング・サンダーとの出会いから、ネイティブアメリカンの思想、精神性の紹介者として、ポップカルチャーの中での対抗文化の担い手として30年に渡って活躍してきた北山氏。インディアンの思想へのコミットを通じて、シャーマニックな霊的態度をを学んだ彼の日本文化論は非常に深い洞察に満ちている。


    「ー全ての神社のなかでも西へ行くほどガードが固くなる。神主さんというのは本来「向こう側」へのゲートキーパー(門番)なわけだけど、自然が厳しいとゲートキープも大変だから、東北には神主さんもいないという神社もたくさんある。逆に西へ行くほどゲート・キーピングも強固になってくる。「御神体にさわるなんて、とんでもない!」みたいな神社もいっぱいあるわけ。京都なんて見事のものだよね。かろうじて触れるのが熊野の山の中くらい。それは日本の歴史と密接に関係していて、先住民的な抵抗が強かったエリアのほうが、神道も仏教も表面的にしか入れなかってところが多く残っているわけだよ。」


    北村の歴史観では、ネイティブアメリカンの世界では18世紀まで縄文文化の時代だったという。そして現代日本は現在も弥生文化圏だと断ずる。支配するものとされるもの、差別と非差別の関係の中で聖なるものが隠蔽されて、施政者の都合の良いように神聖なるものがシステムによって改変されてゆくプロセス。そして大いなる目ざめの為にこういった時代もいつかわ終わるを告げ、「始まりもなければ終わりもない世界」へ、もう一度還ってゆくと話す。文明というものの終焉。
    それは言葉のない世界への回帰かもしれない。はじめにことばありき。しかしそのことばによって我々は聖なるものから引き離されてしまったのかもしれない。

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