- Amazon.co.jp ・本 (197ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344984004
作品紹介・あらすじ
将棋の名人戦は1局に2日間を要し、最大で7局にわたる、長時間の戦いである。1局当たりのそれぞれの持ち時間は9時間。その間、「没我」の世界に入り、ひたすら盤面を読み、相手の動きを予測し、無数の選択肢のなかから最善の一手を指し続ける。一流棋士はなぜ、それほどの長時間にわたって集中力を保ち、深く思考し続けることができるのか。そして、直感力や判断力の源となる「大局観」とは何か。タイトル獲得通算13期を誇り、「緻密流」とも称される異端の棋士が初めて記す、「深く読む」極意。
感想・レビュー・書評
-
会長職という激務をこなしながら対局では丸太を振り回すような剛腕を発揮している康光先生の今までの軌跡や思考に触れることができる。
自由な指し手と評されるけど、それは基礎がしっかりしてて、納得するまで考え抜いてきた蓄積によるものだと思わされる。
将棋にドはまりして一年半ぐらいになり知識が増えてきたタイミングでこの本を読めたことで、康光先生の矜持がより理解できたし、今の将棋ブームで語られる事への認識が深まった。
そして、何気に最後の東日本大震災に纏わるあとがきにとても感動した。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
不安になったり、独自の考えを誇りに思ったり、考えることを心底楽しんでいるという印象。棋士という独特な職業でも、思考することに対しての心構え方法はとても勉強になります。
実際の棋士の名前やエピソードが多く書かれていて、将棋界に興味を持ちました。 -
佐藤康光さんの真面目でストイックな人柄が分かる。
情熱大陸での咳は当時番組で観てたけど、本人は収録されるまで知らなかったとは。神経張り詰めてると分からないものか。 -
長考力 1000手先を読む技術
佐藤康光
2015年11月30日第1刷発行
2017年7月20日読了
京都府出身。「緻密流」とも言われる深い「読み」に特徴がある。タイトル通算13期。永世棋聖資格保持者。谷川浩司九段にあとを継いで将棋連盟会長就任。
他の棋士の本。羽生善治、谷川浩司、橋本崇載、渡辺明、他にも書籍「不屈の棋士」なども読んだが、やはり独特な印象。
トップ棋士の話やある局面(図入り)で出てくるなど佐藤康光九段の将棋論や他の棋士に対する考え方、印象なども読めてとても興味深かった。
出てくる棋士の名前や特徴を知っているだけにふとニヤついてしまう話や、そうなのか!という発見もあって面白い。棋士の名前が沢山出てきます。
特に、「棋風」について、佐藤康光曰く、棋風が合わない人として、まず深浦康市九段、三浦弘行九段、谷川浩司九段に、羽生善治三冠など。森内俊之九段、渡辺明二冠とも合わないと言っている。これでは2017現在のほとんどのA級棋士と棋風合わないじゃん!ってツッコミを入れたくなるがそんな暴露?もしていて面白い。
渡辺明二冠と棋風が合わないとの話は、渡辺明の著書「勝負論」でも触れていたのでこれで棋風が合わないと両者認識する事になりましたね。
読後の感想としては佐藤康光九段はちょっと不器用、でももの凄く芯を持った棋士というイメージでした。そして年齢と共に指す将棋も変わり自分が指したい将棋を追求していく様になったと。
それがモチベーションにもなっているし、周りから見ると定跡に捉われないから「創造派」とも言われる。
確かに、(詳しくはないが)棋戦はあまり見た事ない局面(流行に乗らない)形が多いと思うし、終盤でギリギリの見切りをして手元の持ち駒でピッタリ詰ませにいく寄せはカッコいいと思ってます。 -
東2法経図・6F開架:B1/11/399/K
-
久々に将棋をさしてみようかな。
-
良本の一つ。特になにがいいわけでなく、佐藤先生の血が通っている。読んでいて、背筋を正される。
-
佐藤康光氏は羽生善治氏と同世代であり、非常に近い関係にある方です。
その佐藤氏が羽生氏への考え方を書いていたのは
羽生氏を尊敬してやまない私としては非常に勉強になった。
佐藤先生はタイトルもたくさん取られ、棋士として本当に活躍されました。
また現在は将棋連盟会長をされています。
そのような方の思考の一端を覗き見る事が出来て、
私としては色々と勉強になりました。
また将棋の技術論に関する文章もたくさんありました。
それは私のような一切、将棋を指さない人には興味のないものでした。
そのため将棋や囲碁、チェスといったボードゲームに取り組まれている方には
オススメ出来る本だと思います。
私のようにボードゲームが嫌いな人にはオススメ出来ない本だと思います。 -
天衣無縫、創造派の会長。
女流棋士の棋譜からも学ぶことができる謙虚さ。
1人の棋士が指せる対局数にも限りがある、という言葉は誰の人生にも当てはめることができる。
後悔ないよう指したい手を指すことという著者の信条も誰にも当てはまる。