「頭がいい」の正体は読解力 (幻冬舎新書)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 765
感想 : 47
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344985773

作品紹介・あらすじ

あらゆる物事を正確に読み取り、理解する力=読解力。文章を読んで自分の考えをまとめたり、会話で相手の意見に反論するときなど、現代社会を生きる上で不可欠な力だ。しかし読解力のない日本人が増えている。読書量の不足やネット記事・短文SNSの普及による「長文を読み解く耐性がない」「言葉の辞書的な意味は知っていても使いこなせない」ことが主な原因だ。本書では、問題を解きながら実際に言葉を使い、文章を書くことで「語彙力」「作文力」「読解力」の3ステップで鍛えていく。飛ばし読みや資料の要約、会話やコミュニケーションにも役立つ、現代人の必須スキルを磨く一冊。

感想・レビュー・書評

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  • この本は、「読解力、読む力」を上げる方法について書かれています。
    読み方の方法などが色々書かれており、参考になりましたが、読解力を上げる1番の方法は、「兎に角いっぱい読む」ということだと思いました。

    ぜひぜひ読んでみて下さい

  • 読解力をつける方法として、言葉を自分で使うことや文章を書くことをあげ、それらを具体的な問題を解きながら鍛えていく。実用的な書。
    小論文の書き方や読み解きにページ数が割いてあって、学生さん向けかなと思う。

    主題とはズレるけど、問題文にあった「本の価値は読む人によって変わる」という文章が頭に残った。
    私にとっては読むべきタイミングの本ではなかったかな。

  •  語彙力、文章力、読解力をつけるための問題が豊富に載っており、小論文を書く必要のある受験生などにはとても参考になるだろう。ただ、読解力をつけたいと悩んでいる人全員には、書き方が少々難しすぎて不親切に思う。問題もやってみようと気軽に取り組むのではなく、ノートを用意して真剣に熟考しなければならない。読解力を一朝一夕で身に付けられるとは思わないが、堅苦し過ぎる。内容は素晴らしいと思う。

  • 語彙力+文章力+読解力で文章の要点をつかめ!
    語彙力が文章力や読解力と同列で重要視されている。常々、そうだよなーと感じでいたから、確信が持てた。授業で、語彙力を鍛えるべきだ。その方法もヒントがあった。
    p32
    文章を読み取れない人は、一つ一つの言葉の辞書に出てくるような意味が理解できないのではない。むしろ、その連なりを理解できない。言葉のつながりを身をもって理解することができず、頭に入らない。言葉を自分のものにすること、使えるようにすることが問題なのだ。
    →語彙力→言い換え力
    人は言葉によって人の能力や人柄を読み取る。その手掛かりは、同じような内容をどのような表現を用いて語るかだ。
    俺そんなこと知らねえよ、僕そんなこと聞いてないです、私はそのようなことを存じ上げません、私はその件についての知識を持っておりません、というのでは、全くニュアンスが異なる。
    人はそのような文体を使い分けて生きている。同じ人間でも状況によって、相手によって、自分の気持ちによって、表現を使い分ける。その場にふさわしい言い方をする。話している相手にそのような自分をアピールする。
    あるいは逆に、そのような言葉を聞いて、人は他人を判断する。意味内容を理解するだけでなく、気さくな人だと思ったり、下品な人だとか、知的な人だとか、油断できないと思ったりする。

  • 読解力の重要性、それをつけるために必要な知識、テクニックが掲載されており、節ごとに問題演習も豊富に用意されている。
    もちろん、本書を1冊読了するだけで読解力の飛躍的な上昇が見込めるわけではないが、読解力をつけるために、本書に書かれていることを1つでも意識するべきだと感じた。

  • ちょっと期待外れだったかな、という印象。

    読解力構築のため、語彙や文章を書く力を鍛えるための前半部分は、まぁそんなことも必要だよね、という感じで読み進めていましたが、後半の読解力をはかるための設問については、この本を読んでなお、正答できない部分がありました。

    個人の能力の問題といえばそれまでですが、そもそもこうしたタイトルを付している以上、読解力のない読者を対象にしているのでしょうから、肝心の読解スキルについてもう少し丁寧な解説があっても良いのでは。具体的にはよくありそうな誤答を引合いにだし、それと正解はどう違うのか、どういう点に気を付けて文章を読み込めばよいのか、に触れる、とか。。。

    正解は示されているものの、どうやってそこへたどり着けばよいのか、そのスキルこそが読解力だと思うのですが、語彙は文章を書くといった外堀の解説があるわりには、肝心の部分の解説が乏しいと感じました。

  • 読解力が話題になっている頃に積読していた。

    あまり読解力に自信がないので問題形式になっていることで参考になった。

    気になるところは、文章を書くということは、何かを主張しているということだ。そして、何かをしているということは、何かに反対をしているということだ。つまり、その文章何を言いたいかを理解したかったら、何に反対しているかを考えるといい。
    普段のコミュニケーションでも使えると思われる。

    また、アウトプットする際のまとめ方も参考になった。


    ①どんなきっかけでその本を読んだかを書く。「人に勧められて読んでみた」「書評を読んで興味を持った」「図書館でたまたま見つけた」など。
    ②本の内容を簡単に要約する。あるいは最も気になった部分、最も感銘を受けた部分を示す。
    ③その本から得たものがどのようなことか、どんなことがおもしろかったかなど。
    ・著者の主張に対する賛否を書くと質の高い読後感となる。
    ④全体のまとめや本全体についての評価。

  • 「考えた気になれる本」という感じでとても大人向けの新書とは思えませんでした。樋口式四部構成とやらに則らなければ主張すらまともにできない人間、あるいは義務教育中の子どもたちが、数百〜数千字の文章を書く練習にいくらか役立つかもしれません。これは嫌味です。
    「周囲から“〜〜”と定評のある人」など(「周囲」と「定評」は意味に重複があるため、気持ち悪いです)、参考書めいた設問を用意する本には不適切と思われる言葉も見られます。読み始めてすぐに著者を嫌いになってしまったので重箱の隅をつついてしまうのですが、これで正しい学びを得るのは難しいと思えます。たぶん、四部構成で言うところの第二部(譲歩)と第三部(主張)が噛み合わず、「さっきの“確かに〜”はなんだったの?」となるのが関の山なので、これを実用しようと思う方々は試しに別の論述の本を読んでみたほうがいいと思います。小論文ならいざ知らず、ビジネスの場でこんなレトリック(※当書で学べる文章の書き方はロジックではないのです)を使われると「ナメられてるな〜」って感じがします。

    また、それこそ己の読解力不足だったら自省しようと思いますが、直前まで小論文の形式を解説していた著者が、突然「リアリティ」とか言い始めて即興小説を始めるわけがわかりません(p.112)。著者は小論文の指導を数多くしているそうですが、小論文でこのような作文をするように指導しているのでしょうか? 対面で相手を説得するために「リアリティ(情に訴える議論)」が必要な理由はわかりますが、小論文では減点対象ではないかと思います。
    p.185の問題の2番ですが、著者はどのような状況を想定しているのでしょうか? 意見の中に「体罰」という言葉は出てきません。確かに「体罰」に反対しているのだろうとほとんど確信できる物言い(引用「口で言い聞かせるだけでは、子供は何が悪いか理解できない」)ですが、だからと言ってそれに対し憶測のみで「私は体罰に反対です」などと言うのは、それこそ読解力のない人の特技ではないでしょうか。

  • ■目的
    英語の勉強をしている際、リーディングが苦手だと感じた。単語もそうだが、文章の論理構成といった対局的に理解が苦手。そもそも日本語の場合でも、資料の読み込みは遅い方だと認識している。小学生の頃は、ハリーポッターや都会のトムソーヤといった小説を、スラスラ読めた。これには好奇心と、頭で映像化しながら読んでいたことが要因だったのではないか。
    そこで今回は再度読解力の基礎・真髄について、TIPSを理解したいと思い本書を手にとった。基礎スキルを見直し、ブラッシュアップすることで、今後、何千、何万と読んでいく書物のインプットが効率化されることを期待する。

    ■第一章
     近代の子供の読解力は年々悪化しているらしい。読み手側が、ビジュアライズされた絵や、図が多いコンテンツを好むようになり、それに出版社側も呼応し、旧来の文字主体のコンテンツの割合が減っていることが要因とされる。
     また、youtubeやアニメだと、文字を読まなくても楽しめる娯楽が増えたことが、小説離れの原因にもなっている。
     そもそも読解力は、広義の意味において、何かを読み取る力とされている。文字、文章だけでなく、人間の会話、空気、天気、位置情報など様々な情報を理解し、自分の中で統合した上で答えを出すスキルである。カーナビや天気アプリなど、情報の供給側が高度化されたことで、情報を読解する側の負担が減ったことも、読解力低下の一因だろう。
     ではどうやって読解力を上げるのか。本書は結論として、「文書を書くこと・発信すること」が読解力向上の鍵だという。実際に書いてみるからこそ、読めるようになるという。サッカー中継でチームの戦略がアクションを正確に読み取り、発信できるのは、かつて自身がサッカーを経験したから、ゲームの内容を読解できるということを例に示している。

    ■第二章
     文章を作るにあたっては、語彙力が重要。語彙力によって、文章の格調を時と場合に応じて上げ下げしたり、言い換えによって単調でない文章にすることができる。また、具体と抽象を操ることで、文章に奥行きを持たせたり、より分かりやすい文章にすることが可能となる。
     この語彙力の引き出しの多さが、文章力を高めるための一つの要素なのである。これは普段から文章に触れ、ストックを増やしておくことが必要であり、また実際に作文してみることで豊富な語彙を駆使できるようになるのである。

    ■第三章
     書くことは思考を明確にすることである。漠然と頭中に存在する思考を形にすることで相手にも伝えやすいようにする行為なのである。これはサッカー実況の例のように、書いてこそその構造だったりテクニックが身につくのである。思考という形のないものを、適した構造、抽象と具体の使い分け、言い換えという技により、他者にとっても理解しやすい文章を作るのだ。また、周囲の状況が伝わるようにリアリティを出すことも一つのテクニックだ。文字という限られた媒体の中で、あたかもその情景を見ているかのよう読み手に連想させる文章を書くこと(例:周囲を囲む行列ができるほど盛況だった)
    3what=それは何か(定義)、何が起きているか(事象)、その結果何が起こるか(結果)
    3w=why(理由・根拠)、when(いつからそうなのか、歴史的状況)、where=どこでそうなのか、地理的状況)
    これは、読解力にもつながる。読んでいる文章の構造や著書の気持ちが、自らによる作文の経験を通じ、理解できるようになる。

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著者プロフィール

樋口 裕一(ヒグチ ユウイチ)
作家、小論文専門塾「白藍塾」塾長、多摩大学名誉教授
作家、小論文専門塾「白藍塾」主宰、多摩大学名誉教授
1951年大分県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。多摩大学名誉教授。小学生から社会人までを対象にした通信添削による作文・小論文の専門塾「白藍塾」塾長。
著書に250万部のベストセラーになった『頭がいい人、悪い人の話し方』(PHP新書)のほか、『小論文これだけ!』(東洋経済新報社)、『読むだけ小論文』(学研)、『ぶっつけ小論文』(文英堂)、『ホンモノの文章力』(集英社新書)、『人の心を動かす文章術』(草思社)、『音楽で人は輝く』(集英社新書)、『65歳 何もしない勇気』(幻冬舎)など多数。

「2022年 『小論文これだけ! 人文・文化・思想・芸術・歴史 深掘り編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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