日本が飢える! 世界食料危機の真実 (幻冬舎新書 660)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344986626

作品紹介・あらすじ

人口増加や気候変動により、近年、世界的な食料不足が問題になっているが、ロシアのウクライナ侵攻で、事態は一気に深刻化した。穀物価格は高騰し、途上国では暴動も勃発している。そして、食料の多くを輸入に頼る日本でも、憂慮すべき事態が進行している。長きにわたる減反政策で米の生産が大きく減り続け、余剰も備蓄もない状態なのだ。軍事危機で海上交通路を破壊されたとき、国は国民にどうやって食料を供給するのか? 日本は有事において武力攻撃ではなく食料不足で壊滅する――。元農林水産省官僚による緊急警告。

感想・レビュー・書評

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  • 知識がなくて難しく感じる部分も多々あったけれど、このままで大丈夫なのか、間違った道へ進んでいるのではないかという警告が伝わってきた。

    ただ、一国民ができることはなんなのか、何もないのかな、どうするべきなのかがわからず、漠然と不安になってしまった……もしかしたら書いてあったのに私が読み込めなかったのかも。

  • 説得力がある。庶民としては一年分自家用じゃがいも分の農地を確保するのかなあ。住んでないと盗掘されて終わりか。米輸出は円安だといけるかも。

  • ●穀物などの国際価格が上昇すると食糧危機を煽る人が登場する。しかし、高級マグロで中国に買い負けることと、日本が穀物を買えなくなることは全くの別物である。
    ●農林水産省、JA、農林族議員が、食糧危機が起こる被害をいっそう大きくさせている。
    ●食糧輸入が一年途絶えると、国民の半数以上が餓死することに。  
    ●消費者の加工調理能力が低下している。パンうどん、味噌醤油などを自ら作る知識や技術を忘れている。
    ●3500億の補助金を負担し、さらに消費者として米価の上昇という負担をする。
    ●炭水化物とタンパク質は食糧から摂取するしかない。脂質は体内で合成できる。
    ●大豆は菜種、ひまわりの種と同じ油糧種子に分類される。主に油を採るのに利用。
    ●小麦と違い、加工にエネルギーが必要でない米は、食糧危機を凌ぐためにも有効。
    ●畜産の大型化。3850戸が929万頭の
    豚を。@2413頭。2160戸が7億羽の鶏を。@33万羽。
    ●規模とコスト。50ha以上になると0.5ha未満の農家の3分の1以下。
    ●食糧品の需要は、価格非弾力的。供給が微減で価格は高騰する。
    ●先進国が穀物の輸出国に。逆のイメージが。一定まで発達すると、消費量はそれほど増加しない。中国も既にその水準に。

  • 頭に入ってこない…
    食料自給率が低い、かつそれが下がり続けていて、有事の際は本気で飢えるのが日本、それはわかる。

  • メモ中心として、残す。

    農家も兼業の時代だ。地域間でのやり取りは希薄になり、就農する人も高齢者ばかりの動向。それなのに、日本政府は農家へ多大な補助を行っていると主著する。

    私は30歳で農家に就く。
    野菜の苗や種の価格、使用する農材や農機具、農薬や肥料の価格は3割増も当たり前の中、野菜の販売価格は上昇していない。
    非常に苦しいのが現実であると、私は考えている。

    そのような中で補助金等を減額していくとすれば、この本の主題である窮地での飢えは本当になくなるのか?疑問である。(農業をする戸数が減るのではないか?)

    ・農家は豊かになったか?
    農家のステレオタイプである、「貧困で苦しい」状態でないと著者は気が済まないのだろうか。
    農地が減っていると怒っているが、地主に対しての話であると感じた。
    今は土地を買っても利益は少ない。だから、借りる。
    農家が悪だと一食単に叩く姿勢が受け入れ難い。
    資本主義社会だから厳しい目線がどことなくある。

    ただし、米の話になれば賛成だ。
    今の農業事業者も米の価格がおかしいのは薄々気付いて来ている。

    減反政策を行うことで、有事の対策が行えないことは理解できた。
    JA等が有償で動いている限り、厳しいのが現実であると思う。

  • とても詳しく分析、解説されている。農水省の無能、JAの酷さ…

    で、だから?

    ただ危機意識が煽られるのだが…

    あなたは何がしたいのか?

    読了40分

  • 農業に関心があるので読みました。減反政策は経済的側面から行われていたと知り、衝撃を受けました。一方で、連作障害のでない日本の稲作や米の優れた一面について知ることができ良かったです。実家は、自給的米農家で毎年家族で消費する分の米を作っています。作業や機械代を考えると、正直スーパーで買った方が割安かと思いますが、田んぼはつぶさずに大切に保持していこうと思いました。また、いざという時の調整分としても国外への輸出は強化していくべきという考えは参考になりました。

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著者プロフィール

キヤノングローバル戦略研究所研究主幹。
1977 年東京大学法学部卒業。ミシガン大学行政学修士、同大学応用経済学修士。博士(農学)。農林水産省ガット室長、地域振興課長、農村振興局次長などを経て、2008年より独立行政法人経済産業研究所上席研究員、2010年よりキヤノングローバル戦略研究所研究主幹。
主な著書に、『国民と消費者重視の農政改革 ―― WTO・FTA時代を生き抜く農業戦略』(東洋経済新報社、2004年)、『食の安全と貿易 ―― WTO・SPS協定の法と経済分析』(編著、日本評論社、2008年)、『環境と貿易 ―― WTOと多国間環境協定の法と経済学』(日本評論社、2011年)、『日本農業は世界に勝てる』(日本経済新聞出版社、2015年)など。

「2016年 『経済政策論 日本と世界が直面する諸課題』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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