教養としての生成AI (幻冬舎新書 697)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344986992

作品紹介・あらすじ

2022年、文章生成AI「ChatGPT」や画像生成AI「Stable Diffusion」など、一般ユーザーも気軽に使える生成AIサービスが次々と現れて世界に衝撃を与えた。すでに「一億総AI活用時代」が到来した様相だ。「人間の仕事が奪われる」などとメディアは煽るが、その特性を正しく知って使えば、生活やビジネスの効率が大幅に上がるのは確実である。本書は最新のAI研究からその歴史、仕事への活かし方、AI時代に人間が鍛えるべき能力まで、人工知能研究の第一人者が解説。「AIを使う人間」と「AIに使われる人間」の分かれ目がここにある!

感想・レビュー・書評

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  • 『教養としての生成AI』
    【こんな人におすすめ】
    ・「生成AI」。そもそも何なのか?を知りたい方。
    ・「生成AI」。何ができるのか?を知りたい方。
    ・「生成AI」。現在の仕事とどのように関連づけるのか?を知りたい方。
    ・「生成AI」。現在までの沿革・歴史を知りたい方。

    【著者】
    著者清水亮氏は、6歳からプログラミングを学び、アメリカ/マイクロソフトで上級エンジニアとして活躍後、ドワンゴに参画しています。2004年に情報処理機構より「天才プログラマー/スーパークリエイター」に認定されています。

    【本書の醍醐味】
    著者は多くの執筆をしています。1冊の執筆最高速度は24時間だそうです。しかし、この著書「教養としての生成AI」は10時間で執筆を完了していると記述しています。理由は、生成AIを活用しての執筆だからです。プログラマーであり、かつ生成AIを熟知した著者が書きおろした一冊、専門家には消化不良もあるかもしれません。しかし、基本的な内容を知るには十分な内容といえるのでは?と考えます。

    【生成AIって何?】
    生成AIとは、大規模言語モデルです。もう少し具体的に説明をすると言葉を学習したAIです。AIを構成する要素は大きく3つあります。それが、ハードウェア、ソフトウェアそしてデータセットです。生成AIは、この3つめのデータセットにきわめて大きな特徴を有しています。それは、データを重みづけする「パラメータ」数を膨大に設定、処理できることです。

    【生成AIって何ができる?】
    ChatGPTが誕生してから生成AIをニュースで触れる、また生成AI自体を利用する人も増えているのではないでしょうか?
    生成AIでは、文章の要約、企画・アイデア出し、小説・物語の創作、画像・映像の制作、翻訳など多くの分野での情報処理が可能です。

    【生成AIと人間。どのように関わっていくのか?】
    著者は、アイデア出し、質問出しでの利用シーンも紹介しています。「思考の連鎖」と表現し、人間側が生成AIに与える指示内容を連続させ、内容を変化させることで、生成AIからのアウトプットが質的に向上していくことです。具体的な事例をあげて説明しているため、読者側も理解しやすいです。

    生成AIを利活用することで、私たちには時間が生まれます。その時間を何に目的にどのように配分していくのか?は私たちひとりひとりに選択がゆだねられています。
    AIがやり、人間に残された範囲が何なのか?著者は「お金にならない能力」、具体的には真心、思いやりでは・・・と想いを述べています。

    それは、公私ともに、相手が必ず存在する現実社会において、何をどのようにアウトプットして伝えていくのか?理解してもらうのか?は生成AIでは不得手な領域だからです。生成AIには感情がありません。一方でわたしたち人間には、状況を認識し、解釈し、感じ取る能力があります。

  • 本作の内容は、次のとおり。

    ---引用開始

    2022年、文章生成AI「ChatGPT」や画像生成AI「Stable Diffusion」など、一般ユーザーも気軽に使える生成AIサービスが次々と現れて世界に衝撃を与えた。すでに「一億総AI活用時代」が到来した様相だ。「人間の仕事が奪われる」などとメディアは煽るが、その特性を正しく知って使えば、生活やビジネスの効率が大幅に上がるのは確実である。本書は最新のAI研究からその歴史、仕事への活かし方、AI時代に人間が鍛えるべき能力まで、人工知能研究の第一人者が解説。「AIを使う人間」と「AIに使われる人間」の分かれ目がここにある!

    ---引用終了


    将来的なことには関心度が低くなる年齢になってきたので、当然ながら、AIへの関心は低い。
    が、ちょっとだけ学んでおきます。

    今日の聖教新聞によると、生成AIを活用した主なサービスが5点書かれている。
    そのサービスと開発企業は、次のとおり。

    ・チャットGPT オープンAI
    ・コパイロット マイクロソフト
    ・ビング マイクロソフト
    ・バード グーグル
    ・ファイアフライ アドビ

    この中で聞いたことがあるのは、チャットGPTだけです。

  • ChatGPTだが、自分がひねり出そうとするアイデアに、穴がないか、視点の偏りがないかをチェックしたり、論点出しがMECEになっているか、のサイドチェックに使うのが良さそうだ。Creationそのものを任せるには、まだ早い。

  • 情報をインプットして、考えて、忘れて、を繰り返して身についたものが教養。生成AIは「考えて」を広げてくれる革新的技術なので、教養との関係を考えるために読んでみたい

    #教養としての生成AI
    #清水亮
    23/7/26出版

    #読書好きな人と繋がりたい
    #読書
    #本好き
    #読みたい本

    https://amzn.to/3rHGlvs

  • これからの子供にとって必要な教育はクリエイティビティーとホスピタリティー、創造性と真心と優しさ、このにてんをどう学ぶかである。良いのは最低限のプログラミング技術である。英語はAIに任せれば良い。人間として求められる価値が変わる。例えば田舎では走る力が衰える。車が走ることであるくことの価値が下がるのである。大事な事はあるものに対して作り替えるようなクリエイティビティー。
    簡単に創造性と言えるが自分の頭で考えることだ

    自分の頭で考えたことでら楽しく豊かになると言うことを意識し続けることだね。それが1番大切なことだ。英語も必要ねーよ。それよりもAI動かせるように訓練したほうがいい。

    人がやらないことをやる
    人の心を思いやる
    クリエイティビティー
    ホスピタリティー

  • 清水亮さんによる生成AI入門。ほぼ同時期に出版されたものより生成AIの仕組みに若干踏み込んでいる。構成としては歴史を振り返ったあとは、chatgptの使い方を実例とともにみせているという感じ。文章を書くことにフォーカスしている。
    あとがきで著者が述べているように、言いたいことの骨子だけだと10ページぐらいにしかならないものもchatgptとの対話で色々と膨らませて行くうちに200ページぐらいになる。そんな使い方として生成AIは便利だということだ。
    chatgptと対話して質問に答えて行くうちに文章の精度を高めていくことになるので、それなりに人間にとってもしんどいといえばしんどい。

  • 生成AIは、全てイリュージョン、錯覚である。

    「大規模言語モデルは巨大で精巧な錯覚を作り出す仕組みにすぎません。なぜこれがもっともらしい言葉を作るのかといえば、もっともらしい言葉を作るように訓練されたからです。決して中身を理解しているわけではありません」

    AIとは、本質的にはただの鏡なのであって、入ってきた光を跳ね返しているだけ、何一つ理解していない。
    考えているように見えて、中身は単なるパターンマッチングにすぎず、統計的な答えでしかない。
    ゆえに、AIを「知性のある存在」だと考えてはいけないし、知能でもないのだ。

    難関校の入試問題からあらゆる資格試験で満点がとれるだろう。
    そりゃそうで、言ってみれば試験の問題と答えを丸暗記しているんだからから、当然と言えば当然か。

    日本の株価が先日最高値を付けた要因となったのは、エヌビディアの好調な業績によるものだが、生成系AIはGPUの高性能化・大容量化とともに発展してきた。
    従来の構文解析と形態素解析では、品詞ごとに意味や文法をもとに生成していたが、時間がかかるし、柔軟性にも欠けていた。
    そこで言葉をベクトル化することを思いつく。
    文章に出てくる単語を好きな次元数のベクトルに変換し、近い者同士をまとまりとして配置していくと、意味の近い単語は近くに集めることができる。
    ベクトル化することにより、GPUで高速に処理でき、言葉と言葉、画像と画像、言葉と画像の間の距離が測れるようになる。
    AIにとってこの「距離が測れる」ことはとても重要だった。
    なぜなら「距離が測れる」ものは学習可能だからだ。
    単なる間違いで片付けるより、距離がどれくらい離れている、このように変化させたら近づけうるなどと、覚えさせる事ができるようになったわけだ。

    本書は、GPT-4を駆使してわずか10時間で書き上げたとのこと。
    もちろん叩き台ではあるが、本当に言いたいわずかな事を200数ページの新書にするのには、相当な水増しが必要だったのだろう、AIとの対話履歴がひたすら冗長で辟易させられる。

  • 先制 AI を理解したいという時に入門として使える本。
    生成AIは何か?何ができるのか?また生成 AI について、他の人と議論をする時に理解しておきたい内容である。

  • 天才プログラマー(05年IPA認定)で知られる清水亮さんがたった10時間でChat GPTと共作したのが本書。著者からすると、誤字脱字の校正も生成AIがやってくれるのでこれからは出版前に慎重に精読する必要もないかもしれない。清水さんなら読書スピードも一般の3倍くらいは早いだろうから、多くの人が読み終えるより早い10時間で書き上げてしまえるのもわかる。

    具体的な作成手順は、ご本人が動画( https://x.gd/GQ5bV )で共有されている。本書の「おわりに」でも解説されているように、

    1.GPTを開く
    2.「こんな本を書きたいから構成案を出して」とアイデア出しをする
    3.「章立てをして」から「各章には何が書いているのか」とどんどん質問をブレークダウンさせ(ネホリハホリ質問する)8万字の下書きを出力させる
    4.ファクトチェックや個人的なエピソードなどの肉付けや手直しをて完成

    実際はGPTだけが書いた部分はない、とのこと。手直しはまだまだ骨が折れそうではある。

    内容は「可もなく不可もなし」。清水亮さんらしさはほとんどなかった(そりゃそうか)。清水さんが生成AIでAI関連の論文や毎日のニュースを要約させていることがわかった。AIのフロントランナーでもインプットにかける労力はこれくらいか、と。

    仕事をインプット、スループット、アウトプットに大別すると、経営者である自分は決断、つまりスループットに最も責任が乗っかる。ここは生成AIなしにはあり得なくなっている。これは「手を抜いている」のではなく、重要だからこそ活用しなくてはいけないと感じている。同様にインプットもアウトプットも生成AIを活用したルーチンを構築していこうと思った。

  • p92 大規模言語モデル 決して人間社会のことを理解しているわけではなく、非常に複雑に精緻に作られているものの、本質的にはただの鏡であるということを理解しておく必要があります。

    p118 deep learningの起源
    パーセプトロン

    p124 2012画像認識の精度を競う国際的コンテスト ヒルトン教授が発表したアーキテクチャ AlexNet 5層で構成されたパーセプトロン

    p138 AIの学習方法
    教師あり学習、教師なし学習、半教師あり学習、強化学習

    p141 敵対的生成ネットワーク GAN generatve adversarial network

    p207 筆者がディープラーニングによるAIとは何かと聞かれた時に、一言で表すならば、機械化された直感力であると説明しています。



    p229 人間は何に価値を見出し、何を大切にしていくべきか 真心と思いやり

    p233 言い換えると、これからはどれだけ難しいことを理解しているかではなく、どれだけ相手のことを思いやれるかに、より大きな価値がある時代が来るでしょう

    p236 このような時代に価値をもつ能力
     人のやらないことをやる
     他人を思いやる力(ホスピタリティ)

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著者プロフィール

日本学術振興会特別研究員

「2022年 『「予科練」戦友会の社会学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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