- Amazon.co.jp ・本 (358ページ)
- / ISBN・EAN: 9784380742026
感想・レビュー・書評
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自虐史観が過ぎるとして、検定不合格になった家永三郎の高校教科書。
文部省が不合格にした理由。「過去の史実により反省を求めようとする熱意のあまり、学習活動を通じて祖先の努力を認識し、日本人としての自覚を高め、民族に対する豊かな愛情を育てるという日本史の教育目標から遠ざかっている感が深い」文部省1957詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
みなさんは、魏志倭人伝という言葉は知っていると思います。
中国歴代の正史の一つです。
では、読んだことはありますか?
私は、この本で初めて読みました(抜粋ですが)。
歴史の勉強とは、表面的にキーワードと年代を暗記すること
ではないと著者 家永氏は考えています。
歴史の勉強とは、大勢を掴むことであり、その時代の空気を
味わうことです。
その考えに基づいているため、この本は、
・複数人の視点が入ることにより、大局感を損なわないため、
家永氏が一人で書き上げた。
(確かに流れがあってとても読みやすかった。)
・当時の生活の様子を生々しく描写している。
(時には、当時の人々の思想まで描写。)
・多くの史料に触れることができるようにしてある。
(魏志倭人伝もこの一例。)
・日本史の研究方法が掲載されている。
といった特徴を持っています。
これは、教科書検定の問題提起するために、復刻した本です。
しかし、私は、検定の問題提起よりも、今の日本で希薄に
なってしまった教育に対する真摯さを学べることが、この本の
現代での価値だと思います。
検定問題に関しては、確かに思想の偏り(女性尊重、
第二次世界大戦時の軍部への批判など)を感じ
教科書としては欠陥があるように思えます。
私もたまたま、古本屋で見かけて入手しただけなので
今となっては、手に入れることは、難しいかもしれませんが、
ぜひ読んでみることをお薦めします。 -
流し読みです。検定不合格ということで、特に昭和に入ってからの記述に興味を持って見ましたが、よく書けているわかりやすい解説書で、なんで不合格かよくわかりません。