ハーブ中華・発酵中華・スパイス中華: 中国少数民族料理

  • 柴田書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784388062997

作品紹介・あらすじ

ハーブ・スパイス・発酵を駆使する、まだ見ぬ中国料理!

中国のいわゆる辺境地域で、少数民族が作り続ける郷土料理が、ここ数年、脚光を浴びている。

それら郷土料理の特徴である「フレッシュハーブ使いの巧みさ」と「スパイスの多様性」、そして「発酵食材の調理利用」という3点に注目し、85品のレシピを紹介した。

「中国四大料理」や「八大菜系」といった分類・定義から外れているがゆえに「見過ごされてきた中国料理の知恵」が凝縮した一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 中国には、八大菜系と言われる代表的な料理がある。それは、山東料理、江蘇料理、浙江料理、安徽料理、福建料理、広東料理、湖南料理、四川料理である。この本は、少数民族の料理を紹介している。ハーブ・発酵・スパイスという視点で、料理83品を掲載。何よりも、優れているのは、その調味料を作る方法を解説して、日本でも作ることができるようにしていることである。
    3人の著者から、その少数民族料理の接し方が違っているので、それを読むだけでも少数民族の新しい知見が得られる。食は文化なのである。
    白金の「蓮香」のオーナーシェフ小山内耕也は、料理に、「現地の風」を吹かせたいという。バナナリーフやレモンの香りを漂わせる。藤沢市の「中国旬菜 茶馬燕」のオーナーシェフ中村秀行は、薬膳アドバイザーでもあり、身体と心に良い少数民族を提供する。鴨のなれずしの料理を組み立てる。「南方中華料理 南三」のオーナーシェフ水岡孝和は、中国の翻訳(和訳)でも輸入でもなく、中国食文化を再編集するという。ハーブや納豆を素材とする。三人の切り口は、それぞれ個性があり、想いがある。パイナップル喃咪、傣族トマト喃咪、小魚豆豉、水豆豉、サンバルソース、発酵パイナップル醤、沙茶醤などの調味料の作り方が書かれている。
    私は、雲南省に10年近くいて、少数民族の料理を食べていたが、調味料の多様性について、あまり理解していなかった。とにかく、辛くて、油っぽいというのが印象に残っていた。調味料としては、老干媽、豆腐乳、南乳、豆豉、辣椒醤などは知っていた。
    とりあえず、この本の著者である小山内耕也さんの白金の「蓮香」に行って食べた。料理は、コースのみで、前菜「新サンマプーアル茶スモーク、ゆで大落花生、うなぎとキューリ、四角豆の快味ソース」で、何と言っても快味ソースの味が良かった。雲南で食べた快味ソースより美味しく感じた。「空芯菜、水豆豉炒め」ふーむ。中国で食べた味とは違う上品さ。「エビ、マコモ発酵唐辛子炒め」「発芽大豆とササゲの漬物ひき肉炒め」うまい。「富山白えび入り蛋包」ふーむ。白えびかよ。「月桃排骨」月桃の香り付けがよし。「油ボウズの新生姜香り蒸し」うん。香りが上手く乗せてある。魚の味もいい。そして、デザート。
    とにかく、多様な味をいただいた。なんと言っても、バナナの葉をひいた皿が印象的。ワインも紹興酒も定額で、選べる。なるほど、現地で食べるよりも、少数民族の料理の洗練された味に感心した。
    新しい切り口で、少数民族の料理を楽しめた。流石に、予約でいっぱいで、予約が取れない店である。今度は、雲南の少数民族の人を連れて行こう。

  • 写真とともにレシピも掲載されているが、未知ゾーンすぎて、にわかに想像しがたい。これは、もう食べてみるしかないでしょう。食べられる日は来るのか?

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