koochannさんの感想
2013年8月26日
旧家に育ち、父の溺愛を受けたかの子は一平の熱心な求婚により、結婚し初めて下町へ。そこで経験した不幸な家族生活と敬愛する兄、母の夭折。特に兄はかの子を与謝野晶子たちへ紹介した恩師でもあったという。どん底から仏教へ傾倒。かの子の作品の裏に流れている諦観と美意識の背景を知ることが出来ました。子息・岡本太郎への愛情、夫・一平との平和な生活の回復も幸せな満ち溢れた文章を産んだ源なのだと思いました。江戸情緒の残る彼女の作品をまた読んでみたいと思います。