- Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
- / ISBN・EAN: 9784389411367
感想・レビュー・書評
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愛生園でハンセン病の患者のために献身的な努力をつづけ、そのなかから名著『生きがいについて』を著した神谷美恵子の評伝です。
フランス語や英語をはじめ語学の才能に秀で、医師として、あるいは教師として、患者や生徒に心を開き、また妻として、あるいは母として、いつも高潔な態度を示し続けてきた神谷の人物像が描かれています。
神谷に対する著者自身の敬愛の念が先立っている印象があり、神谷が高い人格性を育てることができたのはいったい何によってなのかということが明らかにされておらず、読者としては頭を垂れる以外になす術がないように感じてしまいます。また、神谷とキリスト教とのかかわりについて、もう少し立ち入った考察をおこなってほしかったという気がします。 -
Amazon、¥322.
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自分に対してはもちろん、他者に対しても誠実に生きた人だと感じた。
文筆家として自らの思想を言葉に紡ぐだけでなく、医師として苦しい立場にある人たちと共にある生き方を実践したという所に「行動する哲学者」の姿を見た。
こう書くと、タフで強靭な、信念の強い、いかにも烈女といった感じの女性をイメージしてしまうが、彼女が残した日記や手紙の文面を読むと、失礼だが意外にナイーブな人だと感じる。自分の進むべき道に悩み、家族や親友に手紙で相談している姿などは、よい意味で「普通の人」だと思う。そういう所に神谷氏の人間としての奥行き、魅力が感じられるからこそ、多くの読者を得ているのではないだろうか。
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2冊