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- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784389420888
作品紹介・あらすじ
一九世紀末のベルリンに生まれたユダヤ系ドイツ人ベンヤミンは,ドイツ市民階級の文化が没落し,ドイツ人とユダヤ人との共生関係が破局を迎えるのを目撃した。伝統的な社会秩序が崩壊していく中から,彼は自らの思想を作り上げた。おびただしく降り積もっていく歴史の残骸を拾い集めた彼は,その破局のうちにかつての黄金時代の面影を求め,また,未来のユートピアの姿をかいま見ようとした。暗く絶望的な世界のうちに,まばゆく光り輝く楽園の光景を一瞬の間浮かび上がらせること,これがベンヤミンの批評の方法であった。
感想・レビュー・書評
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読みやすく、美しい文章でよかった。寓意(アレゴリー)
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意外と好きな伝記物。
ベンヤミンの論そのものよりも、ベンヤミンとフロイトの関係に興味があったのだが、ストレートな記述こそ少ないものの、フロイトを念頭に置いて読み進めるとベンヤミンに与えたフロイトの強い影響が感じられる。
またピアジェなどの影響についても解説してあり、伝記物とはいえ新書の「入口」としてはこれで十分かと思う。
「われわれが孤独のうちに吸引するもっとも恐ろしい薬」としての過去の回想という捉え方が印象に残る。
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