沈黙: 雑音まみれの世界のなかの静寂のちから

  • 春秋社
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784393333839

作品紹介・あらすじ

外部の騒音と、心中の想念や感情という雑音に苦悩のつきない現代人。内外の雑音を排除して、真の沈黙を手に入れれば、世界の美しさに気づき、無意識の癒やしの力と創造力を得て、心の平安と喜びに到達できるのだ。その方法論を優しくわかりやすく語る。

感想・レビュー・書評

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  • ときどき、「あぁ、こんな人になりたいなぁ」と思わされる人に出くわすことがある。その正体が一体何なのか、ずっと言語化できずにいた。

    しかしこの本のp.85やp.113に、そのヒントになる内容が書いてあった。そういった人たちは、「存在自体が清々しく喜びに満ちて」いて、「一人の自由な(とらわれのない)人間としてここに存在する」からこそ、「相手のために真に今ここに在ることができ」、接した相手にもそれが伝わって、誰もが喜んで会いたいと思うような人物になるのだと。考えてみれば、会話しながらずっと考え事をしていて「心ここに在らず」といった様子の人と、「相手のために100パーセントここにいる」人と向き合って話すのとでは、全く心持ちが変わってくる。相対した人には当然それが伝わるのだ。

    自分が「こうなりたい」と思わされるような人々に似ていくためには、自分の身体にしっかり魂を込めて(これは比喩であって宗教的な意味はない)、「実在する自分自身としてこの大地を歩くことができるという奇跡、あるいは贈り物」を存分に楽しみ、自分自身であることを楽しみながら、その場に100パーセント存在すること、これが鍵となるのだろう。まずは自分が自分自身であるという奇跡を楽しむように、話している相手に対してその場に100パーセント在るようにと心がけることからだ。

    自分であることを存分に楽しむ、そんな感覚はいつ以来だろうか。この本は頻繁に参照することになると思う。

  • どうして心は放っておくと、過去の後悔や悲しみ、未来への不安や心配に飛んでしまうのか。「今ここ」にとどまり、味わうことができないのか。実践あるのみ。修行が足りないとつくづく思う。
    きっちり瞑想の時間を取って、というのがわかっているのになかなかできないので、あまり構えず、日常の中でマインドフルネスを取り入れようと思わせてくれた。呼吸、歩行、家事等。

    "ブッダの名言があります。「過去を思って悩むなかれ、過去はもはや過ぎ去ったもの。未来を悩むなかれ、未来は未だ来たらぬもの。あなたの前には生きるべき一瞬があるのみ。それが現在の瞬間だ。今この瞬間にもどり、この瞬間を深く生きよ。そうすれば解き放たれるであろう」  157ページ"

  • タイの教えが沁み入るように入ってくる。

  • マインドフルネスにおける沈黙の考え方がすとんと落ちる本。NST(ノンストップシンキング)ラジオ局をオフにして、心のスペースを回復する。折に触れて開きたい本。

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著者プロフィール

釈一行。1926年ベトナムに生まれる。禅僧、詩人、学者、人権活動家。「行動する仏教(エンゲージド・ブッディズム)」を提唱し、ベトナム戦争中の南北ベトナムの和解に尽力、1967年にM.L. キング牧師によりノーベル平和賞候補に推挙された。100冊以上の著書を世に問い、仏教の教えとその実践をわかりやすく説くことで広く知られている。
現在は南フランスのプラム・ビレッジを本拠地として、アメリカ、ドイツなど各地にリトリートセンターを設け、仏教の教えに基づいた学びと実践の指導を続けている。

「2011年 『味わう生き方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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