- Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
- / ISBN・EAN: 9784393930274
作品紹介・あらすじ
オーケストラはいつ生まれ、なぜ現在の姿をとるようになったのか?人々がその響きに託してきた夢とは?時代によって変転するオーケストラの姿を描き、その響きに深く刻み込まれたヨーロッパの文化・思想を鮮やかに浮き彫りにした好著。
感想・レビュー・書評
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クラシック音楽のひとつの完成形がオーケストラであろう。その変遷を西洋の歴史とともにたどった好著。最近よくある手法とはいえ、さすがに著者の切り口は一味違っていて、バロック音楽の通奏低音と絶対王政をからめたり、和声への愛がヨーロッパの音楽のメンタリティの根幹にあると看破したり(だから近親憎悪で不協和音に走ったのだろうか)、ヨーロッパを覆う「普遍」の呪縛など、ヨーロッパ文化史の専門家の視点が効いている。ところどころお得意分野であるディレッタントやヴンダーカンマー話がでてくるのもご愛敬。これまでの筆者の読者は、なじみの顔が横切るだけでもにやにやしてしまうのだ。最後に返す刀?で、日本のオーケストラ事情、たぶん大阪の最近の事情も念頭においた展開になったのは驚いた。まさにこれこそオーケストラの歴史と意義の壮大なレポートだろう。机上の研究だけになっていないところが、著者の姿勢かな。
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オーケストラの成り立ちをヨーロッパの社会情勢や思想に触れながら解説していく。
悪くないけど全般的に薄っぺらい。大学新入生向けかな?暇なら読むと面白いかも。 -
よくまとまっているとは思うけれども...クラシック音楽を聴き始めてまもなく、あまりクラシック音楽関係や西欧思想史の本を読んだことのない学生の頃なら楽しめただろうな、きっと。