異常気象はなぜ増えたのか――ゼロからわかる天気のしくみ(祥伝社新書) (祥伝社新書 517)

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  • 祥伝社
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396115173

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    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/689950

  • 女心も男心も移り変わりが激しく恋愛においても下手な駆け引きしている間に、気持ちが冷めてしまったりして、ふと我に帰るとなぜ熱くなっていたのか不思議に思う事が若い頃はよくあった(もちろん今は違う)。自分の頭で考えてる自分の心でさえそんなものだから、他人の心の中を予想するのは難しい。でも例えば相手の女性の気持ちの強さを気圧や気温に例え、自分の気持ちを同様に数字で例える事が出来れば、もしかしたら全く関係ない人間であっても天気予報の様に、その後の展開をある程度予想できるだろう。
    因みに、相手が冷めてきたな(低気圧)と考えると、自分の気持ちはそれを防ごうとするより、我先にと冷めよう(嫌いになろう)とする。相手にフラれた自分を見るのが嫌だからだ。それは本書と全く関係ない。
    本書は気象現象がどの様な仕組みで起こっているのかを図と解説でわかりやすく説明している。気圧、風、地形、海流、引力など様々な要素が複雑に絡み合うため、全く同じ天気図は二度と現れず、その状況も刻一刻と変わっていく。天気予報士は様々な要素を掛け合わせ、より広範囲に過去のデータなどを付き合わせた上で予測をする。コンピューターはこうしたデータに基づく大量・高速計算は最も得意とするところだが、確実な予測は不可能だ。人間なら尚のことだが、予報士の仕事にはロマンが多い。古代の日本なら天気を当てるものや占いによりあたかも変える事ができたものは一国のトップにもなりえた。成果が天候に大きく左右される農家や漁師の尊敬の的になるのも当然だ。天気を操るもの人心を制すとも言えるだろう(無理な話だが)。
    本書は私の様な気象素人にも天気図の見方から、基本的な予測の仕方、季節ごとの典型的な天気の動き、それらを要因となるあらゆる条件について解説している。読み終わるとちょっと空を見ながら誰かに「もうすぐ雨が降るよ」なんて使いたくなる知識に溢れている。
    初対面の人との会話は共通の話題もわからず、中々何を切り口にするか苦労するものだが、天気の話から始める事が多い。今日もよく晴れてますね、なんてありきたりな会話ではなく、「今日は西側の高気圧の影響が大きく、太平洋上の低気圧を大きく押しのけてて、尚且つ関東平野に吹き込んだ風は昨日の日差しで暖められた地面からの上昇気流を受けて、北関東の山々を駆け下りる事で非常に暑いですね!」。これだけでだいぶ時間を稼げるが、場合によっては変人扱いされそうで注意が必要だ。

  • 2019年9月発刊 天気予報→教養の糧・娯楽

    朝霧は晴→夜の間晴れていた証拠 山に笠雲風雨の前兆→山の斜面で強制的に上昇→雲・低気圧の原因の場合多

    猫が顔笑うと雨/鳥が低く飛ぶと雨(ツバメが低く飛ぶ→虫の羽→湿気て低地にいるから…俗説)

    1643年トリチェリ 試験管、水銀76センチ→気圧の発見

    日本式天気記号→21種類 風力12段階
    国際式 気温、気圧、天気傾向、雲量、雲の種類、風向、風速→99種類に分割

    等圧線の感覚が狭い→近距離で気圧の差が大きい→風が強い

    天気図のパターン
    ①西高東低 冬に南北に延びる等圧線 北から北西の風 岐阜市、名古屋市、広島市→風上に山脈の切れ目があれば大雪
    ②南高北低 春秋に太平洋上に移動性高気圧 夏に太平洋高気圧→気温上昇・暖かい風→太平洋上の多量の水蒸気→わずかな風のぶつかり合いで局地的な雨
    ③帯状高気圧 春秋に高気圧が2つ3つ連なる→おだやかな晴天続く
    ④北高ほっこう型 移動性高気圧が北日本の真上→太平洋上の湿った空気とぶつかると関東では高気圧がすぐ近くにあるにもかかわらず雨・曇り
    ⑤オホーツク海高気圧 オホーツク海に滞留性の高気圧が形成→冷たく湿った空気→関東東北では季節外れの涼しさ
    ⑥鯨の尾型 夏に等圧線少なく巨大な太平洋高気圧→亜熱帯の海から暖かくて湿った空気→蒸し暑い・安定して晴れ→厳しい猛暑
    ⑦日本海低気圧 朝鮮半島から日本海を通過する低気圧→低気圧の進路の南側では強風
    ⑧南岸低気圧 東シナ海から日本列島すぐ南の海岸を進んでくる低気圧 北側に大きな雨雲ができる 真冬の関東の大雪パターン
    ⑨二つ玉低気圧 低気圧が南北に2つ→南北の温度差が大きいと発達・荒れた天気
    ⑩停滞前線型 前線=低気圧の渦巻きに従い半時計回りに回転 寒冷前線→速度早く温暖前線に追いつく→重なった部分が停滞 梅雨前線、秋雨前線 季節の変わり目に異なる空気のぶつかり

    水の三相(さんそう) 昇華蒸発と昇華凝結 飽和水蒸気量 30度30.4g 10度9.41g

    雲=非常に小さい水滴、氷晶(氷の粒10マイクロメートル=人の赤血球サイズ)
    雲が黒く見えるとき→雲粒の密度、遠くにあるか上にあるかの違い

    冷たい空気→重い 暖かい空気→軽い
    上昇すると温度が下がる→正確には上昇する・しないは関係なく→空気の温度=分子の運動量 空気が収縮→分子の跳ね返りが強まる→密度が高い運動量が多い→気温が上がる

    余分な水蒸気を吸着するエアロゾル=塵、埃、スス…

    水平方向の空気の動き→風 上下方向の動き→気流

    熱帯地方=強い日差し→空気温度上昇→上昇気流→雲が発生し雨

    ハドレー循環 緯度30度位→強い下降気流発生→雲ができにくく乾燥=アフリカ、中近東、アメリカメキシコ国境=砂漠

    極循環 南極、北極(空気が上空まで冷えて重くなる→地表面に向かって沈み込む)

    コリオリの力 北半球では右、南半球では左に向きを変えられる→東寄りの風☆東からの風のことか?熱帯付近の安定した東風→大航海時代西に向かう貿易風 ☆日本では偏西風(西からの風のイメージ)/赤道付近に行けば天気は東から崩れることになるのか?

    北半球…暖気は南風によって運ばれる→北には冷たい空気・暖かい空気は冷たい空気の上に乗り上げる→南風は上昇気流に変わる☆暖かいものが上に行く理由が不明

    風の収束…風の衝突、合流、後ろから吹き重なり→上昇気流→局地的雨、雪
    風の発散…風が分散

    フェーン現象(アルプスの風の意)→山を吹き超えた強風・高温で乾燥→山の斜面を吹き降りる
    湿った空気が山の斜面上昇→水蒸気は凝結・凝結熱発生→凝結熱を持った空気が風下側へ→極端に高温・乾燥
    ボラ→アドリア海内陸の寒風・もともと乾燥していく空気が山越え→冷風が山の斜面を下る

    地上気圧=地表面を押さえつける力→衝突する空気分子の勢い

    空気が冷える場合→体積縮む→大気の層全体が下がる→上から下へ空気の流れ→上へ向かう空気の流れを相殺
    (シベリア高気圧)

    空気が冷えない場合→上空で風が収束→強制的な下降気流→空気密度が増・温度も高温化→大気層全体が縮むわけではないから地上から上空までつながった非常に背の高い高気圧(ハドレー循環で生じる太平洋高気圧)

    低気圧→上昇気流による・上空に向かう分子が増えるから

    赤道一周40,075キロ・時速1,670キロ 東京北緯35°時速1,368キロ 札幌1,221キロ
    ☆球体が回転するときのイメージ・北極点は動かない/赤道は高速移動中

    高気圧からの風 北半球→低気圧に吹き込む風=左回り(反時計周り)の渦巻き

    気団(同じ性質を持った空気の塊)
    シベリア気団→冷たく乾燥している
    揚子江気団→もともとシベリア気団の一部・揚子江近くで暖まった空気・暖かく乾燥
    オホーツク気団→冷えて重い空気→やませ(凶作風)の原因
    小笠原気団→高温で湿った空気 太平洋赤道付近では偏東風☆貿易風のことか?→表面の温かい海水が西へ→フィリピン近海の海面水温上昇→フィリピン付近で上昇気流→この上昇気流がハドレー循環で下降気流となって降りてくる場所=小笠原・高気圧へ→暖かく湿った気団

    梅雨=アジアモンスーン(季節風)の一部 夏→中国からシベリアの東アジア大陸が熱せられ、大陸南のインド洋よりも相対的に高温→大陸内部で上昇気流→上昇気流を補完するためインド洋、太平洋から大陸に向かって南風・アジアに湿った空気 ヒマラヤ・チベット山脈を風が越えられず東に大回り→日本への影響
    太平洋気圧の西(沖縄、東シナ海)への張り出し→蒸し暑い風の合流→上昇気流 天気予報難しい

    秋雨前線→大陸が冷えて涼しい空気の塊→移動性高気圧 天気予報は容易 台風が加算される場合あり

    軽い氷の粒+、重くて大きい粒−→雲放電、対地放電=落雷=空気が急激に高温になり膨張することによって発せられる光

    台風の予報円 強くなって大きい台風の発達と勘違いする人が多い

    局地風 2016年12月糸魚川市で大規模な火災 姫川が南から日本海に注ぎ込む峡谷・南風の通り道/姫川だし
    ☆2016(平成28)年のクリスマスに千曲川の旅館でニュースを見ていた

    局地風 庄内平野の清川だし 阿蘇山のまつぼり風 瀬戸内海肱川あらし 四国やまじ風 遠州の空っ風 山が多く複雑な地形の日本では多数存在

    海陸風 海の水は温まりにくい→陸上の空気相対的に暖かく軽い→陸上で上昇気流発生し海風が陸に吹き込む☆夏の熊谷の高温の理由
    夜…陸上の空気冷えて重い→海上の空気軽い→陸上の空気が海に向かっていく

    山谷風 昼間岩肌→気温上昇→上昇気流 夜→山肌の気温低下で吹きおろしの風
    盆地で山からの冷気の吹きおろし→水蒸気が凝結→濃霧 上から見れば雲海☆R020613いつか雲海を見に行きたい・コロナ禍の国内旅行

    線状降水帯 2014年8月広島市の被害

    海外のタイフーン 最大風速60m、70m(日本の換算で55m)→1分の最大風速(10回測り最大のもの)→日本の基準では75~80%換算 日本は10分平均

    都市気候 コンクリで乾燥・気温上昇→日中に海風→熱が内陸部へ 埼玉群馬 名古屋→岐阜へ

    太平洋赤道上→偏東風→暖かい海水西へ→アジア寄り=高温→上昇気流、南米寄り=深海からの水で低温→下降気流 ウォーカー循環

    エルニーニョ 赤道付近偏東風弱い→深海の海水なし→ペルー沿岸でクリスマス時期に海水温上昇
    ハドレー循環で小笠原気圧の位置も東で発生→日本への高気団の張り出し弱い→冷夏傾向

    ラニーニャ 偏東風強い→海水温上部が西寄り→太平洋気団も西へ→日本に近づき猛暑

  • これも竹内薫ブックガイドから。難しいところは読み飛ばし、サラッと天気予報の何たるかを味わう感じで読了。内容は盛りだくさんで、本書を理解できれば、確かに多少の予報とか出来ちゃうかも、みたいな内容。

  • 2018/5/18頃 借りる

  • 新たな知識は得られなかった。内容は薄い。

  • 異常気象はなぜ増えたのか--ゼロからわかる天気のしくみ。森朗先生の著書。天気や気象に関する一般的な内容を説明しているけれど、地球環境の変化や地球温暖化問題との関係などについての解説が不十分で、本のタイトルにある「異常気象はなぜ増えたのか」という疑問に対して明確な回答はなかったようです。

  • 気象についての基礎的知識を知ることができる

  • 線状降水帯とは?猛暑日も大雪も増えている!都市型気候の恐怖!気象について分かりやすくまとめられた良書。

  • ■最近は年々気温が高くなる傾向がある。日本では40℃以上の気温が全国で過去27回観測されているが,そのうち2回が1990年以降
    ・気温が高いということは,大気の状態が不安定になりやすいということ
    ・地上の暖かい空気の浮力が下降気流に打ち勝って上昇気流が急発生し積乱雲が急発達することになる
    ・空気中に含まれている水蒸気量が多い可能性が高いということであり積乱雲ができると非常に濃密な雲になって雨が激しく降り落雷も激しく雹が降る危険性も高まる

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著者プロフィール

監修: 森朗
1959年東京都生まれ、兵庫県西宮市育ち。 大学卒業後は日鉄建材工業(現日鉄住金建材)に入社し、経理・総務・営業職に従事。 趣味のウィンドサーフィンや海好きが高じて1995年に気象予報士資格を取得し、株式会社ウェザーマップに入社。 TOKYOMX気象キャスターを経て、TBS「ひるおび!」など、テレビ・ラジオ番組に多数出演。2017年7月より株式会社
ウェザーマップ代表取締役社長。著書に『異常気象はなぜ増えたのか ゼロからわかる天気のしくみ』(祥伝社新書)などがある。

「2022年 『気候危機がサクッとわかる本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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