スクールカーストの闇 なぜ若者は便所飯をするのか (祥伝社黄金文庫 わ 4-5)

著者 :
  • 祥伝社
2.56
  • (0)
  • (1)
  • (5)
  • (1)
  • (2)
本棚登録 : 50
感想 : 6
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396316129

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 何やらかんやらをいちいち現代の病理としてお決まりの警鐘を鳴らしては使い古された緩い正論にて結審とするこの類いの本に私は学者連中の不誠実な仕事ぶりを見る。
    彼らは己のテンプレートがこの社会において実際にどんな役割を果たしたのかを一度疑ってみた方がいい。そうすれば少しはものごとの本質というものが見えてくるだろう。

    最後まで読むのが面倒くさかった。

  • 単行本化されたときに読んでいたのですが、文庫化されたのを機に再読してみました。読みながら子ここでいうところの『スクールカースト』の最底辺に自分が置かれていたことを思い出し、苦い物がこみ上げてきました。

    本書の単行本を以前読んでいたのですが、思うところがあって文庫化されたのを機会にもう一度読み直してみることにいたしました。トイレの中で食事をするという衝撃的な事象『便所飯』この言葉をはじめて知ったのは本書からでしたが、ある種の『都市伝説』かと思われたこの現象がとある調査から10人に1人が「トイレで食事をしたことがある」やその中でも20代の5人に1人が「トイレでの食事経験アリ」という反響。さらには朝日新聞にまで取り上げられていたという話を聞いて、衝撃を受けました。

    さらに、本書を読み終えて僕自身が学生時代、特に高校時代にさんざ味わった今で言うところの「スクールカースト」その最底辺に追いやられるとどうなるかということがまざまざと思い出されて、とてもイヤな読後感でありました。このいわゆる『トイレで食事をする』という行為は、
    「あいつ、友達がいないから、しかたなく一人で食べているんだぜ」
    という風に見られたくないという心理が働いているということですが、僕自身に限っては一人で食事をすることはなんら苦でもありませんし、別にそんなことをいわれたとしても『それがどうした』の一言で済ませられるということを体験的に知っておりますので。ただ、この境地にたどり着くまではかなりいろいろなことを経験しましたが…。

    それはさておいて、この『病理』を解き明かしていくと、これを大人になっても引きずっているという方がいるのだそうで、社会生活を送る上でさまざまな支障が出ているということだそうです。まぁ、なんというのか…。『便所飯』というのは僕には理解できないことですが、『スクールカースト』の表面化ということで、この問題を考えております。

  • 20131007
    サラッと読むには楽しめた。
    スクールカーストそのものの構造はメインではなく、そこからの社会のあり方についての考察。
    体験談やアンケートなどの具体的な結果からの考察はあまり(ほぼ?)ないので、信憑性に欠ける感じはするし、実態がボンヤリしてて、ふむふむ、とほならなかった。
    浅いかな、と思って読んだんで、やっぱりな浅さはあったものの、読みやすかったし、シゾフレ、メランコ、などの分類もわかりやすかった。

    しかしこういうのはアレですね、失敗することへの恐怖とか、そういうことにつながるんだよなぁと。

  • 「便所飯」なる言葉は、数年前の新聞で読んだ。テレビでも紹介されていた。「スクールカースト」は去年ぐらいから目立つようになったかな。
    と思ったら、改題・文庫化された本だった。

    巻末でも書かれていたが、人は思うほど自分の行動を気にしていない。そのことに気づけば、もっと生きやすくなるはず。

  • 競争は子供の頃からしておくべきだと思った。小さな負けの体験とそれに対する対処の経験値を積むコトが大切だ。もちろん勝った時の達成感も。

  • 「便所飯」。この言葉をきいたことがあるだろうか
    今の教育で求められている生きる力。
    人間力、平等を基本に教育してきた結果他人の評価が絶対的価値観となってしまった。

    友達が大勢いることこそが本当に大切なのか?

    (略)内申書における客観的評価の比重が減り、教員の主観にもとづく評価が大部分を占めることになる

全6件中 1 - 6件を表示

著者プロフィール

1960年、大阪府生まれ。東京大学医学部卒業。精神科医。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェロー、高齢者専門の総合病院である浴風会病院の精神科を経て、高齢者専門の精神科医として、30年以上にわたり高齢者医療の現場に携わっている。
主な著書に、『80代から認知症はフツー』(興陽館)、『病気の壁』(興陽館)、『70代で死ぬ人、80代でも元気な人』(マガジンハウス)、『80歳の壁』(幻冬舎)、『70歳が老化の分かれ道』(詩想社)、『老いの品格』(PHP)などがある。

「2024年 『死ぬまでひとり暮らし』 で使われていた紹介文から引用しています。」

和田秀樹の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×