常々、子どもの教科書を見るにつれ、何でこの様な作りになるのか?と疑問。
たまたま図書館で手に取り読了。
戦前の国語の教科書についてである。
1918~1932 ハナ ハト マメ
1933~1940サイタ サイタ サクラガサイタ
1941~1945アカイ アカイ アサヒ
1941年から尋常小学校から国民学校となり教科書が変わったらしく、所謂、戦時色が強くなっているらしい。
尋常小学校の国語の教科書は12巻。
これを6年間にて使用。
その頃は、この国語教科書にて社会人としての教養をも身に付けることができるようにされていた。(このまま社会に出て働く人が多かった為)
3年生までは、情操教育。様々な季節の風物や家族や生き物への情愛が題材。
5年生から論理的な文章。
偉人伝や旅行記、科学文などもあった。
本の中に尋常小学校教科書掲載の文章が絵とともに、載せられているので、実際の教科書をちょっぴり感じることができる。修身の文章もあり。
文語体の丁寧な文章は、日本語らしく感じる。正直、寛容、勤勉、忍耐の徳目を様々な人物面のエピソードから導入。
人間としての品格とは何かを、感じとれる内容のように感じる。
国語の教科書なのに、様々な教科に関連する内容があり基礎的な素養が身に付くように作られていることに関心する。
格調高い文章でした。
情愛というものは、人としての核であると岡潔も言っていた。
情がしっかりしていると「意志」を持ち続けられる。
その先には、覚悟と責任が生まれるのでしょう。
やはり、国語の教科書は重要でした。
作者の政治的な吐露がたまに入ることが
残念。しかし、何故に教科書は無料なんでしょう?有料若しくは、貸与で良いように感じる。