- Amazon.co.jp ・本 (808ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396340612
感想・レビュー・書評
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夏見氏のアリスシリーズ。ちょっと考えられないような背景設定や仕掛けも民主党政権時代のデフォルメやハンギブンを彷彿させる韓国人国連事務総長のオマージュだと思えばならではの仕上がりで、クライマックスの空中戦は相変わらずの出来でエンターテイメントとしては申し分ない。韓国、中国、北朝鮮、アメリカと思惑の異なる登場人物を登場させながら物語を収斂させていくところはさすがである。リアリティの点から見ると軽い感じが拭えないが、リアルに踏み込むとフィクションとしての面白味に欠けてしまうのではないかと思われ、なかなかの味付けと思った。それでも、もんじゅの高濃度のプルトニウムをテーマに核武装に踏み込んだり、国連憲章の敵国条項に触れたりなど新しいネタを作中に潜ませ、ますます意欲は衰えない。
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800ページもある大著であったけれど、読むことをやめられずに一気に読んでしまった。
設定が、現実に起こりそうなものであることで、細部も大部分が詳しく書かれていて、とても面白かった。
回線が切れない、という部分は、よくわからなかったけれど。
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幾つもの勢力が各々の思惑で動き回る中で、二転三転する事態が…誰が“敵”で、誰が“味方”なのか、なかなか判らない…ハッキリしているのは、「舞島茜が巻き込まれた事態の中で必死になっている」ということだけだ…最後まで眼が離せない!!
本作は、勿論フィクションなのだが…最近の諸情勢を巧く取り込んで「如何にも在りそう…」というように“事態”が展開している。いちいち「これ…そうかもしれないな…」と思いながら読み進めた感も否めない…そして、余り気に留めていないかもしれないような「実は!?」という話題も含まれていて、少々驚かされる…
なかなかにお奨めな一冊!! -
いまの日本を取り巻く東アジアの国際情勢と原発問題が自衛隊へのテロに発展してゆく。フィクションとはいえ原発問題とはこういう緊張をはらんでいるのかと気がつかされる。国連での日本の立場や日米安保の危うさは荒唐無稽なストーリーではあるけどあり得ない話ではないと思わせるリアリティがある。