横浜コインランドリー(祥伝社文庫い37-1) (祥伝社文庫 い 37-1)

著者 :
  • 祥伝社
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感想 : 24
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396350239

感想・レビュー・書評

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  • コインランドリーが舞台の小説は初めて。思えば、洗濯も日常生活に欠かせない行為だ。掃除と同様、清潔な洋服や生活用品を身につけたり使ったりすることは、元気の源のひとつだと思う。横浜の土地勘はあまりないが、山下公園だったり、主人公と関わりの深いイタリアンレストランやクリーニング屋さんのあるエリア、横浜中華街のあるエリアなど、小説に出てきた界隈だけでも魅力的だった。きっと美味しいものがたくさんで景観も雰囲気も素敵な街なのだろう。コインランドリーの店主の真奈さんは思い遣りがある器の大きな人でどんなお客さんに対しても怒らず接することができる人。主人公の茜も思い切って辛い仕事を辞めたおかげで出会えた世界でつくづく一歩を踏み出す大切さを実感した。コインランドリーを利用する人の事情は様々だが、全体を通じ、温かな空気が流れていて読んでいてとても心地よい小説だった。

  • 『横浜コインランドリー(祥伝社文庫い37-1)』|感想・レビュー・試し読み - 読書メーター
    https://bookmeter.com/books/21658751

    Interview:泉ゆたかさん(作家) ユーモアの中、秘めた強さ 新著で「働き者の大阪のおばちゃん」 | 毎日新聞(2023/11/6有料記事)
    https://mainichi.jp/articles/20231106/dde/014/040/003000c

    富山・高岡市出身の漫画家・鶴谷香央理さんインタビュー 「メタモルフォーゼの縁側」原作者 - 富山経済新聞(2022.07.01)
    https://toyama.keizai.biz/column/3/

    s-book.net Library Service
    https://www.sun.s-book.net/slib/slib_detail?isbn=9784396350239

  • 先に『古本食堂』を読んでいなかったらもっと心洗われたにちがいない。近くに無人のコインランドリーしかないので、本作の「ヨコハマコインランドリー」のようなゆったりできるスペースを備えたコインランドリーがあったら良いのに。

    中島茜は新卒から三年間働いたブラック企業を辞め、家に引きこもっていた。このままじゃ駄目だと、半月ぶりに洗濯を思い立ったものの、洗濯機が故障。途方にくれた茜は、近所で見つけた「ヨコハマコインランドリー」に駆け込む。洗濯相談も行うその店で、店長の新井真奈と出会い、話をするうちに、いつしか茜の心は軽くなり……様々な悩みを抱える人々が集う、心の洗濯物語

  • 登場人物の悩みや問題を解決していく本は色々ありますが、コインランドリー店が舞台となっている内容は初めて読みました。
    お店に来るお客さんなどの登場人物たちが抱えている悩みについて、話をしていき関わっていくことで解決されていく展開です。店長さんの抱えている悩みも重いものでしたが主人公やお客さん達との関わりによって前向きとなっていきます。この展開の内容を読むたび、人と関わりを持つことが生き方を前向きにしていくきっかけとなるんだなと思います。自分も他の人にそのような関わりができればいいな…と淡く思いました。

    途中に生乾きとなり臭いが付いた洗濯物の臭い取りや乾燥の仕方について店長が説明されており、実際に洗濯する際に活用できそうだなと思いました。

    全体を通して、綺麗に洗濯されたふかふかなタオルに包まれたような優しさに触れられる本でした。

  • 泉ゆたかさんの作品は、初めて。コインランドリーが舞台の小説も初めて。
    ふわふわに仕上がった微かに石鹸の匂いがする洗濯物を想像するだけで温かい気持ちになれた小説だった。
    コインランドリー店長の真奈さんの雰囲気や人との接し方に色々と学ばせてもらった!特にp207『時代は常に大きく変わります。昔の感覚で今を批判してはいけないように、私たちも今の感覚で昔の人の生き方を否定しないように気をつけなくてはいけませんね。』

    何となく続編が期待できそうかな…読みたい。
    そしてだいぶん長く生きているのだが、まだコインランドリー使ったことがない。今年の目標に、“コインランドリー使ってみる”追加

  • 友達にプレゼントでもらいました。

    とても楽しく読みました。
    こんなコインランドリーがあったら行ってみたい、心温まるお話でした。

    お洗濯についても勉強になります。

  • -------------------------
    そこは心のモヤモヤを
    洗い落とせる場所。

    困った洗濯物も人に言えないお悩みも
    コインランドリーで解決します。
    心がすっきり&ふんわりする物語。
    -------------------------
    ブラック企業を辞めて
    ひとり引きこもっていた主人公が
    ふと訪れたコインランドリー。

    そこで出会ったコインランドリー店長と、
    それぞれ事情を持つお客様たち。
    そこに美味しいコーヒー。

    綺麗に洗って整えることは
    生きることも整える。

    誰だって嫌なこと、理不尽なことを抱え、
    それでも生きていく。
    少しでも日常の暮らしが良いものであるように。

    こんなランドリーがあったら、
    私も通いたいなあ。

    地に足をつけて、
    あたたかくふかふかした洗濯物を持ち帰る。

    優しい気持ちになれる一冊でした。

  • コインランドリーで心も洗い流す物語。
    心が荒むと家事をする気力ないですよね。好きじゃないならなおさら。
    けどここでひと休みしてまた頑張ろうとか、ちょっとでも気が晴れるのがいいなぁと思いました。

  • 洗濯は誰かの愛情と優しさでできている。横浜が今までよりもちょっと好きになるし、洗濯にも詳しくなる。そして最終話ではメタリカも出てくるよ。泉さんはメタリカ好きなのかとかちょっと妄想してしまう。ちょっと心が汚れていた時に読んだのでそれも少しきれいにしてもらえた気がします。素敵な作品でオススメです。

  • ほのぼのだけではなく、登場人物それぞれの心の痛みも書かれているが、お手伝いという、心の寄り添いをし、コインランドリーに来た人たちを励まして、働いてる本人達も成長していくお話。続編も展開したら面白そうだな!と思った。ハートフルな物語。

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著者プロフィール

小説家

「2023年 『幽霊長屋、お貸しします(一)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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