人生の意味と神

  • 新教出版社
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784400310723

作品紹介・あらすじ

アウシュヴィッツを生き延び、ロゴセラピー(実存分析)を提唱した精神科医と、ユダヤ教の立場に立つ神学者の対話。
フランクルは特定の宗教に立つことを明言しないが、人間の根源的宗教性を深く尊重した思想家であり、対してラピーデは明確にユダヤ教の立場に立つ。この二人が、人生の意味探求にとって「神」とは何か、聖書をどう読むかをめぐり、真摯な対話を行う。
この長い対話は、ラピーデが、ユダヤ教ラビであるレオ・ベックに由来する祈りを朗読し、フランクルが、「アーメン」と声をあわせて終わった。
「悪意ある人たちに平安がありますように。すべての復讐が終わり、刑罰と懲罰について語られることがすべて終わりますように。......そしてすべてが過ぎ去ったとき、わたしたちがふたたび人間として人間のもとに生きることが許されますように。」

感想・レビュー・書評

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  • ユダヤ人の心理学者、神学者である2人の対話は神の存在、無神論とは、神はどのような方か、ユダヤ人の時間感覚、心理学の領域で神の存在を追求できるのか、など興味深い話題が満載。難解な本でありながら、楽しく読むことができた。ラピーデの言葉のいくつか含蓄深い。「『神は死んだ』とニーチェが語ったが、祈りを叶える者、成功を供給する者という子供じみている神のイメージを考えるならば、彼は全く正しい!」「ある無名のシベリア抑留者の証「わたしは神を探し求めた。神はご自身を遠ざけられた。わたしはわたしの魂を探し求めた。魂は見つからなかった。わたしはわたしの兄弟を探し求めた。そうしたら3つとも見つかった。」「『エロイエロイ レマ サバクタニ』は『わが神 わが神、何のためにあなたは私を見捨てられたのですか』という未来を見ている神への問い」等々。このような充実した対話本が日本語で読めることは、クリスチャン訳者に感謝したい。

  • とても難しい対話だった。

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著者プロフィール

ヴィクトール フランクル(Viktor Emil Frankl) 1905年、ウィーンに生まれの精神科医。ウィーン大学医学部卒業。ナチにより強制収容所に送られた記録は『夜と霧』にまとめられて有名。最初の妻をはじめ家族のほとんどを失った。1955年よりウィーン大学教授(神経学、精神医学)。実存分析、ロゴセラピー(実存分析的精神療法)の創始者。
ロゴセラピーとは人間の意味への指向・その意志を重視し、深層における精神的実存的人間の発見を意図する療法。1997年没。著書に『死と愛――実存分析入門』、『時代精神の病理学』、『神経症――その理論と治療』『精神医学的人間像』『識られざる神』など。


「2016年 『ロゴセラピーのエッセンス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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