肥前有馬一族

著者 :
  • KADOKAWA(新人物往来社)
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  • Amazon.co.jp ・本 (311ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784404025029

感想・レビュー・書評

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  • 「有間」はやがて「有馬」に。そして「有馬に有馬なし」となる。
    はじめてのキリシタン大名となった大村純忠、天正少年遺欧使節の千々石ミゲル、岡本大八事件で死罪になった有馬晴信。けっこう有名人が出ているのにあまりメジャーではない有馬一族について詳しく書かれた現時点で唯一の書籍だと思われます。
    戦国期から江戸初期の有馬は正にキリスト教に翻弄された歴史ですね。キリスト教がなければ起こらなかった悲劇もあるし、キリスト教があったからこその栄光もある。国内史料と外国史料の両面から見るっていうのは宣教師の影響が大きかった九州ならではだな〜。
    しかし他宗教排斥はやっぱりいただけない・・・イエズス会が成立した背景を考えるとその教えを受けたものがそっちに走るのは当然の流れかもしれませんが、気分が悪くなるなぁ。宗教間の争いなんてどこでもあることだけど、宣教の過程での徹底的な排他がなければあそこまでたくさんの殉教者を出さずに済んだかもしれないと思うのは浅薄ですかそうですか。
    そして本多の血を継ぎ家康の養女となった女性に助けられた一族がここにも、ですね。徳川の姻戚というものはかくも強いものであったか。。。
    悲劇的な末路を辿っているようだけど、苗字の地である有馬を離れてから一族としては少しずつ良い方に向かっていったみたい。皮肉なことだけどせめてそれが救いだなぁ。

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著者プロフィール

1932年、長崎市生まれ。1961年、広島大学大学院博士課程国史専攻単位修了。佐世保工業高等専門学校助教授、長崎大学教育学部教授、長崎県立シーボルト大学教授などを歴任。2013年、没。
【主要著書】『大友宗麟』(吉川弘文館、1975年)、『長崎奉行』(中公新書、1988年)、『中世長崎の基礎的研究』(思文閣出版、2011年)、『長崎史の実像 外山幹夫遺稿集』(長崎文献社、2013年)

「2022年 『大村純忠』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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