ドレの絵で読む ドン・キホーテ

  • KADOKAWA(新人物往来社)
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784404039798

作品紹介・あらすじ

魔法と愛の告白に満ちた娯楽小説「騎士道物語」の読みすぎで、自らを遍歴の騎士と思い込んだドン・キホーテ。はじめは空回りしていた彼の信念と正義が魔法以上の奇跡を呼び寄せる。銅版画の巨匠ギュスターヴ・ドレの挿絵250点を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 聖書に次ぐ世界的ベストセラー“ドン・キホーテ”の縮約版です。
    スペイン文学の金字塔を、ギュスターヴ・ドレによる味のある絵が彩ります。
    「騎士道物語」の影響によって、自分を遍歴騎士であると信じて疑わないラ・マンチャ郷士のアロンソ・キハーノ。
    彼はドン・キホーテを名乗り、方々へ出かけては堂々と騎士として振舞います。
    狂気の度が過ぎるために周りは振り回される毎日です。
    しかし、知らぬ間に作られたドン・キホーテ物語が独り歩きして一躍有名に…。
    物語の大体の流れは辿れる、読みやすい一冊。

  • テリー・ギリアムの映画が早く見たいな~と思いつつ、よく考えたら「ドン・キホーテ」の内容ってよく知らないと思い図書館で借りました。
    実際は長いお話だけど、そこをうまく短縮させ、有名なドレの挿し絵満載の本を選んで。

    初っぱなから、騎士道物語を読みすぎて自分が騎士なんだと思い込んじゃった人の話と知って驚く。
    狂人扱いされながらも、最後の方はまわりもそれにのっかってくれてるし。
    地元じゃきっと愛されてる話なんだろうな~

  • 対オスマントルコとのレパントの海戦に従軍したセルバンテス不朽の名作が、ギュスタ-ブ・ドレの名画で甦る。

  • ドレの挿絵が入った本で、物語のイメージを掴み易かった。騎士への思い込みが激しいドン・キホーテを、周囲の人達がからかい、彼の行く先で様々な事件が起きる。本人は凄く真面目なのに、やっている事が頓珍漢で筋が通らない。騎士としての規律を重んじ、しかも押しが強い。現代のコメディにも通じるところがあって面白かった。
    因みに、税金が余ったから給付金として国民に還元すると言いながら、さらに借金を重ねる政府も何だかドン・キホーテ的な感じがする。

  • ただの概要といった感じで、出来事を述べていくだけ。

  • P141まで読んで今回は終了にしました。
    ネット上でドン・キホーテのあらすじを読んだら、ここまではこれで十分だったな…と思ってしまった。

    この本では深い部分が省略されているような気がしました。

    ネットのあらすじで、この章はとても重要だとか書かれていて、そこを何度も読んだけど重要さがわからず、たぶん省略されてるな~と思ったわけでありました。

    単なる滑稽本?と評される所以はこのような本からかな?
    省略されてない本も読んでみたいけど長そうなので…まいっか~。。時代が違うからね、ということで。

  • ドン・キホーテとサンチョの狂気の物語の中に垣間見える彼らの騎士道精神や生きる哲学が心に染み渡る

    ドン・キホーテはひたすら騎士道の理想をサンチョは日常に生きることの喜びを 相反する考えなのにどこかで二人は分かり合えている なんとも奇妙な関係である

  • 聖書の次に多くの言語に翻訳された出版物らしいですが、今まで読んだことなかった。ドン・キホーテもサンチョ・パンサもどっちかいうと地元のテーマパークのマスコットキャラクターってイメージで(^^;;ドタバタ喜劇でありながら時々ハッとさせられる含蓄のある台詞が出てくる、やはり名作。

  • 「思い込む者は幸いなり」

    17世紀スペイン。ラ・マンチャ地方のとある村。時代遅れの騎士道物語を読み耽った挙句、自らを遍歴の騎士と思い込んだドン・キホーテは、鎧兜に身を包みやせ馬ロシナンテに跨って、旅に出る決意をする。同じ村のサンチョ・パンサを従者として、ドン・キホーテの奇想天外な冒険の数々が始まる。

    回る風車を巨人と思い込んで突撃する変わり者。バレエ「ドン・キホーテ」ではキトリとバジルの恋物語の狂言回し。はたまたディスカウント量販店の店名か…って違うか。断片的にしか知らない「ドン・キホーテ」の全貌を知りたいと本書を手にした。

    かなりいい感じだ。本書は正確には原書の完訳ではなく、ドン・キホーテの楽しい冒険譚の部分に重点を置いた物語。したがって彼の旅立ちから帰郷して最期を迎えるまでのうち、作品のテイストを伝えていると思われたり、特に世に知られたエピソードの部分をつないで構成されている。

    しかもタイトルに「ドレの絵で読む」とあるように、19世紀のフランスの画家・ギュスターヴ・ドレの挿絵がふんだんに使われており、表紙の装丁に見られるような銅版画風の挿絵が、中世の騎士物語に入れ込んだドン・キホーテの半ば妄想ともいえる世界観をあますところなく表現していて素晴らしい。

    素晴らしいといえば、この作品の主人公・ドン・キホーテと従者のサンチョ・パンサの名コンビ。長身で神経質そうな痩せの大男ドン・キ(…ってやっぱり量販店がちらつくね)とちびで太っちょのサンチョのキャラクターがまことに魅力的にコラボレートしている。

    何はさておき、ドン・キのあっぱれな思い込みっぷりである。「ドン・キホーテ」という騎士としての名前もなんと8日間考え抜いて決めたらしい。騎士には生涯の忠誠をささげる姫が必要と近くの村の田舎娘に勝手にドゥルシネア姫と名をつけたり。あと遍歴の騎士と大音声で名乗るわりには何かにつけてよく倒れる。倒れっぱなしで起き上がれなかったり。ずるずる運ばれたり。

    善良だが少々頭の弱いサンチョは、ついてくるなら勝ち取った王国の王にしてやると、私に言わせれば、半ばドン・キにだまされて旅に連れ出されたようなものなのだが、彼にすっかり心酔しつつもこれがまた妙に現実的な部分も持っていてドン・キにいいツッコミをいれるんだよね。

    「旦那さま。何を言いなさるかね。あそこにいるのは巨人なんかじゃねえだよ。ただの風車ですだ。あれは腕ではなく、風車の翼だがね。」

    サンチョの言葉に耳もかさず、風車に突撃したドン・キはその翼に跳ね飛ばされ、ああやっぱり、倒れてる。
    行く先々でその思い込みっぷりは炸裂し、とにかくその奇想天外なエピソードには驚かされっぱなし。ドン・キホーテの留守宅に残された姪と家政婦は「ウソで塗り固められた騎士道物語の作者を地獄行きにしてほしいと神に祈った。」というのだが、こんな世帯主を抱えた家族の気持ち、わからんでもない…。

  • どれどれ、
    ふむふむ。

    メリット:
    一冊で全体像を見わたせ、一気に読める。
    ドレの絵が読者の想像を刺激する。
    訳文平易。

    デメリット:
    縮約版なので、長い物語としての楽しさがなく、とくに読後感に差。
    ソフトカバーとしては少々大きく、手に持って読みにくい。

    とあるジュンク堂を歩いていたら、表紙を向けたこの本がさりげなくアピール。『ドン・キホーテ』は、やはり名作。人生について考えるときのよき相談相手。とりあえずおつかれサンチョ。

    どれどれ、
    まずまず。

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