スティーブ・ジョブズ グラフィック伝記

  • 実業之日本社
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感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408338231

感想・レビュー・書評

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  •  私がジョブズを知った時、すでに彼は完成された人であった。マスコミを通じての彼しか知らなければ、彼の力ひとつで成功したイメージでありつつ、具体的に彼のどんなところがすごいのか、考えたことはなかった。この本は、アップル創業前から、ジョブズが亡くなるまでの伝記である。その中には優秀なエンジニア気質の友人との出会いに始まり、優秀なエンジニア、デザイナーがどれほどに企業の発展に尽力したかが書かれている。アップルという企業がとてつもない革命をもたらしたのは、ジョブズただ1人の力ではなく、周囲の人に支えられての結果だったとわかる。もちろん、その原点はスタッフたちに共感をもたらした、ジョブズの情熱ではあるが。
     また、幼少期に「スティーブのコーナー」をガレージに与えられ、工具で好きに遊ばせてくれたおおらかな養父の存在が印象的だった。ここでジョブズはもののできる仕組みの面白さに目覚めるのだ。子供のころに好きなことで思い切り遊ばせることは最高の教育だと思った。
     聞き慣れないカタカナがいっぱい出てきて、iPhone片手に調べながら読了笑。そしてこのレビューはMacBookAirで書いている。お世話になりっぱなしである。(左手にはAppleWatch)
     またその内容は、難しく書こうと思えばどこまででもややこしくできる主題を、最大限にわかりやすく解説している。シェア率や、売上、株価の推移など数字的表現が必要な箇所も、カラフルで洗練されたグラフィックで、それこそ「直感的」に読者に伝わっている。数字が苦手な私が細かい数字を追わなくても理解することができた。
    読んでよかった。

  • アップルとジョブズが好きな人、けどアイザックソンによる伝記を読む時間の無い人、に強くオススメできる。美しく彩られたグラフとデータ、時代ごとのジョブズを切り取った写真は、良くまとまった文章と合わせて、ページめくりを楽しくさせる工夫に満ちている。複数ウインドウを操るGUI、マウス操作、楽曲のDL、タッチパネル等々、今日当たり前のユーザ体験がどう生み出されてきたかが、彼の足跡を追うことによって、そのまま見えてくるという凄さ。革新を重ねるごとに、天文学的に増える彼の資産と会社の時価総額を示したグラフィックは、時代をデザインした功績そのものであると同時に、もはやお金の問題ではないアピールのようにも見えた。何もかもがジョブズの仕事というわけではないし、欠点も本書で度々指摘があるが、衝突を物ともせず逝去まで突っ走った人生は、面白くない訳が無い。

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