童謡・唱歌の美しい日本語

著者 :
  • 実業之日本社
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408421056

作品紹介・あらすじ

知っておきたい日本語の基礎知識

言葉を知れば、歌うことがもっと楽しくなる!!



【全44曲の歌詞と、200以上の言葉を紹介】

『朧月夜』『仰げば尊し』『八十八夜』『春の小川』『椰子の実』『紅葉』『ふるさと』『浜辺の歌』など



童謡・唱歌の歌詞は、“言葉の宝庫"です。

それがすでに頭の中にあるということは、実はすごいこと。

この本をガイドに、先人たちの遊び心、明治・昭和時代の暮らし、

そして、日本人の心と出会いましょう。



たとえば……



“からす"なぜ鳴くの…『七つの子』より

この一節、そして、あとの一節「かわいい七つの子が…」、

どちらも「かー」と音を響かせて歌い出します。

この音にはからすの鳴き声が重ねられており、私たちはこの歌をうたうたび、

自然とからすの鳴き真似をしていたのです。



“あおげば"尊し わが師の恩…『あおげば尊し』より

「仰ぐ」とは、尊敬する人から教えを受けること。

一方、「思い出す、振り返る」といった意味もあります。

この言葉からゆっくりと歌いだすことで、2つの意味が、混ぜた絵の具のように心に沁みます。



“さくら さくら" 弥生の空は …『桜』より

「さくら」と口ずさむとき、私たちの目には自然と「咲く」光景が浮かびます。

これは、偶然の出来事ではありません。

桜の語源は、「咲く」+「ら(=もの)」。桜の花は、枯れることなく美しい姿だけを見せて散る、

いわば「咲く」ものの象徴です。

「さくら」とくり返し口ずさむことでただようあの幸福感は、先人から私たちへの贈り物です。

感想・レビュー・書評

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  •  誰でも聞いたことのある(といってもおれの知らないのも何曲かはあったのだけど)唱歌、童謡、童歌40曲以上について、歌詞と歌詞の分かりやすい現代語、特に難しい語句の解説と時々そこから曲の解釈の話まで。絵がきれいでイメージしやすくて個人的には絵も好き。
     音としては知っているけれど、こんな意味があるのか、と発見するのが面白かった。正直、一応ちょっと言語学を勉強したことのあるおれには「美しい日本語」というタイトルは大嫌いだし、あとは著者は別に何かの専門家というよりはライター、というのもあって全然期待していなかった分かもしれないけど、面白かった。
     この夏に合唱、という大学の授業を(オンラインで!)受ける機会があって、そこで20代くらいの人たちの話を聞いたけど、「いーらーかーの波とくーものー波」の「鯉のぼり」を知らないとか、「まつばーらーとおくー」の「海」を知らないとか、ショウカってどんな漢字書くんですか、とかそういう人たちがいて、もうおれは卒倒しそうだったが、先生は冷静で、唱歌や童謡はその頃の日本の風景とか習慣とか言葉とかそういうものが詰まっているタイムカプセルみたいなものだから、それを残していくことは大事なこと、と言っていた。確かに、と思って、この本を読んでみたけど、ほんと先生の言っている通り、全然今と当時が違いすぎて、こういう歌を通して当時の日本のことを勉強する、というのは大事なことなんじゃないかと思ったし、音楽でそういう授業やってもいいのになあと思った。いくつか共通するテーマ(例えば「赤とんぼ」と「ねんねんころりよ」に登場する「ねえや」とか、「故郷」と「椰子の実」のいつの日か故郷に帰らん的な話題とか)があって、当時の時代背景を知っておけば歌い方も変わると思う。
     具体的な部分についてはあまりに多いので今回は割愛するけど(それでも印象的なことは「あんたがたどこさ」は実は熊本の歌じゃないかも、とか一月一日の2番はものすごい右な歌だった、とか、「われは海の子」って貧乏さを誇りにする?みたいなのすごいなあとか、ぱっと思い出しても色々あるんだけど)、今音楽を勉強しているおれとしては、歌詞とその解説だけよりも、作曲家とか作詞家とか、歌の背景とか全体の解釈とか、そういうものがもう少し含まれているともっと面白かったのかなあと思うけど、そこまですると取っ付きにくい本になる、ということなのかなあ。曲さえ知っていればすぐに読めるし面白いけど、逆にこの曲を知らない人にとっては、全然面白くない本なのかもしれない。でもおれはこういう数々の歌をどこで知ったのだろうか?学校で習ったばっかりではないと思うのだけど…?という疑問が残る。(22/08/07)

  • 【静大OPACへのリンクはこちら】
    https://opac.lib.shizuoka.ac.jp/opacid/BC08557308

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著者プロフィール

1961年、埼玉県生まれ。慶応義塾大学文学部在学中からテレビ番組の企画等に携わり、卒業後プロのライターに。主にドラマ、商業演劇の企画をおこなう。「言葉とは何か」をテーマにしたシナリオ「姉妹」では、第十回読売テレビゴールデンシナリオ賞で優秀賞を受賞した。2000年からは、言葉と会話をめぐる人間心理についての研究に力を注いでいる。著書に『言いにくいこともスラリと言える話し方88のアイデア』(主婦の友社)、『クイズで楽しむ日本語のふしぎ』(新水社)、『日本の大和言葉を美しく話す―こころが通じる和の表現―』『日本の言葉 の由来を愛おしむ―語源が伝える日本人の心―』『日本の童謡・唱歌をいつくしむ―

「2021年 『童謡・唱歌の美しい日本語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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