図書室のはこぶね

著者 :
  • 実業之日本社
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本棚登録 : 2304
感想 : 164
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408537993

作品紹介・あらすじ

1冊の本と、10年前の謎――この世界が愛おしくなる、瑞々しい青春小説!

10年前に貸し出されたままだったケストナーの『飛ぶ教室』は、なぜいま野亜高校の図書室に戻ってきたのか。体育祭を控え校内が沸き立つなか、1冊の本に秘められたドラマが動き出す。未来はまだ見えなくても歩みを進める高校生たちと、それぞれの人生を歩んできた卒業生たち――海の見わたせる「はこぶね」のような図書室がつなぐ〈本と人〉の物語。

~~県立野亜高校図書室名物~~

① オリジナル検索機「本ソムリエ」

② 司書の伊吹さん

③ 海が見わたせる窓

~~~~~~~~~~~~~~

装画:カシワイ 

感想・レビュー・書評

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  • たまたま図書館で目についた本。
    こうゆう出会いこそ、図書室や図書館の魅力。
    謎解きに夢中になって、一気読み。
    最後の展開回収もよかった!
    「みんなで楽しむためには、みんなが楽しめる環境を整える必要がある」
    簡単なようで難しいよね。

  • 後悔ややり遂げられなかった想いも乗せて方舟に乗ろう

  • 泣き崩れた…

    物語のきっかけは、体育会系で本に興味が無い臨時図書委員になった主人公が所在不明な本と暗号のメモを発見するのが発端。
    そこから学校の伝統やら10年前の過去やら初代生徒会長やらいくつもの要素が絡み合って来る。

    好き、本当に好き。この文章力、物語の構成のセンスから、私の脳内では容易に映像化出来てスルスル読めちゃう。入り込んじゃう。

    伏線回収という仰々しいものではなく、作者の「ポケットからポロポロ小さな何かをこぼして後で拾いに行く」構成が好き。

  • 【図書館本】名取 佐和子先生の作品を読むのはこれが初。登場人物、ベース、ストーリー、全てが完璧。谷町先生や江森さんみたいな人は本当にどこにでもいる。“みんなで楽しむためには、みんなが楽しめる環境を整える必要がある”……“みんな”とは誰か、学校関係者のにはぜひ考えてほしい。野亜高の“自由形土ダン”、私も参加してみたくなった。

  • はこぶね、、ただの怖い乗り物ってだけではなかった。希望の船、俺たちの船。

    野亜高校の図書室でのお話。ケストナー著『飛ぶ教室』が返却されるも、図書館内には「在」の表示。ナゼに2冊目の文庫?
    引退直前に怪我をし、高校挙げてのお祭り=体育祭にも出られなくなった花音。友だちと代わった1週間の図書委員の仕事で見つけたなぞとは?
    10年前の高校生の想いをも救う出来事に発展した。

  • 高校を舞台にした濃密な1週間。

    ミステリーでもあるし
    青春小説でもあるし
    実際の本の紹介もあるし
    色々と問題提起な部分もあって
    様々な要素があるなぁと感じました。

    最初の方はあまり面白いと思えず
    挫折しそうになったけど
    途中から面白くなって、そこからは一気読み。

    物語の中で紹介された本が
    巻末にまとめられてるの良かった!

    「玄関の覗き穴から差してくる光のように生まれたはずだ」と「火星の話」を読んでみたくなりました。

  • 作者さんがゲームのシナリオライターという異色の経歴に惹かれて読んでみた。それに、本のイラストに本関連のミステリーときたらもう本好きは読んでみるしかない。
    青春ってこんな感じで突き進むし感情はほとばしるし、読んでる自分も若返った気持ちになる一方、主人公たちのある意味達観した台詞にはっとさせられることが多かった。辛い過去があることは可哀想だけど、そういった経験がこのような深く正しい信念のある人間にしていっただのだろうと思う。このまま主人公たちは正しく真っ直ぐに育ってほしいと変な老婆心で願わざる終えない(笑)
    そして、主人公が探す犯人(犯人という表現は正しくないかもだけど)も、その人が図書室に入ってくるまで私は分からなかった(笑)ミステリーとしても十分楽しめた。

  • 殺人事件ではないミステリー。
    281ページ中26ページまで読み進めた時から、最後までずっとワクワクと先が気になる楽しみを感じられながらの読了。
    一週間という期間を一冊にまとめているわけだが、なんて濃密な一週間。
    高校の図書室なんて、足を踏み入れた記憶はほぼなかったけど、高校生の頃にこんな経験したかったなぁー。
    大人になってからだとなかなか味わえない感覚を疑似体験でき、とても良かった。
    本が絡むミステリー、もっと読んでみたくなった。

  • 一冊の本をめぐる高校生の謎解き。体育祭大嫌いだったけど、こんな学校だったら楽しめたかも。もう一度高校生やりたくなりました、、

  • 高校の図書室が舞台の青春ものであり、ミステリーでもあり、読んでいて、楽しい
    ただその中にも、トランスジェンダーなどの問題も出てくる
    様々なことを考えさせてくれた

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著者プロフィール

名取 佐和子(なとり・さわこ):兵庫県生まれ、明治大学卒業。ゲーム会社勤務の後に独立し、2010年『交番の夜』で小説家デビュー。著書に『ペンギン鉄道 なくしもの係』(第5回エキナカ書店大賞受賞)シリーズ、『金曜日の本屋さん』シリーズ、『シェアハウスかざみどり』『江の島ねこもり食堂』『逃がし屋トナカイ』『寄席わらしの晩ごはん』『七里ヶ浜の姉妹』『ひねもすなむなむ』『図書室のはこぶね』(京都府私立学校図書館協議会司書部会「中高生におすすめする司書のイチオシ本2022年度版」第6位、「埼玉県の高校図書館司書が選んだイチオシ本2022」第8位、うつのみや大賞2023第4位)ほか多数。

「2023年 『文庫旅館で待つ本は』 で使われていた紹介文から引用しています。」

名取佐和子の作品

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