私が推しを殺すまで (実業之日本社文庫)

著者 :
  • 実業之日本社
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408558646

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  • Amazonの紹介より
    平凡な女子高生と、そのクラスメイトの男子生徒。
    ふたりはなぜ、人気男性アイドルの命を狙ったのか。
    愛ゆえの絶望が、彼らを凶行へと駆り立てる。
    刹那的青春。その狂気の果てに待っていた真実とは…!?
    青春の《歪み》と《痛み》を鮮烈に描いたセンチメンタル・クライムストーリー!「もし、人をひとりだけ殺していいって言われたら、誰を殺す?」
    クラスメイトの男子――月宮夜舟にそう問われ、庄司波菜子が真っ先に思い浮かべたのは、アイドルグループ「バックトゥザナウ」の推しメン・藤川勇の顔だった。
    不可思議な友情で結ばれた高校生男女の犯罪計画は、驚くべき大胆さで実行に移されていくが…。



    欲望のまま、一線を超えてしまった人達の末路に言葉を失ってしまいました。
    序盤は、何か犯行を犯した後の話になっていて、何を犯したのか、ここではまだ明らかになっていません。
    そして、過去に遡り、どのようにして事件が起きたのかが語られます。

    あるアイドル推しの女子高生、その女子高生に恋する男子高校生、そして推しのアイドル、この三人を中心に物語は展開していくのですが、まぁクズといったら言葉は悪くなってしまいますが、みんなあまりの狂気さにちょっと引いてしまいました。徐々に垣間見る「裏」の顔が、異彩を放っていて、自分を突きつけてしまえばしまうほど、自分自身が狂っていく描写が印象深く心に刺さりました。

    特にアイドルの男は、アイドルの顔とは裏腹に、正直さえの嫌味たらしさに、「もしかして現実でも誰かいるのでは?」と思うくらい、リアルに映っていました。
    ファンから見る光景と本人の本当の心情とは果たして一致しているのか?ちょっと一歩引いて、アイドルの人達を見るようになってしまいました。

    色々な要素を含めて、残酷な描写でしたが、爽快感や心の痛みの入り混じった空気が漂っていました。
    追い求めたが故の展開は、美しくもあり、残酷でもあり、身勝手すぎるといった感想が、頭を駆け巡りました。
    そこまで、追い求めたいのか⁉︎と第三者からの目で見てしまいました。

    そして、騒動に巻き込まれる何も関係ない人にとっては迷惑でしかなく、後先を考えることの大切さを感じました。
    一つの欲望が招く悲劇に冷静に考えることも大切であると感じました。
    何事もほどほどに。

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著者プロフィール

東京都在住。2008年に書き上げられた代表作『天国までの49日間』は、その後2011年に第5回日本ケータイ小説大賞にて大賞を受賞し、作家デビューを果たす。現在、作家として小説やコラムを執筆し続ける一方で、開運アドバイザーとしても活躍。著書に『16歳の遺書』(実業之日本社文庫GROW)、『70年分の夏を君に捧ぐ』(スターツ出版文庫)、『線香花火のような恋だった』(集英社オレンジ文庫)など。生きることの尊さと儚さ、壮絶さを描いた作品が人気。

「2022年 『ひとりぼっちの殺人鬼』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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