文化の窮状: 二十世紀の民族誌、文学、芸術 (叢書文化研究 3)

  • 人文書院
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  • Amazon.co.jp ・本 (601ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784409030684

作品紹介・あらすじ

文化概念の再考を迫る名著、待望の邦訳。著者インタヴューと解説「批判人類学の系譜」(太田好信)を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 一応目を通したが、難しい。
    現代を理解するための道標のような本。
    また挑戦したい。

  • 原題:The Predicament of Culture: Twentieth-Century Ethnography, Literature, and Art, President and Fellows of Harvard College.
    著者:James Clifford(1945-)
    訳者:太田好信 慶田勝彦 清水展 浜本満 古谷嘉章 星埜守之

    【人文書院の内容紹介】
     これまで一般的に信じられてきた文化概念では、グローバルな移動が日常になっている現代世界を理解することはもはやできなくなっている。脱植民地化の過程において、文化の諸断片はただよい、根を断たれたアイデンティティにこの世界はみたされてしまった。そこでは忘れたはずの植民地主義の遠い記憶が、突如として現在生起しつつある事態と結びついてしまう。脱植民地化の時間は往還する時間なのである。では空間的にも、時間的にも錯綜している現代世界を把握するためにどのような方途があるのだろうか。著者クリフォードは文化概念そのものの変更を主張する。「有機的な一体性をもち、ある土地に根ざした固有のもの」という硬直した文化概念を捨てること。純粋で真正な文化などもはやありえないことを知り――それを嘆くのではなく――、断片的で混淆した文化のありようを評価し、根(ルーツ)をなくしたものの経路(ルーツ)をたどること。こうすることで、これまでとは違った世界が見えてくる。原書刊行からすでに10年以上を経過しているが、その衝撃力はいまだ衰えていない。熱讃者は後を絶えず、引用・言及される頻度や範囲においても第一級の基本文献といえる。【叢書 文化研究】の続編として、日本でクリフォード的実践をおこなう第一人者による最新インタヴューと超力作解説を付して万全の構えで刊行する。
    http://www.jimbunshoin.co.jp/book/b66277.html

    【簡易目次】
     序章 純粋なものが、狂ってゆく 009
    第一部 言説 
     第一章 民族誌的権威について 035
     第二章 民族誌における権力と対話――マルセル・グリオールのイニシエーション 075
     第三章 民族誌的自己成型――コンラッドとマリノフスキー 121
    第二部 転置 
     第四章 民族誌的シュルレアリスムについて 151
     第五章 転置の詩学――ヴィクトル・セガレン 195
     第六章 君の旅について話してくれ――ミシェル・レリス 213
     第七章 新語のポリティクス―エメ・セゼール 227
     第八章 植物園―ポストカードより 237
    第三部 収集 
     第九章 部族的なものと近代的なものの歴史 245
     第十章 芸術と文化の収集について 273
    第四部 歴史 
     第十一章 『オリエンタリズム』について 321
     第十二章 マシュピーにおけるアイデンティティ 349
    インタヴュー [489-513]
    解説 [515-553]
    訳者あとがき [555-559]


    【目次】
    謝辞 [001-002]
    目次 [003-005]
    凡例 [006]
    献辞 [008]

    序章 純粋なものが、狂ってゆく 009

      第一部 言説 
    第一章 民族誌的権威について 035
    第二章 民族誌における権力と対話――マルセル・グリオールのイニシエーション 075
    第三章 民族誌的自己成型――コンラッドとマリノフスキー 121

      第二部 転置 
    第四章 民族誌的シュルレアリスムについて 151
      民族誌的超現実〔シュルレエル〕
      モース、バタイユ、メトロ―
      分類学〔タクソノミーズ〕
      人類博物館において
      文化/コラージュ
      ダダのデータ ――補遺
      註釈 192
    第五章 転置の詩学――ヴィクトル・セガレン 195
    第六章 君の旅について話してくれ――ミシェル・レリス 213
    第七章 新語のポリティクス――エメ・セゼール 227
    第八章 植物園――ポストカードより 237

      第三部 収集 
    第九章 部族的なものと近代的なものの歴史 245
    第十章 芸術と文化の収集について 273
      私たち自身を収集する
      文化の収集
      収集のためのクロノトープ
      他の領有〔アプロプリエーション〕

      第四部 歴史 
    第十一章 『オリエンタリズム』について 321
    第十二章 マシュピーにおけるアイデンティティ 349
      アール・ミルズ
      諸々のイメージ
      ヘイゼル、オークリー、ハンナ・エイヴレット
      海
      境界
      ジョン・ピーターズ
      歴史I 
      ヴィッキー・M・コスタ 
      歴史II 
      ラッセル・ピーターズ 
      歴史III 
      専門家たち
      ウィリアム・スタートヴァント
      法廷ノート
      リチャードソン・ジョナス
      記録
      評決
      追考
      二つのスナップショット

    原注 [447-468]
    訳注 [469-478]
    用語集 [479-487]

    [インタヴュー]往還する時間――『文化の窮状』の過去と新たな未来 [489-513]
      歴史学から人類学批判へ
      文化を書く
      民族誌的シュルレアリスム
      『ルーツ』へ、『ルーツ』から
      節合する先住民運動
      「未来になりつつある現在」
      脱植民地化の不均等なプロセス
      参照文献 512

    解説 批判的人類学の系譜(太田好信) [515-553]
      1 はじめに――位置をとること 
      2 コンテクスト――継続する六〇年代 518
      3 未来を見つめるために振り返る――モーリス・レーナルトの仕事 522
      4 民族誌的権威の分散――収集する力の転置へ向けて 527
      5 「未来になりつつある現在」――文化をとおした先住民たちの未来への経路 531
      6 窮状にある「文化」 534
      7 フランスから米国へ――歴史の語り直し 537
      8 民族誌における虚構――「故意に信じること」 540
      9 『ルーツ』に向けて 542
      10 アイデンティティの政治をどう考えるか 544
      11 おわりに――他の場所との結びつきをここで考えること 546
      参照文献 551

    訳者あとがき(二〇〇二年晩秋 一周忌を前にして、本書を浜本まり子さんに捧げます 訳者一同) [555-559]
    図版一覧 [xxxxi-xxxxii]
    参照文献 [xviii-xxxx]
    索引 [i-xvii]

  • ちょっと興味範囲と違った。時間がある時によみ直したい。

  • [ 内容 ]
    文化概念の再考を迫る名著、待望の邦訳。
    著者インタヴューと解説「批判人類学の系譜」(太田好信)を収録。

    [ 目次 ]
    純粋なものが、狂ってゆく
    第1部 言説(民族誌的権威について;民族誌における権力と対話―マルセル・グリオールのイニシエーション ほか)
    第2部 転置(民族誌的シュルレアリスムについて;転置の詩学―ヴィクトル・セガレン ほか)
    第3部 収集(部族的なものと近代的なものの歴史;芸術と文化の収集について)
    第4部 歴史(『オリエンタリズム』について;マシュピーにおけるアイデンティティ)

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    [ 参考となる書評 ]

  • ゼミ

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著者プロフィール

1945年、アメリカ合衆国ニューヨーク市生まれ。1978年から2010年までカリフォルニア大学サンタクルーズ校の「意識の歴史プログラム」教授。現在は同大学名誉教授。1986年、ジョージ・マーカスとの共編著『文化を書く』(紀伊國屋書店)により、人類学の批判的歴史家として一躍有名になる。2010年、2018年に来日。著書に論集『文化の窮状』(人文書院)『ルーツ』(月曜社)『リターンズ』(みすず書房)、対談集『人類学の周縁から』(人文書院)など。

「2020年 『リターンズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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