ヒエロニムス・ボスの図像学: 阿呆と楽園に見る中世

著者 :
  • 人文書院
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  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784409100066

作品紹介・あらすじ

世紀末の図像文化をさぐる。中世末期、それは私たちを愚者たちのワンダーランドへと誘う甘美な崩壊感覚にみちた時代だ。この中世文化の爛熟の時期にオランダに現れた画家がヒエロニムス・ボスである。

感想・レビュー・書評

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  • いつもながらにその知識量に脱帽する神原氏。

    ヒエロニムス・ボスの代表作四作を取り上げ、歴史面、文化宗教面など多岐にわたる分野を視野に入れ詳細に分析し読み明かした秀作。
    特に「快楽の園」の庭園論、「聖アントニウスの誘惑」における疫病からみる絵画論はボスという画家を通し中世に流れた時流をも読み解く秀逸さを見せる。
    しかしページ数によるものかもしれないが、個人的には「放蕩息子」より「七つの大罪」もしくは「干草車」「最後の審判」の記述の必要性を感じた面が否めないため
    ☆四つにしてしまった。
    ボスに関しては氏に絶対の信頼を置いて間違いないだろう。
    今度はぜひ素描論が読みたい。

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著者プロフィール

神原 正明(かんばら まさあき) 
1952年大阪に生まれる. 神戸大学大学院文学研究科修了. 西洋美術史・図像学専攻. 現在:倉敷芸術科学大学芸術学部教授. 著書:『ヒエロニムス・ボスの図像学』(人文書院), 『天国と地獄』(講談社), 『ボスの「快楽の園」を読む』(第13倫雅賞・河出書房新社), 『快読・西洋の美術―視覚とその時代』『快読・日本の美術―美意識のルーツを探る』『快読・現代の美術―絵画から都市へ』(すべて勁草書房). 共著:『芸術学フォーラム・西洋の美術』(勁草書房), 『名画への旅・北方ルネサンス』(講談社), 『世界美術大全集・北方ルネサンス』(小学館)ほか.

「2019年 『ヒエロニムス・ボス 奇想と驚異の図像学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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