モリニエ、地獄の一生涯

  • 人文書院
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784409100134

作品紹介・あらすじ

EROSの越境者。自慰、近親姦、同性愛、屍姦、人形愛…あらゆる倒錯的性愛に淫するフェティシスト。アーモンド型の大きな眼と長い黒髪をもち、ハイヒールに黒いストッキングを身につけた女たち、その女たちの身体が分解され捻じまげられることで生れる肉体の花々-あのきわめて猥らで挑発的な絵画の秘密。アンドレ・ブルトンにその魔術的才能を熱讃された画家の死とエロスに彩られた狂気のドキュマン。

感想・レビュー・書評

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  • 美しい脚、ストッキングを偏愛し、時には女装しては両性具有を体現してみせる。また妹の亡骸の上で快楽を得、自らのそれを象った張形で自慰に耽る……スキャンダラスな逸話に彩られた異端の画家・写真家であるピエール・モリニエの真実と素顔に迫った伝記。彼を取り巻く人々の証言、残された書簡、本人によるインタビューなどからモリニエがどのような人物であったのか浮き彫りに。巻頭には彼の作品やポートレイトが多数収録されています。彼の歪な欲望は人を戦慄させますが、しかしそれが彼の芸術の源泉であったのも事実。女、絵画、ピストルを偏愛したモリニエの最期も壮絶。予告通り、拳銃自殺を遂げた彼の死に様も、その「地獄の一生涯」の幕引きには(不謹慎ながら)最も相応しいと感じてしまう。たった一度きりの死を、愛したものによって齎されるのは、彼にとっては無上の悦楽のように思うのだ。モリニエの画集や写真集があれば欲しい。

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