- Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
- / ISBN・EAN: 9784409410806
作品紹介・あらすじ
いまわれわれが接することができる親鸞の手紙はすべて、七十歳代から八十歳代にかけての最晩年に集中している。自力・他力の分別の如何、他力本願といえ自分の精進努力も必要ではないか、という混乱する東国念仏者たちの信仰への疑念にこたえ、徹底した信心中心の思想、弥陀仏への絶対的信仰を往生の要とする専修念仏を心をこめて説き明かし、切々とうったえる姿は、その老齢を考えると感動的である。なかでも、「悪人正機説」で有名なように、「善人なほもて往生をとぐ、いはんや悪人をや」(『歎異抄』)という親鸞思想の核心が、誤った教説に歪められ混乱を深めていること、その誤りの中心人物が誰あろう息子善鸞であることを知るにおよび、やむなく義絶にいたるあたりの、苦悩に満ちた手紙には圧倒される。<br><br>なお本書では、親鸞の手紙のほかに、妻の恵信尼が娘の覚信尼に宛てた十通の手紙(大正年間に発見された)を添えることで、非僧非俗の自らのプライバシーについて一切語らなかった親鸞のもう一つの姿も垣間見せている。<br><br>前著『法然の手紙──愛といたわりの言葉』(人文書院、一九九一年)同様、一般読者向きに逐語訳を排し、専門用語もできるだけ平易な現代語に置き換え、手紙の背景となる歴史的事実の解説と、登場人物への的確な注記をほどこした、今最も読みやすい親鸞書簡集として薦めたい。<br><br>
感想・レビュー・書評
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<閲覧スタッフより>
親鸞が晩年に関東の門弟に宛てた手紙。真の教えについて説いたもの、息子善鸞にあてた義絶状(縁切り)など晩年になっても布教に努めた親鸞の姿が見えてくる。
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所在記号:188.72||シン
資料番号:10220740
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人文書院から復刻版として出版された親鸞の手紙という本。
難しいのかなと思いつつ読み始めましたが、たとえ歎異抄よりは
読みやすくて、親鸞の教えの一旦が分かる気がしました。
息子善鸞との義絶状も掲載されており興味深かったです。
また、阿弥陀如来の四十八本願の口語訳もところどころにあり
それらが親鸞の教えの分かりにくい部分(完全他力・悪人正機など)
を理解しやすくするための一助となっている内容でした。
親鸞から出された手紙であることが、教えが分かりやすい部分
それから、生活の一旦が書かれてある部分、妻恵信尼の手紙もあり、
興味深い内容でした。
でも私は浄土真宗ではありませんが