イエスの生涯

  • 人文書院
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  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784409420201

作品紹介・あらすじ

読み継がれる珠玉の名著。イエスはなぜ十字架にかけられたか。律法を越えて弱き者、貧しき者に愛と理想と神の国の思想を説いたイエスの生涯は、人間の心に永遠に訴えかける。60枚のデッサン・地図を付す。

感想・レビュー・書評

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  • 人間としてのイエスを描いた本。
    これぞ19世紀みたいなイラストが本に合っている。

  • 宗教史家エルネスト・ルナンの『イエスの生涯』。近代合理主義の観点から書き直されたイエス伝。当時から現代にいたるまで賛否両論の問題作。

    個人的には以前からかなり気になっていたが、後回しになっていた。イエスの生涯に対する造詣も深まってきたからこそ、変に揺れることなく読めるだろうと手を伸ばした。
     リベラルな視点は予想通りだったが、奇跡や超自然に対して、現実的な立場を取り、言ってしまえば「無かった」ということだが、しかしイエスを究極の人格と称揚する。いわゆる神の子としてではなく、終末論的史観からでもなく、自然淘汰的な視点から歴史を見つめ、イエスの道徳の偉大さを語る。

     非常に読みやすい訳で、堅苦しさを感じさせず、最後まで一気に読ませる力量は、ルナンのポエジーもさすが、訳もいいですね。福音書の解釈はいろいろあるがカザンザキスと重なるものを感じた。「キリスト最後のこころみ」のイエス像と重なる。彼も人間イエスを大きな霊感の元書き上げた、魂の詩人である。ルナンのイエスに対する情熱も大きなものがあった。その熱を感じられたことが善き体験であった。

     キリスト教の使命は黙示録の到来の準備ではなく、イエスの生き方のまねびであるとはっきりと言う。要するに宗教の使命は現世の超越ではなくて、道徳の実現である、という。合理主義的だが、忘れてはいけない。

    14.4.24

  • 歴史的名著2000年の新訳.30年前、モームの「人間の絆」の主人公が読むシーンがあったので影響されて読んだことがある.再読だが理論的で科学的で人間イエスが改めて良くわかる.

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著者プロフィール

1823-92年。フランスの宗教史家・文献学者。主な著書として、本書(1882年)のほか、『キリスト教起源史』(1863-83年)など。

「2022年 『国民とは何か』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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